このクロネコは福島で保護された母猫から生まれました。クロネコ3兄弟のうちの2匹が世田谷に住むMさんの家で飼われることになったのです。名前は「ぴこまろ」と「うたまろ」。
こちらが「うたまろ」です。薄い白筋の模様が美しいです。ぴこまろはぜんぜん物怖じせず、初対面の人でもおもちゃにじゃれつきますが、うたまろはびびりで最初クローゼットの奥から出て来てくれませんでした。
この2匹とMさん一家とのご縁は、以前記事を書かせていただいた世田谷のギャラリー「肉球画廊 」で行われた譲渡会でした。2年ほど前の譲渡会でぴこまろを迎え入れ、さらに1年後、もらわれずに残っていたうたまろも引き取ることにしたのです。
Mさんのお宅は元々動物好きの一家で、十数年前にホームセンターで売れ残っていた大型犬を買い取ったそうです。大型犬なのにずっとケージに入れられて、しつけもできていなかったその犬にリックと名付け、しつけ教室などにも通ったそうです。その後マルプー(マルチーズとトイプードルのミックス)、猫のスコティッシュフォールド2匹もショップから迎え入れました。
リックが13歳になって亡くなってしまい、その寂しさもあったころに、同じ世田谷区内で保護猫の譲渡会があることを知ります。そこでぴこまろとうたまろを引き取ったことをきっかけに、近所の猫の保護活動にも関わるようになっていったそうです。
今、M家には、里親さん募集中の親子がいます。ご近所から相談のあった現場で保護した子たちです。この子たちのために、ケージも買い揃えました。
まだまだ人に慣れず、手を伸ばすとシャーッと言われます(これがまた可愛くて全然怖くないのです…)
この三毛は子猫のように見えるくらい小さいのですが母猫なのです。基本はリターンですが、昨年この地域でリターンした猫に対する虐待があったために保護に踏み切ったのだそうです。
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動物が好きな人たちの想いは同じはずだと思います。不幸な命は無くすこと。そのためにできることが必ずあるのです。そしてそこで必ず障壁になるのはやっぱり人間同士のトラブルなのだということ。虐待などがない、動物にとっても安全な地域作りのため、Mさんのように地元密着で活動する人々が増えるといいなあと思っています。
著者:ねこたろう