先月、10年振りにイタリアのフィレンツェに行って来ました。
フィレンツェは私が創作活動をする上で、とても影響を受けたところです。

猫のクラフト作家になる前は、ビーズアクセサリーを趣味で作っていました。
当時、猫をモチーフにしたアクセサリーが欲しかったのですが、なかなか気に入った物がなく、それなら自分で作ろうと思い、ワックス原型で作るシルバーアクセサリーを習い、その後、近所のジュエリーショップでワックス原型を作る仕事を請け負っていました。

そのうちワックス鋳造だけでは物足りなくなり、ジュエリーの本場フィレンツェに行こうと一念発起。一年がかりで貯金をして、2007年の5月に現地の美術学校のジュエリー科で2週間の短期講習を受けました。たった2週間でしたが、フィレンツェの街中の美術館や教会を巡ったり、街中に溢れる歴史的建造物やジュエリーショップを見て歩いたりしたことで、ジュエリーとモノ作りに対する考えが変わりました。

その後、習った技術を活かし、鋳造アクセサリーと平行して彫金の一点モノのオリジナルの猫アクセサリーを制作するようになり、現在はお客様からご注文を頂くまでになりました。

↑お客様からお預かりしたサファイアリングを、大切なもの(古いもの)を次に活かすイタリア的思想に習い、リメイク。 銀板と真鍮板を切り出して重ねることで奥行きが出て、それでいて軽い仕上がりになっています。

今回のフィレンツェでは、10年前の軌跡を辿りながら、当時の「思い」に立ち返るものとなりました。また、作家さんのショップや工房を巡る機会もあり、私が漠然と思い描いていた理想のスタイルを感じることができて、今後の活動を見直す良いきっかけになったと思います。

ここ数年はあまりにも多忙でしたので、プライベートもほとんどありませんでした。思えば2011年の震災以降、見えない呪縛から振り切るためにひたすら仕事に没頭していたように思います。そこにここ最近の猫ブームも相まって依頼が増え、一層多忙さに拍車がかかりました。

これからは時間を上手に使ってストレスフリーを目指したいところです。

ところで、フィレンツェの街中ではなかなか猫に出逢うことがありませんでした。猫を飼っている人はいるようですが、郊外と比べてフィレンツェ市内はほとんどが集合住宅。どうやら皆さん家の中で飼っているようです。10年前に2週間お世話になっていたフラット(アパート)では、パティオ(中庭)に猫さんが日向ぼっこをしていました。

今回の滞在中唯一猫さんを見たのは、フィレンツェから車で1時間半ほどの所にある、屋根のないサン・ガルガーノ修道院横のモンテシエピ礼拝堂。

サン・ガルガーノ修道院

モンテシエピ礼拝堂

窓辺で日向ぼっこしている2匹の猫さん。 窓枠が額の様でまるで絵画の様です。

管理人らしき人が猫さんたちにご飯をあげていました。

調べてみると、イタリアでは野良猫さんのことを「gatto libero(ガット・リベロ)」=自由猫と呼ぶそう。
猫は生まれた場所で暮す権利があって、公園だろうが、広場、路地裏、家の庭だろうと、生まれた場所から人間が追い出したり、どこかに捨てることはできないそう。

それに、イタリアにはペットショップがないのです。
猫と暮したい時は猫にゆだねる。
猫が外で暮すか、家猫になるかは猫自身が決めること。
国と州が猫のコロニーの存在を法的に保護しているそうです。
餌やりについても、コロニーを保健所に登録すれば、管理責任は発生するものの、避妊去勢、医療のサポートを市から受けることができるそう。なんて羨ましい!

そのせいか、イタリアの猫たちは人間に対しての警戒心が日本ほど強くないような気がします。
日本も猫にもっと優しくなってくれたらどんなにいいか…。

人にも猫にも優しい国、イタリア。
私も気ままな自由猫(gatto libero)を目指して活動してまいります♪

フィレンツェ(左)とサン・ジミニャーノ(右)での記念撮影

↑ジュエリーの街、フィレンツェの自分へのお土産。シルバーにエナメルを施されたブーツに入った猫さん。ブーツはイタリアの形にも見えます。 左の子は10年前に購入した子。

10月30日から鎌倉の小町通沿いにある猫のお店、あーとショップ・ね小町さんにて
作品展を行なっています。

会期中、11/3(金・祝)、11/4(土)、11/5(日)、11/11(土)、11/12(日)の13:00〜17:00に在廊しておりますので、秋の鎌倉へ遊びがてら、ぜひお立寄りください。

また、旅先で一緒に写っている天使猫さんは、猫のクラフト作家になるきっかけになった作品です。今回新たに6匹制作し、販売いたします。一緒に旅に連れて行って記念写真を撮って送ってくださると嬉しいです♪

あーとショップ・ね小町
営業時間/10:30~17:30
初日13:00より/最終日15:00まで(ギャラリースペース)
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-6-2 ね小町ビル2F
TEL&FAX 0467-81-5511

詳細はブログをご覧下さい→http://blog.w-well.com

 

