岩手県盛岡市の保護猫カフェもりねこです。冬本番で、もりねこではあちらこちらで猫団子が見られます。

みんなでいるとあったかいね。

 

さてさて、今回は知っているようで意外と知らないねこの話題を。

もりねこではこんなに穏やかで可愛い猫たち。しかし、野生生物の世界では生態系に影響を及ぼす侵略的外来種として認められているのです。それもそのはず、猫の身体能力は素晴らしく、非常に優秀なハンターです。自然豊かな盛岡ではお外の猫ちゃんが野生のハトやキジを捕ってきた、なんてことは珍しくなく、よく耳にする話です。

実はこれって本当は深刻なリスクを孕んでいるんですよ。

一つは生態系への影響。
猫が捕食することで貴重な野生生物が絶滅の危機に瀕してしまうこともあります。

そしてもう一つは感染症の問題。
優秀なハンターの猫がこうして鳥やネズミ、カエル、ヘビなどさまざまな野生生物と接触することで、SFTS(重症熱性血小板減少症候群※1)や鳥インフルエンザ、トキソプラズマなどの危険なウイルスを運んでしまうリスクがあるのです。このようなウイルスには、人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)も少なくありません。おうちの中や外を行き来する猫ちゃんの場合、危険なウイルスをおうちの中にまで持ち込んでしまう可能性もあるということになります。

可愛い可愛い猫たちが原因で、危険なことや悲しいことが起こってしまうのは猫が大好きな私たちにとって一大問題ですよね。だからこそ、猫も人も、そして野生の生き物たちも幸せになるために、猫ちゃんの室内飼育と飼い主のいないお外の猫たちを減らしていく活動が必要だともりねこは考えています。

猫じゃらしで大満足のトラくん。

おうちの中は猫ちゃんにとっても安心して暮らせる場所です。野生の鳥さんで遊ばないよう、猫じゃらしで楽しく遊んであげてくださいね。猫はおうちで人間のお膝で幸せに暮らせるようにと、人間が長い歴史の中で飼い慣らし改良してきた伴侶動物です。野生生物ではありません。イエネコをノネコに戻してしまうことはあってはならないことなのです(※2)。

猫を幸せにすることは、野生生物を守ることにもつながるんですね。もりねこが保護できるのは猫だけですが、私たちの活動が、巡り巡って野生生物や地球環境の保護にもつながるといいなと思います。

著者:もりねこ


編集部注

※1 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症。感染症法では四類感染症に位置付けられている。(出典:環境労働相

※2 環境省では「ノネコ」を害獣と定義し、動物愛護管理法では「ノラネコ」は愛護動物とみなすが、両者の線引きは曖昧である。また、「外来種」という法的定義は「明治時代以降に日本に入ってきた生き物」ということになっており、平安時代に来たと言われている猫にはこれも当てはまらないはずだが、現在ノネコは「緊急対策外来種」に指定されている。それでもノネコやノラネコは少しずつ保護が進んでいるが、例えば鎌倉では特定外来生物となったタイワンリスが大量に捕獲・処分されている。そういったことを鑑みると1つの考え方ではあるものの「野生動物ではない。伴侶動物」と言い切ることは、猫全般を守る手段として非常に有効と言えるだろう。

岩手県盛岡市の保護猫カフェもりねこです。冬本番で、もりねこではあちらこちらで猫団子が見られます。

みんなでいるとあったかいね。

 

さてさて、今回は知っているようで意外と知らないねこの話題を。

もりねこではこんなに穏やかで可愛い猫たち。しかし、野生生物の世界では生態系に影響を及ぼす侵略的外来種として認められているのです。それもそのはず、猫の身体能力は素晴らしく、非常に優秀なハンターです。自然豊かな盛岡ではお外の猫ちゃんが野生のハトやキジを捕ってきた、なんてことは珍しくなく、よく耳にする話です。

実はこれって本当は深刻なリスクを孕んでいるんですよ。

一つは生態系への影響。
猫が捕食することで貴重な野生生物が絶滅の危機に瀕してしまうこともあります。

そしてもう一つは感染症の問題。
優秀なハンターの猫がこうして鳥やネズミ、カエル、ヘビなどさまざまな野生生物と接触することで、SFTS(重症熱性血小板減少症候群※1)や鳥インフルエンザ、トキソプラズマなどの危険なウイルスを運んでしまうリスクがあるのです。このようなウイルスには、人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)も少なくありません。おうちの中や外を行き来する猫ちゃんの場合、危険なウイルスをおうちの中にまで持ち込んでしまう可能性もあるということになります。

可愛い可愛い猫たちが原因で、危険なことや悲しいことが起こってしまうのは猫が大好きな私たちにとって一大問題ですよね。だからこそ、猫も人も、そして野生の生き物たちも幸せになるために、猫ちゃんの室内飼育と飼い主のいないお外の猫たちを減らしていく活動が必要だともりねこは考えています。

猫じゃらしで大満足のトラくん。

おうちの中は猫ちゃんにとっても安心して暮らせる場所です。野生の鳥さんで遊ばないよう、猫じゃらしで楽しく遊んであげてくださいね。猫はおうちで人間のお膝で幸せに暮らせるようにと、人間が長い歴史の中で飼い慣らし改良してきた伴侶動物です。野生生物ではありません。イエネコをノネコに戻してしまうことはあってはならないことなのです(※2)。

猫を幸せにすることは、野生生物を守ることにもつながるんですね。もりねこが保護できるのは猫だけですが、私たちの活動が、巡り巡って野生生物や地球環境の保護にもつながるといいなと思います。

著者:もりねこ


編集部注

※1 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症。感染症法では四類感染症に位置付けられている。(出典:環境労働相

※2 環境省では「ノネコ」を害獣と定義し、動物愛護管理法では「ノラネコ」は愛護動物とみなすが、両者の線引きは曖昧である。また、「外来種」という法的定義は「明治時代以降に日本に入ってきた生き物」ということになっており、平安時代に来たと言われている猫にはこれも当てはまらないはずだが、現在ノネコは「緊急対策外来種」に指定されている。それでもノネコやノラネコは少しずつ保護が進んでいるが、例えば鎌倉では特定外来生物となったタイワンリスが大量に捕獲・処分されている。そういったことを鑑みると1つの考え方ではあるものの「野生動物ではない。伴侶動物」と言い切ることは、猫全般を守る手段として非常に有効と言えるだろう。