これまでは首輪をするかどうかというお悩み、猫の首輪嫌いに関するお悩みの解決策について述べてきました。さて、今回は実際の首輪選びについて考えていきましょう。

目的を明確にする3つの質問

首輪選びに悩んでいる皆様に質問です。

まずは質問の簡単な補足を。

1. 首輪をしていますか?
とても大切な質問です。現状を起点にして、これからのことを考えていくのです。

2. なぜ首輪を買いますか?
首輪を買う目的を明確にするための質問です。
※参考:ネコソダテでは、首輪は猫が脱走したときに素早く飼い主のもとに戻るための道具として位置づけています。

3. 首輪について、どんな問題がありますか?
より良い首輪を見つけるため、現在の問題点を洗い出しましょう。

3つの質問に基づくフローチャート

ご自身の首輪にまつわる問題について考えていただけたでしょうか。では次のフローチャートをご覧ください。

冒頭でご覧いただいた3つの質問がフローチャートに落とし込まれていますね。

1.の質問が起点になっています。
まずは首輪をしているのか、していないのか。「いいえ(またはしたことがない)」と回答した方が最初にたどり着く地点は「練習」。
首輪嫌いの猫も、首輪をしたこともない猫も、まずは練習から。首に何かがついていることに慣れてもらう必要があります。長時間の装着が難しければ、初めのうちは短時間にとどめ、少しずつ装着時間を延ばしていき、常時装着を目指しましょう。

次に「はい」と答えた方には2.の質問が待っています。
買い替え・買い足しなど、現状に肯定的な回答をした方には「維持」がゴール。今使っている首輪と同じタイプのものを使う、現状維持です。今以上に多くチャームをつけたり、硬い・重い素材の首輪を選ぶのは、ストレスのもとですので避けましょう。

一方、今の首輪に問題を感じているという回答の先には、3.の質問。
「嫌がる・異常」などの現実的な問題には、「軽減」を。今使っている首輪よりも負担の軽いものを選ぶことで、負担軽減・ストレス低減を目指しましょう。具体的には、肌ざわりの良さ・軽量さ・シンプルさを意識して選ぶと良いでしょう。

そして「機能に不満」を選んだ方のゴールは、「挑戦」。
上述の「練習」を経た方のゴールでもあります。首輪をする目的を明確にし、理想形と考える、新しいタイプの挑戦しましょう。嫌がる場合はつけ心地をチェック。鈴などの付属品を外すだけでも反応が変わることがあります。挑戦とはいっても、過度な装飾・無理強いは首輪を嫌うきっかけにもなりかねませんので、できる限り避けましょう。

以上が首輪選びの際に頭に入れておきたいポイントです。

こんな猫にはこんな首輪

どんな首輪がいいの?というお話はこれまでの連載でも触れてきましたが、改めておさらいしておきます。

・首輪を着用することに抵抗がない猫には?
すんなりと首輪を着用してくれる個体には、何でもOK…と言いたいところですが、こちらに気を遣ってくれているだけということも十分にあり得ます。ご自身の使用目的に沿った、過度な装飾がなく着け心地の良い、負担の軽い首輪を着けてあげてください。なお化学繊維製で硬い首輪は摩擦が起きやすく、首輪ハゲができやすいので、コットンなどの天然素材のものがおすすめです。

・まだ小さい猫には?
対応する首輪もないほど小さい生後2カ月以下の猫は、体重も軽く、サイズの変動も大きい。実際、この月齢の子たちに合う重さ・長さの首輪を作るのは至難の業です。が、小さいうちから練習をしておけば、首輪にも慣れてもらいやすいのです。

このくらいの月齢の猫には、ストレッチリボンなどの肌当たりが柔らかく、伸縮するものを使うと良いでしょう。伸縮するものを使う理由は、成長が早い子猫たちのサイズ変動に柔軟に対応するためです。成猫のようにさるぐつわにするほどの腕力(脚力?)がない点も向いています。

本当に成長が速いので、毎日サイズ感をチェックしましょう。生後3カ月程度、または首回りのサイズが首輪が使える範囲になったら、随時切り替えを。その後も、成長度合いに合わせて買い替えをしていきましょう。

・首輪嫌い、または首輪をしたことがない猫には?
前回のコラムでもお伝えした通り、首輪選びと共にタイミングも必要です。できる限り軽く柔らかく、余計な装飾のついていないものを選びましょう。どうしても嫌がる場合は、子猫のトレーニングの項でも使用したストレッチリボンで練習しても良いと思います。
ただ、伸縮する素材についての注意点がひとつ。子猫と違い、前足の力が強いのが成猫です。嫌がって外そうと前足を入れ、伸縮して口元まで持ち上げる場合があります。さるぐつわになりやすくなりますので、抜けやすいようふんわりとつけて常時見守りながらトレーニングを重ねましょう。

