猫が好きで、いつか猫を飼いたいと思っている人は多いと思います。今は里親募集のサイトも充実していて、比較的簡単に探すことができます。保護猫の里親になるという選択肢はだんだんと普通のことになりつつあるように思います。

埼玉県にお住まいの三井さん(仮名)は、里親募集サイト「ペットのおうち」で、あさちゃんを見つけました。ヘソ天で寝ている姿に一目惚れだったとのことです。

あさちゃんは警戒心が強く、懐くのに時間を要する猫でしたがそのことを承知の上で「そんな子が懐いてくれれば苦労が2倍でも嬉しさも2倍になる」と、里親を希望したそうです。

譲渡する側からすれば神様のような言葉をいただき、富士見さくらねこ応援団の代表も譲渡することを決心します。

後に撮影にお伺いした際も、知らない人に警戒するあさちゃんをそっと見守り、あさちゃん中心に人間の方が動き回るという猫中心の撮影会になりました。でも普段はヘソ天でゴロゴロするくらいすっかり懐いているようです。

共働きで、ご夫婦そろってお酒好きとのことですが、二人とも飲み会で夜不在という状況はなくなったそうです。あさちゃんのために必ずどちらかが居るようにしているとのこと。やはり猫が来ると生活も少し変わるようですね。

**

話は遡って、あさちゃんが保護されたのは、2016年の3月ごろでした。お腹の大きい子がウロウロしている、という情報が団体の代表の元に入ったのがきっかけでした。

地域猫活動をする人たちにとって、春先は頭の痛い季節でもあります。メインの活動であるTNRは繁殖制限が主な目的であり、その季節は捕獲した時にすでに身ごもっている割合が非常に高いため、苦しい判断を迫られるケースが多いからです。産ませるのか堕胎するのか、その判断は、同じ活動をする団体や個人の間でさえ意見の分かれる難しい問題です。

あさちゃんは捕獲した時点で、すぐにでも産まれそうに見えました。
「う〜ん… 堕胎は無理かなあ。産ませるか…」
代表の自宅で一旦保護することになりました。

翌日の代表とメンバーとのLINE。
「産まれた?」
「まだ産まれなーい」
2日後。
「産まれた?」
「まだだよー」
3日後。
「どう?」
「う〜ん… まだー」

あさちゃんはケロッとした顔でゴロゴロとしていますが、周りはヤキモキ。
やっと産まれたのはなんと3週間が経過したころでした。
「あさちゃん、ただのメタボだったの?」「まだ余裕あったんだね。」
そんな周りの会話など全く気にせず、せっせと小さな5匹の子育てに励むあさちゃん。

乳飲み子の世話を人間がやろうとすると大変です。何しろ2〜3時間おきの授乳なのですから寝る暇がありません。仔猫の排泄のお世話も含めて母猫って本当に偉いのです。母猫に勝るものはありません。

1カ月ほど経ってあさちゃんの子育てが終わろうとするころ、代表の家にまた乳飲み子が4匹やってきました。今度は乳飲み子だけです。

あさちゃんの横に、様子を見ながら恐る恐る仔猫を置いてみると、「ん?なに?」という顔をしながらも、ぺろぺろ舐め始めました。
さらに、すんなりとお乳をあげるあさちゃん。もう感謝しかありません。

さらに一ヶ月が経ち…

合計9匹の仔猫の子育てを終えた後、
「もう一生分働いたよ、もうずっとここに住むよ。」
と言いたげな、あさちゃん。

「ここはね、他の可哀想な猫たちの面倒を見ないといけないとこだから、あさちゃんだけの幸せなお家を必ず見つけてあげるよ」
ペットのおうち に投稿して、里親さんの募集を開始することになったのでした。

なかなか人馴れしないあさちゃんでしたが、ご縁というのはあるものですね。三井家でずっとヘソ天しながらゴロゴロするといいよ、あさちゃん。

そんなあさちゃんがタイトル写真も務める「さくらねこ活動写真展2017」が4月30日(日)から始まります。場所は埼玉県富士見市の中央図書館にて。TNR活動の現場写真と、家族になった猫たちの今の幸せな様子などを展示します。入場無料、駐車場完備です。お近くの方もそうでない方もぜひご来場ください。

 

著者:ねこたろう

 

