さて、いよいよ「あの」キャットステップのお話になります。
その前にお知らせです。TBSの「生き物にサンキュー!!」から磁石可動型キャットステップを紹介させてほしいと依頼があり、8月8日に放送されることになりました!頑張って作った甲斐がありました。ちなみに沖縄では放送がないことを伝えると、DVDを送って頂けることに!生き物にサンキューにサンキュー!!DVDが届くのを心待ちにしてます♪
「生き物にサンキュー!!」に出るキャットステップとは?
前回ホーローについてのお話をしましたが、そのホーロー製品の一つである「エマウォール」という壁が、キャットステップを作る上でのヒントになりました。
皆さんはキャットステップと聞いて、まずどんなものを想像しますか?例えば壁に取り付ける階段状のものや、いくつもの段の間に板を挟み、高さや位置を変えられるものが挙げられますよね。
壁に直接打ち付けるタイプは、当たり前ですが壁に穴が開きます。しかも何回も飛び移ったりしていると少しずつ穴が広がっていく可能性が…。そうなるとまた他の所に穴を開けなければいけません。もしくはそこを修正しなくてはいけません。それが繰り返されると、壁はまるでシンにやられたケンシロウのように穴だらけになってしまいます。
シンは北斗七星というセンスの良い形で傷跡を残しましたが、普通ならそううまくいきません。あれはマンガですから(北斗の拳がわからない方ごめんなさい・笑)。
また段差を変えられるタイプは、ホコリが溜まった時の掃除がやたらめんどくさいです。一つ一つの段差に少しづつ猫の毛やホコリがたまり、年末の大掃除の時にはもう悲惨なことになっていることでしょう。これはまやちぐらを作る上で私が大事にしていた「掃除で楽をする」というこだわりに反します。
住む人が快適に暮らせる空間じゃないと、猫も快適に過ごせませんからね。キレイが維持しやすい部屋を徹底的に考えました。そしてホーローという素材に出会ったことで、
中身が鉄で出来た素材の壁なら磁石がくっつく!
表面がツルツルで汚れにくい!
↓↓↓
磁石を使ったキャットステップなら、位置や角度を自由に調整できる!
壁に穴も開かない!
掃除も楽!」
そう思いつき、多分宇宙初であろう磁石可動型キャットステップを作ることに心に決めました。最初は「板に磁石をくっつけるだけだから簡単簡単♪」なんて思ってましたがこれがなかなかうまくいかない…。
最強の磁石と試行錯誤
キャットステップ作りでまず最初に探したのが最強の磁石。「ネオジウム磁石」なるものを発見し、早速いくつか購入。形は板ガムが少し厚くなったような長方形。磁石が届いたので強度を確かめようと触っていると、磁石の表面同士が「バチン!!」と強烈な強さでひっついてしまいました。それを剥がすのがもう、大変。さすが最強の磁石!と、すごくワクワクしたのを覚えています。
それだけの強さがあるからと、結構大きめな板に少ない枚数を貼り付けた試作品をとりあえずわくわくさんの気持ちになって制作開始。試作品を作っていた当時のアパートでは、磁石がくっつく場所は洗濯機か冷蔵庫。なのでそこで実験していました。
しかし、くっつく勢いは良かったものの、板が大きすぎたことで、てこの原理で少しの力でも簡単に外れる始末…。
「これは以外に難しいぞ…」
高校の時に物理をサボらず、もっと勉強しておけばよかったと感じた瞬間でした。そこから磁石の数を増やす、板の厚さ・大きさなどのミリ単位調節など、何度も何度も試作品を作っては失敗を繰り返すこと数知れず。
そしてある程度形になった頃、ふと思いました。
「猫で試してない」
「のす」との出会いは運命!?
猫アパートが完成したら保護猫施設から保護猫を引き取る予定だったために、その時は私は猫を飼っていませんでした。
ところが運命の出会いは2016年12月31日夜11時頃、突然に。
ウォーキングをしていると、浦添市美術館の駐車場あたりで少しガラガラした声でニャーニャーと猫がすり寄ってくるのです!喉が渇いているかもしれないと、容器を探し公園で水を汲んできて飲ませました。首輪をしていたのですぐにTwitterにあげ、動物保護掲示板にも投稿し飼い主を探しました。
しかし全然反応なし。
飼い主が見つからない、届けても殺処分される、今住んでいるアパートは猫を飼えない、連れて帰るには一生面倒を見ると覚悟を決めないといけない。いろんな考えがぐるぐる回り、現場に飼い主が現れる可能性にかけ、とりあえずその日は帰ろうと思い歩き出しました。するとその猫は私の前に回り込み、
「どこに行くの?置いてかないで」
と言わんばかりに立ち塞がるのです。追い越しても回り込み、追い越しても回り込みの繰り返しでどこまでもついてきました。これはもう覚悟を決めないといけない。私はアパートに連れて帰りました。飼い主が見つからなければ一生面倒を見ると決心しました。
その猫こそ現在の愛猫「のす」 です。今思えば、元旦だったので神様からのお年玉だったのかもしれません。
のすにサンキュー!!
