横浜市にある保護猫カフェ「おむすび」。店名にちなんでお米関連の名前の子が多いです。おかかちゃんとか、おもちちゃんとか、あられちゃんとか。
どこの保護猫カフェでもそうですが、お店にいる猫は仔猫だけではありません、成猫も多くいます。そして成猫は仔猫に比べて譲渡率が低いのが現状です。やっぱり仔猫を欲しがる里親さんが多いのも要因だと思いますが、それ以上に人馴れの問題もあるのかもしれません。
保護猫はいろんな経緯でいろんな場所からやってきます。人に馴れないまま成猫になってしまうとなかなかうまくいかないことも多いです。でも里親さんを何とか見つけてあげないといけません。
そこで大きな力になるのがお店にやってくる「お客さん」なのです。
ケージの奥に隠れていても、キャットタワーの上から降りてこなくても、猫は出入りする人たちをじっと観察しています。人間が自分に危害を加えるものではないということを、ちょっとずつ、ちょっとずつ、学んでいきます。時には気の遠くなるほど時間のかかるケースもありますけど。
この子は「ふりかけ」ちゃん。僕が2016年12月頃にお店を訪ねた時の様子です。部屋の隅っこで人を警戒して寄せ付けず、こっちから近づこうものならほふく前進のでするする〜と逃げていきました。その様子はまるでツチノコのようで可愛らしくてお客さんから人気がありましたけどね。
これは2017年5月頃。僕のように数カ月に1回しか顔を見ないような人に対してはなかなか心を開いてくれませんが、それでも以前と違い、部屋の真ん中あたりにも出てきてリラックスする様子も見られるようになってきました。
そして今では、こうやってわりと普通に触われます。お尻をポンポンされるのが好きなようです。それを知っているお客さんは、いつもふりかけちゃんのお尻をポンポンしにやってきます。
でもまだ、キャリーケースなどには頑として入ってくれません。知らない場所に移動することに恐怖心がまだあるのかもしれません。
人の手がやさしくて温かいことをもっともっと教えて、早く里親さんのもとへ行けるようにしてあげたいですね。それにはたくさんの人の手が必要だと思うのです。
おかかちゃんは、最近お気に入りのおもちゃがあって、それだとかなり積極的に遊んでくれます。
鉄子もなかなか警戒心が強いなーと思っていたら、
あるお客さんにはお尻ポンポンされていたりと、徐々に人馴れ進んでいるようです。
すじこはまだまだ先が長そうです。
人もいろんな性格があるように猫にもいろいろで、その相性は千差万別です。どちらかというと猫の方が人間を選んでいるようにも思えます。どんなに人に懐かない猫でも、ある人にだけは擦り寄っていったり、その人が来店するときには気配を感じるだけで入り口で必ずお出迎えするという猫の話なども聞きます。
不特定多数の人が出入りする保護猫カフェという場所は、なかなか人に馴れない猫にとって、相性の良い人との出会いの場所として適しているのかもしれません。
保護猫カフェ「おむすび」は横浜駅から徒歩10分の場所にあります。まだまだ馴れていない子もいますが、個性あふれる猫がいっぱいでそれぞれ付き合い方が微妙に違います。ある人には見向きもしないのにある人とは楽しそうにおもちゃにじゃれついたり。段々と人に心を開いて行く様子が楽しみでもあったりします。
我こそはと思う方、ぜひ足をお運びください。
著者:ねこたろう