猫が好きで、いつか猫を飼いたいと思っている人は多いと思います。今は里親募集のサイトも充実していて、比較的簡単に探すことができます。保護猫の里親になるという選択肢はだんだんと普通のことになりつつあるように思います。

埼玉県にお住まいの三井さん(仮名)は、里親募集サイト「ペットのおうち」で、あさちゃんを見つけました。ヘソ天で寝ている姿に一目惚れだったとのことです。

あさちゃんは警戒心が強く、懐くのに時間を要する猫でしたがそのことを承知の上で「そんな子が懐いてくれれば苦労が2倍でも嬉しさも2倍になる」と、里親を希望したそうです。

譲渡する側からすれば神様のような言葉をいただき、富士見さくらねこ応援団の代表も譲渡することを決心します。

後に撮影にお伺いした際も、知らない人に警戒するあさちゃんをそっと見守り、あさちゃん中心に人間の方が動き回るという猫中心の撮影会になりました。でも普段はヘソ天でゴロゴロするくらいすっかり懐いているようです。

共働きで、ご夫婦そろってお酒好きとのことですが、二人とも飲み会で夜不在という状況はなくなったそうです。あさちゃんのために必ずどちらかが居るようにしているとのこと。やはり猫が来ると生活も少し変わるようですね。

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話は遡って、あさちゃんが保護されたのは、2016年の3月ごろでした。お腹の大きい子がウロウロしている、という情報が団体の代表の元に入ったのがきっかけでした。

地域猫活動をする人たちにとって、春先は頭の痛い季節でもあります。メインの活動であるTNRは繁殖制限が主な目的であり、その季節は捕獲した時にすでに身ごもっている割合が非常に高いため、苦しい判断を迫られるケースが多いからです。産ませるのか堕胎するのか、その判断は、同じ活動をする団体や個人の間でさえ意見の分かれる難しい問題です。

あさちゃんは捕獲した時点で、すぐにでも産まれそうに見えました。
「う〜ん… 堕胎は無理かなあ。産ませるか…」
代表の自宅で一旦保護することになりました。

翌日の代表とメンバーとのLINE。
「産まれた?」
「まだ産まれなーい」
2日後。
「産まれた?」
「まだだよー」
3日後。
「どう?」
「う〜ん… まだー」

あさちゃんはケロッとした顔でゴロゴロとしていますが、周りはヤキモキ。
やっと産まれたのはなんと3週間が経過したころでした。
「あさちゃん、ただのメタボだったの?」「まだ余裕あったんだね。」
そんな周りの会話など全く気にせず、せっせと小さな5匹の子育てに励むあさちゃん。

乳飲み子の世話を人間がやろうとすると大変です。何しろ2〜3時間おきの授乳なのですから寝る暇がありません。仔猫の排泄のお世話も含めて母猫って本当に偉いのです。母猫に勝るものはありません。

1カ月ほど経ってあさちゃんの子育てが終わろうとするころ、代表の家にまた乳飲み子が4匹やってきました。今度は乳飲み子だけです。

あさちゃんの横に、様子を見ながら恐る恐る仔猫を置いてみると、「ん?なに?」という顔をしながらも、ぺろぺろ舐め始めました。
さらに、すんなりとお乳をあげるあさちゃん。もう感謝しかありません。

さらに一ヶ月が経ち…

合計9匹の仔猫の子育てを終えた後、
「もう一生分働いたよ、もうずっとここに住むよ。」
と言いたげな、あさちゃん。

「ここはね、他の可哀想な猫たちの面倒を見ないといけないとこだから、あさちゃんだけの幸せなお家を必ず見つけてあげるよ」
ペットのおうち に投稿して、里親さんの募集を開始することになったのでした。

なかなか人馴れしないあさちゃんでしたが、ご縁というのはあるものですね。三井家でずっとヘソ天しながらゴロゴロするといいよ、あさちゃん。

そんなあさちゃんがタイトル写真も務める「さくらねこ活動写真展2017」が4月30日(日)から始まります。場所は埼玉県富士見市の中央図書館にて。TNR活動の現場写真と、家族になった猫たちの今の幸せな様子などを展示します。入場無料、駐車場完備です。お近くの方もそうでない方もぜひご来場ください。

 

著者:ねこたろう