猫に詳しい人なら、
「それってマズルのこと?」
というかもしれません。猫のヒゲが生えたぷっくりした部分、あなたはここの正式名称を知っていますか?
個人的に私は「にんにくちゃん」と呼んでいますが、娘は「ぷくぷく」と名前をつけています。息子に聞いたら「…白玉?」というビミョーな答え。
もちろんこの部分、ちゃんと名前があるはず。一般的に「マズル」と呼ばれることが多いそうですが、英語の名称は「Whisker Pad」。しかし日本では正式にこの部分だけを指す言葉はまだないようですね。
今回は、このぷっくりした猫のヒゲの生えた部分について調べてみました。
なんでここだけ膨らんでるの?
この部分はふっくらして柔らかそうに見えますが、実は脂肪ではなく筋肉でできているそうです。皮膚がふっくら厚くなっているのは太いヒゲを支える部分だから。膨らんで見えますが、中に空気が入っているわけではなく、ガッチリした筋肉でできています。
どんな時に動くの?
猫の気持ちを調べる時に、役に立つのが「ヒゲの向き」です。猫は「これは何だニャ?」と好奇心を感じた時や、「こいつは何だ?」と警戒する時に、ニオイで対象を確認しようとします。
その時に猫のヒゲは前向きになります。このWhisker Padの部分の筋肉が収縮してぷくっと盛り上がって見えます。
また、クンクンとニオイを調べようと鼻腔を広げると、このWhisker Padの部分の筋肉が横に盛り上がることもあります。
マズル、という呼び名は間違い?
よくここをマズル、と呼ぶ人がいますが、マズルとは動物の鼻先から奥歯のあたりまでの口全体を指す言葉です。
歯が大きくて数も多い馬や犬のマズルは筋肉が発達して前方に大きくせり出していますが、猫は歯が小さく数も少ないのでマズルは短めです。
猫の顔を横から見ると、顔のどの範囲がマズルなのか他の動物に比べてとてもわかりにくくなっています。
触っても大丈夫?
プニプニにしたこの部分、ついつい触りたくなりますが、ここはとても敏感で神経が通っています。
猫にとってヒゲはなくてなならない大事なセンサー。周囲の情報をキャッチする部分なので、他の場所よりも敏感になっています。
そして一見柔らかく見えるこのWhisker Padの部分は、ヒゲの根元をガッチリと支えています。根元深くには神経と血管が通っていますから、むやみに触ったりヒゲを引っ張る行為はNGです。
いかがですか。猫の口元のヒゲが生えた部分。他にも「ねこブクロ」や「ニャロメ」「もくもくちゃん」などと呼んでいる人もいるようです。
プニッとして、思わず触りたくなりますが、実はとっても繊細な神経が通っている場所。猫も触られたくないかも。ちょっと我慢した方が良さそうですね。
著者:猫壱広報担当