当店は受付でお約束事項を確認していただきます。その後、お席へのご案内時に、猫たちと仲良くなるためのコツや個々の猫の性格、お膝乗り攻略法などを記載した写真付きのマニュアルをお渡ししています。いろいろと細かなノウハウがあったりするのでつい長文になりがちだったのですが、言葉を選び改良を重ね読みやすくしたつもりです。

しかし全てのお客様がそれらを読み、実践しているわけではありません。例えば、使い慣れたスマホの感覚で、簡易取扱説明書も読まずに新規のスマホを操作してしまう行動に似ているかもしれません。

特に猫を飼っているお客様は独自の経験から自己流で接する方も時々いらっしゃり、猫たちに敬遠されることもあります。飼い主のことを信頼しているご自身の愛猫なら少し雑な接し方をしても懐いてくれますが、猫カフェの猫たちには嫌がられたり、お店によっては怖がられたりする場合も少なからずあるようです。

ところで当店マニュアルにも書いていますが、猫にお膝に乗ってもらうには「静かに待つ」「乗りやすい場所を作る」ということが特に重要です。機会があれば口頭でも具体的にご案内しています。冬だと待ち時間も少なく(余程のことがない限りは)、お膝難民となった猫たちが奪い合うようにお膝に乗りに行きます。

ただ夏は猫ちゃんがお膝に乗ると、クーラーが効いていても互いの接地面が徐々に熱くなります。暑い季節ではそれが心地良い温度とならない場合も少なからずあるのか、乗る回数や猫数、乗る時間が減ったりしがちです。とはいえ、新規のお客様でもタイミングさえ合えば、暑い季節でもお膝に乗ってきます。

新規のお客様は、当店の猫に乗られる至福の経験がないために、常連様より「乗られやすい体勢を保つ」「乗りそうな猫を見極めその場所に移動する」「忍耐強く待つ」ことができない場合が多いようです。そういった努力が求められがちな夏期の乗り率は、冬期と比較すると特に常連様と差がつきやすいのです。各常連様にはその方独自の触れ合い必勝パターンがあったりするので尚更です。膝乗せ秘技には、「両足と膝掛けでトンネルを作る」「カーディガンと座椅子の背面と背中で隠れ家を作る」などがあります。

週に数回来ていただく方で、ムース(10歳♂)が必ず乗ったり足間に隠れたりする常連様がいらっしゃいます。そのお客様によくよくお聞きすると、「最初のころは猫が乗ったら微動だにしないように地道にやっていたからかなぁ〜」との回答がありました。だから多少地声が大きくても嫌がらずに猫たちが乗るのかと、感心した次第です。猫たちは乗り心地の良いお客様をちゃんと知っているのですね。

果たして当店のマニュアルは、ご自身の飼い猫と猫カフェの猫とは違うことをご理解できる方、独自の方法に固執せず、素直にコツを習得しようとする方、猫との接し方を一から学びたいと思っている方、各々の猫カフェによって猫の行動傾向に違いがあることがわかっている方々に上手く活用されているようです。

さて、話を戻します。
ここ十数年、猫カフェが普及するにつれ、お約束事項に反する行為をされるお客様は徐々に少なくなりました。それでもたまにお見かけします。そんな時は、上記の取扱説明書や飼い猫との違いなど理由があることを承知していただいた上で、是正をお願いしています。

昔はお約束事項を守らないお客様は「当店にとって良くないお客様」と見なし、少し固い口調で注意したりもしていました。ですが、あまりにも規則に神経質になってしまうと、店内がピリピリした雰囲気になり、お客様が楽しめない、頭の良い猫たちも敏感に察知するなど、弊害が出てしまいます。現在は「早く猫と触れ合いたくてお約束事項をつい流し読みしてしまったお客様、うっかり内容を忘れてしまった猫好きで善良なお客様」と思えるようになり、できる限り失礼のないよう配慮した対応をしております。


お約束事項には「抱っこ禁止(=猫をむやみに拘束しない)」など、猫と仲良くなるための基本的な項目も含まれています。お渡ししたマニュアルを参考に触れ合いスキルを磨き、猫たちへお膝をご提供していただいた多くのお客様に感謝すると共に、その熟練された技術をぜひ他の場所の猫たちにも広めていただければと思います。人間の膝が心地よいものであると知ることは、猫たちのストレスフリーな幸せに少しでも繋がるはずだからです。