著者:猫のクラフト作家 白井光可

先月、10年振りにイタリアのフィレンツェに行って来ました。
フィレンツェは私が創作活動をする上で、とても影響を受けたところです。

猫のクラフト作家になる前は、ビーズアクセサリーを趣味で作っていました。
当時、猫をモチーフにしたアクセサリーが欲しかったのですが、なかなか気に入った物がなく、それなら自分で作ろうと思い、ワックス原型で作るシルバーアクセサリーを習い、その後、近所のジュエリーショップでワックス原型を作る仕事を請け負っていました。

そのうちワックス鋳造だけでは物足りなくなり、ジュエリーの本場フィレンツェに行こうと一念発起。一年がかりで貯金をして、2007年の5月に現地の美術学校のジュエリー科で2週間の短期講習を受けました。たった2週間でしたが、フィレンツェの街中の美術館や教会を巡ったり、街中に溢れる歴史的建造物やジュエリーショップを見て歩いたりしたことで、ジュエリーとモノ作りに対する考えが変わりました。

その後、習った技術を活かし、鋳造アクセサリーと平行して彫金の一点モノのオリジナルの猫アクセサリーを制作するようになり、現在はお客様からご注文を頂くまでになりました。

↑お客様からお預かりしたサファイアリングを、大切なもの(古いもの)を次に活かすイタリア的思想に習い、リメイク。 銀板と真鍮板を切り出して重ねることで奥行きが出て、それでいて軽い仕上がりになっています。

今回のフィレンツェでは、10年前の軌跡を辿りながら、当時の「思い」に立ち返るものとなりました。また、作家さんのショップや工房を巡る機会もあり、私が漠然と思い描いていた理想のスタイルを感じることができて、今後の活動を見直す良いきっかけになったと思います。

ここ数年はあまりにも多忙でしたので、プライベートもほとんどありませんでした。思えば2011年の震災以降、見えない呪縛から振り切るためにひたすら仕事に没頭していたように思います。そこにここ最近の猫ブームも相まって依頼が増え、一層多忙さに拍車がかかりました。

これからは時間を上手に使ってストレスフリーを目指したいところです。

ところで、フィレンツェの街中ではなかなか猫に出逢うことがありませんでした。猫を飼っている人はいるようですが、郊外と比べてフィレンツェ市内はほとんどが集合住宅。どうやら皆さん家の中で飼っているようです。10年前に2週間お世話になっていたフラット(アパート)では、パティオ(中庭)に猫さんが日向ぼっこをしていました。

今回の滞在中唯一猫さんを見たのは、フィレンツェから車で1時間半ほどの所にある、屋根のないサン・ガルガーノ修道院横のモンテシエピ礼拝堂。

サン・ガルガーノ修道院

モンテシエピ礼拝堂

窓辺で日向ぼっこしている2匹の猫さん。 窓枠が額の様でまるで絵画の様です。

管理人らしき人が猫さんたちにご飯をあげていました。

調べてみると、イタリアでは野良猫さんのことを「gatto libero(ガット・リベロ)」=自由猫と呼ぶそう。
猫は生まれた場所で暮す権利があって、公園だろうが、広場、路地裏、家の庭だろうと、生まれた場所から人間が追い出したり、どこかに捨てることはできないそう。

それに、イタリアにはペットショップがないのです。
猫と暮したい時は猫にゆだねる。
猫が外で暮すか、家猫になるかは猫自身が決めること。
国と州が猫のコロニーの存在を法的に保護しているそうです。
餌やりについても、コロニーを保健所に登録すれば、管理責任は発生するものの、避妊去勢、医療のサポートを市から受けることができるそう。なんて羨ましい!

そのせいか、イタリアの猫たちは人間に対しての警戒心が日本ほど強くないような気がします。
日本も猫にもっと優しくなってくれたらどんなにいいか…。

人にも猫にも優しい国、イタリア。
私も気ままな自由猫(gatto libero)を目指して活動してまいります♪

フィレンツェ(左)とサン・ジミニャーノ(右)での記念撮影

↑ジュエリーの街、フィレンツェの自分へのお土産。シルバーにエナメルを施されたブーツに入った猫さん。ブーツはイタリアの形にも見えます。 左の子は10年前に購入した子。

10月30日から鎌倉の小町通沿いにある猫のお店、あーとショップ・ね小町さんにて
作品展を行なっています。

会期中、11/3(金・祝)、11/4(土)、11/5(日)、11/11(土)、11/12(日)の13:00〜17:00に在廊しておりますので、秋の鎌倉へ遊びがてら、ぜひお立寄りください。

また、旅先で一緒に写っている天使猫さんは、猫のクラフト作家になるきっかけになった作品です。今回新たに6匹制作し、販売いたします。一緒に旅に連れて行って記念写真を撮って送ってくださると嬉しいです♪

あーとショップ・ね小町
営業時間/10:30~17:30
初日13:00より/最終日15:00まで(ギャラリースペース)
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-6-2 ね小町ビル2F
TEL&FAX 0467-81-5511

詳細はブログをご覧下さい→http://blog.w-well.com

 

著者:猫のクラフト作家 白井光可