「のす」を連れて家に着いたのは夜中の0時半。すぐ猫砂と餌を購入し、プラスチックの引き出しで即席のトイレを制作。一発目のトイレが勝負どころなので、「のす」の動きをずっと見ていました。布団の上でおしっこの体制になりすぐにトイレに移動。そこで用を足してくれ、一発でトイレを覚えてくれました。
さすが「のす」!
その後、試作のキャットステップについにちゃんと猫を乗せる時が!(笑)
実際乗せてみると、まだ体の小さいのすでもやや狭いということが判明。またゼロから作り直しです。そして「のす」のおかげで、キャットステップの最終型が完成!!!!!
大きな板を何枚も用意し、カットしては磁石をくっつけるという作業をひたすら繰り返しました。妻にはキャットステップの裏に貼る滑り止めのゴムをカットしてもらいました。ゴムのカットが難しく、私には到底できませんでした。妻に感謝です。
キャットステップに乗る猫、その猫を見て喜ぶ飼い主の姿を想像すると、大変な工程も楽しく取り組むことができました。そして何度も試行錯誤、失敗を繰り返した結果、磁石可動型キャットステップがついに完成しました。
完成!まやちぐらオリジナルキャットステップ
完成したキャットステップの見た目がしょぼいので、苦労が伝わりにくいのですが…。実は割と大変だったんです。楽しかったんですけどね。
そうして完成したキャットステップは今日も猫たちの遊び場として活躍しています。
ちなみに家の「のす」はこんなに頑張って作ったのに、そんなに乗りません「のす」は高いところがあまり好きではないようです。猫にもいろんな性格がありますからね。まあたまに使ってくれるので良しとしましょう。
でもやっぱり登って「サンキュー!!」って言って欲しいですね(笑)。
猫専用デザイナーズアパート:田場正親
さて、いよいよ「あの」キャットステップのお話になります。
その前にお知らせです。TBSの「生き物にサンキュー!!」から磁石可動型キャットステップを紹介させてほしいと依頼があり、8月8日に放送されることになりました!頑張って作った甲斐がありました。ちなみに沖縄では放送がないことを伝えると、DVDを送って頂けることに!生き物にサンキューにサンキュー!!DVDが届くのを心待ちにしてます♪
「生き物にサンキュー!!」に出るキャットステップとは?
前回ホーローについてのお話をしましたが、そのホーロー製品の一つである「エマウォール」という壁が、キャットステップを作る上でのヒントになりました。
皆さんはキャットステップと聞いて、まずどんなものを想像しますか?例えば壁に取り付ける階段状のものや、いくつもの段の間に板を挟み、高さや位置を変えられるものが挙げられますよね。
壁に直接打ち付けるタイプは、当たり前ですが壁に穴が開きます。しかも何回も飛び移ったりしていると少しずつ穴が広がっていく可能性が…。そうなるとまた他の所に穴を開けなければいけません。もしくはそこを修正しなくてはいけません。それが繰り返されると、壁はまるでシンにやられたケンシロウのように穴だらけになってしまいます。
シンは北斗七星というセンスの良い形で傷跡を残しましたが、普通ならそううまくいきません。あれはマンガですから(北斗の拳がわからない方ごめんなさい・笑)。
また段差を変えられるタイプは、ホコリが溜まった時の掃除がやたらめんどくさいです。一つ一つの段差に少しづつ猫の毛やホコリがたまり、年末の大掃除の時にはもう悲惨なことになっていることでしょう。これはまやちぐらを作る上で私が大事にしていた「掃除で楽をする」というこだわりに反します。
住む人が快適に暮らせる空間じゃないと、猫も快適に過ごせませんからね。キレイが維持しやすい部屋を徹底的に考えました。そしてホーローという素材に出会ったことで、
中身が鉄で出来た素材の壁なら磁石がくっつく!
表面がツルツルで汚れにくい!
↓↓↓
磁石を使ったキャットステップなら、位置や角度を自由に調整できる!
壁に穴も開かない!