著者:庄 知宏@


当店は受付でお約束事項を確認していただきます。その後、お席へのご案内時に、猫たちと仲良くなるためのコツや個々の猫の性格、お膝乗り攻略法などを記載した写真付きのマニュアルをお渡ししています。いろいろと細かなノウハウがあったりするのでつい長文になりがちだったのですが、言葉を選び改良を重ね読みやすくしたつもりです。

しかし全てのお客様がそれらを読み、実践しているわけではありません。例えば、使い慣れたスマホの感覚で、簡易取扱説明書も読まずに新規のスマホを操作してしまう行動に似ているかもしれません。

特に猫を飼っているお客様は独自の経験から自己流で接する方も時々いらっしゃり、猫たちに敬遠されることもあります。飼い主のことを信頼しているご自身の愛猫なら少し雑な接し方をしても懐いてくれますが、猫カフェの猫たちには嫌がられたり、お店によっては怖がられたりする場合も少なからずあるようです。

ところで当店マニュアルにも書いていますが、猫にお膝に乗ってもらうには「静かに待つ」「乗りやすい場所を作る」ということが特に重要です。機会があれば口頭でも具体的にご案内しています。冬だと待ち時間も少なく(余程のことがない限りは)、お膝難民となった猫たちが奪い合うようにお膝に乗りに行きます。

ただ夏は猫ちゃんがお膝に乗ると、クーラーが効いていても互いの接地面が徐々に熱くなります。暑い季節ではそれが心地良い温度とならない場合も少なからずあるのか、乗る回数や猫数、乗る時間が減ったりしがちです。とはいえ、新規のお客様でもタイミングさえ合えば、暑い季節でもお膝に乗ってきます。

新規のお客様は、当店の猫に乗られる至福の経験がないために、常連様より「乗られやすい体勢を保つ」「乗りそうな猫を見極めその場所に移動する」「忍耐強く待つ」ことができない場合が多いようです。そういった努力が求められがちな夏期の乗り率は、冬期と比較すると特に常連様と差がつきやすいのです。各常連様にはその方独自の触れ合い必勝パターンがあったりするので尚更です。膝乗せ秘技には、「両足と膝掛けでトンネルを作る」「カーディガンと座椅子の背面と背中で隠れ家を作る」などがあります。

週に数回来ていただく方で、ムース(10歳♂)が必ず乗ったり足間に隠れたりする常連様がいらっしゃいます。そのお客様によくよくお聞きすると、「最初のころは猫が乗ったら微動だにしないように地道にやっていたからかなぁ〜」との回答がありました。だから多少地声が大きくても嫌がらずに猫たちが乗るのかと、感心した次第です。猫たちは乗り心地の良いお客様をちゃんと知っているのですね。

果たして当店のマニュアルは、ご自身の飼い猫と猫カフェの猫とは違うことをご理解できる方、独自の方法に固執せず、素直にコツを習得しようとする方、猫との接し方を一から学びたいと思っている方、各々の猫カフェによって猫の行動傾向に違いがあることがわかっている方々に上手く活用されているようです。

さて、話を戻します。
ここ十数年、猫カフェが普及するにつれ、お約束事項に反する行為をされるお客様は徐々に少なくなりました。それでもたまにお見かけします。そんな時は、上記の取扱説明書や飼い猫との違いなど理由があることを承知していただいた上で、是正をお願いしています。

昔はお約束事項を守らないお客様は「当店にとって良くないお客様」と見なし、少し固い口調で注意したりもしていました。ですが、あまりにも規則に神経質になってしまうと、店内がピリピリした雰囲気になり、お客様が楽しめない、頭の良い猫たちも敏感に察知するなど、弊害が出てしまいます。現在は「早く猫と触れ合いたくてお約束事項をつい流し読みしてしまったお客様、うっかり内容を忘れてしまった猫好きで善良なお客様」と思えるようになり、できる限り失礼のないよう配慮した対応をしております。


お約束事項には「抱っこ禁止(=猫をむやみに拘束しない)」など、猫と仲良くなるための基本的な項目も含まれています。お渡ししたマニュアルを参考に触れ合いスキルを磨き、猫たちへお膝をご提供していただいた多くのお客様に感謝すると共に、その熟練された技術をぜひ他の場所の猫たちにも広めていただければと思います。人間の膝が心地よいものであると知ることは、猫たちのストレスフリーな幸せに少しでも繋がるはずだからです。

著者:庄 知宏@