ある古本市に遊びに来てくれた友人に、こんなことを言われたことがある。

「このラインナップ、わかりやす過ぎるよ~(笑)。かわいい子猫の写真集がほとんどない!(笑)

猫本古本屋として、もちろん、かわいらしい子猫の写真集も取り扱っているのだが、個人的な好みとしては、ふてぶてしい顔の猫が好きなので、古本市などでは、ついつい、そういう写真集を並べたくなってしまう。そこを友人に、一目で見破られてしまったわけだ。

近年、いろいろなアプローチで撮影された猫写真集が発行されているが、そういう点でいうと、ちょっと前の昭和の時代に発行された猫写真集が好みだったりする。

と、そんな当店のもとに買取でやってきたのが、今回ご紹介する猫写真集。いずれも昭和50年代に発行された“昭和猫”たちである。

昭和猫サスケ1 (500x489)

『サスケ!! いとしき猫よ』 写真・文:深瀬昌久/発行:青年書館/発行年:昭和53年

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ある古本市に遊びに来てくれた友人に、こんなことを言われたことがある。

「このラインナップ、わかりやす過ぎるよ~(笑)。かわいい子猫の写真集がほとんどない!(笑)

猫本古本屋として、もちろん、かわいらしい子猫の写真集も取り扱っているのだが、個人的な好みとしては、ふてぶてしい顔の猫が好きなので、古本市などでは、ついつい、そういう写真集を並べたくなってしまう。そこを友人に、一目で見破られてしまったわけだ。

近年、いろいろなアプローチで撮影された猫写真集が発行されているが、そういう点でいうと、ちょっと前の昭和の時代に発行された猫写真集が好みだったりする。

と、そんな当店のもとに買取でやってきたのが、今回ご紹介する猫写真集。いずれも昭和50年代に発行された“昭和猫”たちである。

昭和猫サスケ1 (500x489)

『サスケ!! いとしき猫よ』 写真・文:深瀬昌久/発行:青年書館/発行年:昭和53年

表紙の顔は凛とした良い表情ではあるものの、特に昭和猫だからどうこうというものではない。しかし表紙をめくった瞬間から、自由な意思で生きる、猫の一瞬をスパッと切り取ったような写真が続く。

昭和猫サスケ2 (500x372)

『サスケ!! いとしき猫よ』より。表紙をめくった最初に出てくる写真がこれ。かわいい猫の写真集なんかじゃないぞという意志が伝わってくるようだ。

昭和猫サスケ3 (500x379)

『サスケ!! いとしき猫よ』より。このタイミングを撮ったか!という見事な1枚。

本書は、「自分とは何か」を追求し続けた写真家・深瀬昌久による愛猫「サスケ」の成長を記録した写真集。若い頃は荒木経惟とも交流の深かった写真家である。

 

昭和猫サスケ4 (500x375)

『サスケ!! いとしき猫よ』より。家の中にあるもの…バネやカゴやヒモなどでじゃれる写真も多い。

昭和猫サスケ5 (500x375)

『サスケ!! いとしき猫よ』より。原っぱのくぼ地からのぞく鋭い眼! 右ページは(昭和53年の発行だから、まったく関係ないのだが)五郎丸ポーズのよう。