新宿の京王百貨店で開催されたわんにゃんEXPO 。
その中のイベントのひとつ、sippo写真展「みんなイヌ、みんなネコ」で展示された写真の1枚に見覚えのある猫がいました。昨年私がご家庭にお邪魔して撮影させていただいた写真です。写真の下には里親さんであるちょとさんのコメントが貼られています。
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なんでこんな可愛い生き物がタダで道に落ちてるの?
なんで?どうして?買うものじゃなかったの?
どこから来たの?と保護犬、保護猫に関心を向けるきっかけを運んできた凜さん。
凜さんのおかげで世界が広がりました。私にとって最強の招き猫様です♡。
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すべての人が同じ疑問を持つような世の中に、早くなって欲しいと願います。
ちょとさんの、幼い娘さんが突然子猫を拾ってきたのは2013年のことでした。
はじめは「元の場所に返してらっしゃい」と言ったそうですが、結局飼うことになりました。その子猫も今ではかけがえのない家族の一員になり、さらにその後に保護猫を迎え入れ、さらには家の近所の道端でうずくまって動かない老猫も保護するほどに。徐々にちょとさんもボランティアとして保護猫活動に携わるようになっていったのです。
思春期の息子さんも抱えるちょとさんの一家にとって、猫の存在は大切な何かを教えてくれるものでもあるようです。同様に思春期のお子様を持つご家族にぜひとも読んでいただきたいブログの記事がこちら→「思春期における猫様の有用性について」。
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私が子供のころ(数十年前のその昔..)、猫といえば勝手に外から入ってくるものでした。開け放たれた窓からひょいと入ってきてブラウン管のテレビの上でゴロゴロと寝ている。そして勝手に外に出ていく。ご飯といえば白ごはんに鰹節をかけたもので、飽きたら出ていって隣の家でまたご飯をねだっていました。そしてある日ぷいといなくなってしまう。そんな飼い方でした。今の時代からするととても飼っているとは言えませんけれども。
時代の流れと共に、世の中的に何が正しいのかという感覚も変わっていくものだと思います。例えば30年前と比較したときに、気候も微妙に違っていますし、建物のつくりも、地域の人々の付き合い方も平均的な家族構成も医療技術も食生活も流通や経済も。同じものは何一つないと言っても良いくらいの変化の中で、動物の飼い方だけが同じであっていいはずはないのです。
今の日本において、いまだに街の中や公園に野良猫があふれてしまっている現状は、時代が進んできた中で見落とされてきた反省すべき汚点なのかも知れません。動物に対する意識の持ち方や法の整備が追いつかず、ブームだけが先走ってしまったことのひずみが出ているように思えます(あくまで筆者の考えです)。
何よりもまず、一人ひとりの意識が変わることを願います。猫を飼いたいと思ったときにまずどこへ行くべきなのか。どの選択肢を選ぶべきなのか。
保護猫と出会う場所なんて探せばいくらでもあるのです。今の時代ならネットを使って「保護猫 里親」などと検索すればいくらでも情報が出てきます。そしてさらに現状の何が問題なのか、蛇口を締めるとはどういうことなのか。安易にショップに行く前にほんの一手間かけて調べてみるだけで、意識はがらりと変わるかも知れません。
著者:ねこたろう