ちょっと調べ物があって、先日、国立国会図書館に行ってきた。
“国会”と言っても政治うんぬんではなく、いわゆる国立の図書館である。納本制度なるものがあり、書籍も雑誌も新聞も、日本で一番所蔵数の多い図書館だ。
が、しかし、専門誌や古い雑誌等になると欠号している場合もあり、私が探したかった古い専門誌は、肝心の号が欠号になっていた。
ということで、じゃあ、他に「猫」でおもしろいものがないかなと思い、簡易検索で「猫」を入れて検索してみたところ、いくつかありましたよー。
今回は、そのうちの1つ「猫神さま」の報告書を紹介する。
まず、「お!」と気になったのが『丸森の猫神さま』という、教育委員会が発行した報告書。
ちょっと調べ物があって、先日、国立国会図書館に行ってきた。
“国会”と言っても政治うんぬんではなく、いわゆる国立の図書館である。納本制度なるものがあり、書籍も雑誌も新聞も、日本で一番所蔵数の多い図書館だ。
が、しかし、専門誌や古い雑誌等になると欠号している場合もあり、私が探したかった古い専門誌は、肝心の号が欠号になっていた。
ということで、じゃあ、他に「猫」でおもしろいものがないかなと思い、簡易検索で「猫」を入れて検索してみたところ、いくつかありましたよー。
今回は、そのうちの1つ「猫神さま」の報告書を紹介する。
まず、「お!」と気になったのが『丸森の猫神さま』という、教育委員会が発行した報告書。
丸森町は宮城県南部にある町。江戸時代から養蚕が盛んな地域で、蚕や繭の中のサナギを狙うネズミの害に困っており、養蚕農家では必ず猫を飼っていたそうだ。
(猫を飼っていたのは丸森町の養蚕農家に限らない。元禄15年(1702)に出版された日本最古の養蚕書『蚕飼養方記』で既に、《かならず能猫(よきねこ)を飼置(かいをく)へし》と書かれており、おそらく全国の養蚕農家が猫を飼っていたと思われる!)
報告書によると、猫を彫った石碑や石像はあまり知られておらず、馬頭観音や庚申塚といった石碑に比べると、実際、数も少ないらしい。
これが発行された平成24年(2012)3月現在、確認・調査されているのは宮城県が一番多く87基。全国的にみると、青森県2基、岩手県10基、福島県16基、山形県2基、栃木県4基、東京都2基、長野県11基…と、主に東日本の地域で見つかっている。
ダントツに多い宮城県の猫石碑・石像のうち64基が丸森町にあり、宮城の猫神信仰の中心であることから、調査が進み、本書が発行されたということのようだ。
石碑に彫られた猫の像容は「座っている」「伏せている」「飛び跳ねている」「寝ている」の4姿。座っているタイプが最も多く、後ろ足を曲げて座り、顔を正面に向けた姿勢をとっているものが一番多いそうだ。
石碑や石像が立てられた理由は、もちろん、良い蚕ができるようにと祈願するためが一番多く、「ネコガミサマ」と呼ばれ、実際に「猫神」などと彫られているものもあり、藁で作ったオアゲを供えるといった風習もあったが、中には供養のためにたてられたものも。また、猫の病気治癒や無病息災にご利益がある「猫神様」「猫神社」の祠もあり、養蚕農家が、蚕を狙うネズミを捕ってくれる猫を大事にしていた様子がわかる。