今週も、新たな愛護動物虐待防止管理士さんが誕生しました。「愛護動物虐待防止管理士」とは、日本動物虐待防止協会が発行している資格。トリマーさんや、獣医師の方など、ペットのプロとして携わる業種の方から、行政書士など法律分野に関わる方、そして一般の飼い主さんも受講できます。
犬、猫殺処分は減少傾向にありますが、日本経済新聞の2016年3月10日に掲載された内容によると、警察庁のまとめからも2010年に統計を取り始めてから過去最高の数字となったとのこと。56件のうち「遺棄」が最も多く27件、殺傷が17件、暴行・餌を与えないなどが、12件。犬よりも猫への虐待が多く、猫は34件、犬は20件との内容でした。
「動物虐待は犯罪」という意識もまだまだ薄く、広島県で十分な給餌を与えなかった男性が逮捕された時は、「納得いかない」という言葉さえ聞かれたと言います。
また、記憶に新しいところでは、スケートリンクに5千匹もの魚を敷き詰めた上に、「前代未聞のアトラクションで日本初、いや世界初間違いなし!!」との宣伝文句を掲げ、批判を受けて、それが直接の原因かはわからないが、閉園にまでなってしまったケースもありました。
このように、動物虐待とは、どういうことなのか?また人々が心理的に感じる「虐待感」とはどのようなことなのか?を法律上の視点からも学べる機会を与えているのが、「愛護動物虐待防止管理士」なのです。
学科と実技、動物福祉の授業を網羅した内容です。学科では動物虐待とはどのようなことを指すのか?それに対しての罰則規定や、動物を取り扱う上での適切な基礎知識も学ぶことができます。
また、実技では、対話コミュニケーションの技法を身につけることができるので、動物虐待をしてしまう心理や、そのような問題にどのように対処していけばいいのかなどの、具体的な技術も1日で修得できます。
日本にアニマルポリスはいません。動物虐待に対する警察の対応も地方によってまちまちです。そうした現実社会を見据えて、市民レベルで動物虐待を防止していく必要性が大いにあります。「愛護動物虐待防止管理士」を育成することによって、社会全体の動物虐待数を減らしていくのがこの取り組みの目的です。
試験を受けて合格すれば、日本動物虐待防止協会のボランティアとして、一緒に活動することも可能です。来週は、愛護動物虐待防止管理士の方のボランティア活動を紹介します。
基本、毎月第3土曜日を受講日としております。場所は、保護猫の家*ARIGATOのカフェスペースを利用しております。詳細は、日本動物虐待防止協会のホームページをご覧ください。現在、5月20日の受講者を受け付けております。受けてみたいという方は、日本動物虐待防止協会に募集要項をお取り寄せください。
詳細について http://www.nipponspca.com/family.html
資料請求リンク http://www.nipponspca.com/contact.html
著者:藤村晃子