第4回 保護猫のロシアンブルー
3月7日の午後10時過ぎ、真左子は日課になった猫のウンコとゲロの見回りを終えて部屋に戻った。この日は午前10時24分に普段はほとんどマンション敷地内には入ってこないグレー白のチビが正面扉の外にいるのを見つけた。午後6時45分には自転車置場で15粒く...
第4回 保護猫のロシアンブルー
3月7日の午後10時過ぎ、真左子は日課になった猫のウンコとゲロの見回りを終えて部屋に戻った。この日は午前10時24分に普段はほとんどマンション敷地内には入ってこないグレー白のチビが正面扉の外にいるのを見つけた。午後6時45分には自転車置場で15粒くらいのカリカリが地面に置かれているのを見つけた。
真佐子はパソコンで多津子にメールした。
「自転車置場で猫に餌やりをして...
コラム
2016/4/11
第3回 見えない餌やりさん
未明から猛烈な風が吹いていた。まるで台風のようだ。
ヒュー、ヒューという風の音がおぞましい。真っ直ぐに歩けないくらいの強い風だ。おそらく春一番だろう。
「猫たちは風を避ける場所をちゃんと見つけているだろうか」真左子は思った。
日課である...
第3回 見えない餌やりさん
未明から猛烈な風が吹いていた。まるで台風のようだ。
ヒュー、ヒューという風の音がおぞましい。真っ直ぐに歩けないくらいの強い風だ。おそらく春一番だろう。
「猫たちは風を避ける場所をちゃんと見つけているだろうか」真左子は思った。
日課である猫へのゴハンやりを終えて部屋に戻る。午後になると午前中の猛烈な風は嘘のようにぴたりと止んだ。
真左子はダイ...
コラム
2016/3/15
第2回 謎の多い動機
とにかく何で管理組合がこんな裁判を起こしてきたのか分からない。
「猫トラブルなんてないわよ」多津子は言った。
「最近、猫のウンチやゲロなんかマンション内で見たことないもん」
K駅近くのビルの2階のルノアール。マン...
第2回 謎の多い動機
とにかく何で管理組合がこんな裁判を起こしてきたのか分からない。
「猫トラブルなんてないわよ」多津子は言った。
「最近、猫のウンチやゲロなんかマンション内で見たことないもん」
K駅近くのビルの2階のルノアール。マンション内で会っているところを管理組合の大竹に見られたくないので、喫茶店で会うことにしたのだ。
真左子と多津子は喫煙席を選...
コラム
2016/2/10