掃除も楽!」
そう思いつき、多分宇宙初であろう磁石可動型キャットステップを作ることに心に決めました。最初は「板に磁石をくっつけるだけだから簡単簡単♪」なんて思ってましたがこれがなかなかうまくいかない…。
最強の磁石と試行錯誤
キャットステップ作りでまず最初に探したのが最強の磁石。「ネオジウム磁石」なるものを発見し、早速いくつか購入。形は板ガムが少し厚くなったような長方形。磁石が届いたので強度を確かめようと触っていると、磁石の表面同士が「バチン!!」と強烈な強さでひっついてしまいました。それを剥がすのがもう、大変。さすが最強の磁石!と、すごくワクワクしたのを覚えています。
それだけの強さがあるからと、結構大きめな板に少ない枚数を貼り付けた試作品をとりあえずわくわくさんの気持ちになって制作開始。試作品を作っていた当時のアパートでは、磁石がくっつく場所は洗濯機か冷蔵庫。なのでそこで実験していました。
しかし、くっつく勢いは良かったものの、板が大きすぎたことで、てこの原理で少しの力でも簡単に外れる始末…。
「これは以外に難しいぞ…」
高校の時に物理をサボらず、もっと勉強しておけばよかったと感じた瞬間でした。そこから磁石の数を増やす、板の厚さ・大きさなどのミリ単位調節など、何度も何度も試作品を作っては失敗を繰り返すこと数知れず。
そしてある程度形になった頃、ふと思いました。
「猫で試してない」
「のす」との出会いは運命!?
猫アパートが完成したら保護猫施設から保護猫を引き取る予定だったために、その時は私は猫を飼っていませんでした。
ところが運命の出会いは2016年12月31日夜11時頃、突然に。
ウォーキングをしていると、浦添市美術館の駐車場あたりで少しガラガラした声でニャーニャーと猫がすり寄ってくるのです!喉が渇いているかもしれないと、容器を探し公園で水を汲んできて飲ませました。首輪をしていたのですぐにTwitterにあげ、動物保護掲示板にも投稿し飼い主を探しました。
しかし全然反応なし。
飼い主が見つからない、届けても殺処分される、今住んでいるアパートは猫を飼えない、連れて帰るには一生面倒を見ると覚悟を決めないといけない。いろんな考えがぐるぐる回り、現場に飼い主が現れる可能性にかけ、とりあえずその日は帰ろうと思い歩き出しました。するとその猫は私の前に回り込み、
「どこに行くの?置いてかないで」
と言わんばかりに立ち塞がるのです。追い越しても回り込み、追い越しても回り込みの繰り返しでどこまでもついてきました。これはもう覚悟を決めないといけない。私はアパートに連れて帰りました。飼い主が見つからなければ一生面倒を見ると決心しました。
その猫こそ現在の愛猫「のす」 です。今思えば、元旦だったので神様からのお年玉だったのかもしれません。
のすにサンキュー!!
「のす」を連れて家に着いたのは夜中の0時半。すぐ猫砂と餌を購入し、プラスチックの引き出しで即席のトイレを制作。一発目のトイレが勝負どころなので、「のす」の動きをずっと見ていました。布団の上でおしっこの体制になりすぐにトイレに移動。そこで用を足してくれ、一発でトイレを覚えてくれました。
さすが「のす」!
その後、試作のキャットステップについにちゃんと猫を乗せる時が!(笑)
実際乗せてみると、まだ体の小さいのすでもやや狭いということが判明。またゼロから作り直しです。そして「のす」のおかげで、キャットステップの最終型が完成!!!!!
大きな板を何枚も用意し、カットしては磁石をくっつけるという作業をひたすら繰り返しました。妻にはキャットステップの裏に貼る滑り止めのゴムをカットしてもらいました。ゴムのカットが難しく、私には到底できませんでした。妻に感謝です。
キャットステップに乗る猫、その猫を見て喜ぶ飼い主の姿を想像すると、大変な工程も楽しく取り組むことができました。そして何度も試行錯誤、失敗を繰り返した結果、磁石可動型キャットステップがついに完成しました。
完成!まやちぐらオリジナルキャットステップ
完成したキャットステップの見た目がしょぼいので、苦労が伝わりにくいのですが…。実は割と大変だったんです。楽しかったんですけどね。
そうして完成したキャットステップは今日も猫たちの遊び場として活躍しています。
ちなみに家の「のす」はこんなに頑張って作ったのに、そんなに乗りません「のす」は高いところがあまり好きではないようです。猫にもいろんな性格がありますからね。まあたまに使ってくれるので良しとしましょう。
でもやっぱり登って「サンキュー!!」って言って欲しいですね(笑)。
猫専用デザイナーズアパート:田場正親