まとめ

首輪に関する問題を解決、また首輪ライフを楽しんでいただくためには、自らに問うことと、愛ある観察が重要です。これは実は、首輪だけに留まらず、猫との生活の中でも役立つ姿勢だと思います。

ぜひ毎日の観察と問いを忘れずに、そして問題を感じたら解決を試み、健やかな日々をお過ごしくださいね。

著者:ネコソダテ 満間摂子

これまでは首輪をするかどうかというお悩み、猫の首輪嫌いに関するお悩みの解決策について述べてきました。さて、今回は実際の首輪選びについて考えていきましょう。

目的を明確にする3つの質問

首輪選びに悩んでいる皆様に質問です。

まずは質問の簡単な補足を。

1. 首輪をしていますか?
とても大切な質問です。現状を起点にして、これからのことを考えていくのです。

2. なぜ首輪を買いますか?
首輪を買う目的を明確にするための質問です。
※参考:ネコソダテでは、首輪は猫が脱走したときに素早く飼い主のもとに戻るための道具として位置づけています。

3. 首輪について、どんな問題がありますか?
より良い首輪を見つけるため、現在の問題点を洗い出しましょう。

3つの質問に基づくフローチャート

ご自身の首輪にまつわる問題について考えていただけたでしょうか。では次のフローチャートをご覧ください。

冒頭でご覧いただいた3つの質問がフローチャートに落とし込まれていますね。

1.の質問が起点になっています。
まずは首輪をしているのか、していないのか。「いいえ(またはしたことがない)」と回答した方が最初にたどり着く地点は「練習」。
首輪嫌いの猫も、首輪をしたこともない猫も、まずは練習から。首に何かがついていることに慣れてもらう必要があります。長時間の装着が難しければ、初めのうちは短時間にとどめ、少しずつ装着時間を延ばしていき、常時装着を目指しましょう。

次に「はい」と答えた方には2.の質問が待っています。
買い替え・買い足しなど、現状に肯定的な回答をした方には「維持」がゴール。今使っている首輪と同じタイプのものを使う、現状維持です。今以上に多くチャームをつけたり、硬い・重い素材の首輪を選ぶのは、ストレスのもとですので避けましょう。

一方、今の首輪に問題を感じているという回答の先には、3.の質問。
「嫌がる・異常」などの現実的な問題には、「軽減」を。今使っている首輪よりも負担の軽いものを選ぶことで、負担軽減・ストレス低減を目指しましょう。具体的には、肌ざわりの良さ・軽量さ・シンプルさを意識して選ぶと良いでしょう。

そして「機能に不満」を選んだ方のゴールは、「挑戦」。
上述の「練習」を経た方のゴールでもあります。首輪をする目的を明確にし、理想形と考える、新しいタイプの挑戦しましょう。嫌がる場合はつけ心地をチェック。鈴などの付属品を外すだけでも反応が変わることがあります。挑戦とはいっても、過度な装飾・無理強いは首輪を嫌うきっかけにもなりかねませんので、できる限り避けましょう。

以上が首輪選びの際に頭に入れておきたいポイントです。

こんな猫にはこんな首輪

どんな首輪がいいの?というお話はこれまでの連載でも触れてきましたが、改めておさらいしておきます。

・首輪を着用することに抵抗がない猫には?
すんなりと首輪を着用してくれる個体には、何でもOK…と言いたいところですが、こちらに気を遣ってくれているだけということも十分にあり得ます。ご自身の使用目的に沿った、過度な装飾がなく着け心地の良い、負担の軽い首輪を着けてあげてください。なお化学繊維製で硬い首輪は摩擦が起きやすく、首輪ハゲができやすいので、コットンなどの天然素材のものがおすすめです。

・まだ小さい猫には?
対応する首輪もないほど小さい生後2カ月以下の猫は、体重も軽く、サイズの変動も大きい。実際、この月齢の子たちに合う重さ・長さの首輪を作るのは至難の業です。が、小さいうちから練習をしておけば、首輪にも慣れてもらいやすいのです。

このくらいの月齢の猫には、ストレッチリボンなどの肌当たりが柔らかく、伸縮するものを使うと良いでしょう。伸縮するものを使う理由は、成長が早い子猫たちのサイズ変動に柔軟に対応するためです。成猫のようにさるぐつわにするほどの腕力(脚力?)がない点も向いています。

本当に成長が速いので、毎日サイズ感をチェックしましょう。生後3カ月程度、または首回りのサイズが首輪が使える範囲になったら、随時切り替えを。その後も、成長度合いに合わせて買い替えをしていきましょう。

・首輪嫌い、または首輪をしたことがない猫には?
前回のコラムでもお伝えした通り、首輪選びと共にタイミングも必要です。できる限り軽く柔らかく、余計な装飾のついていないものを選びましょう。どうしても嫌がる場合は、子猫のトレーニングの項でも使用したストレッチリボンで練習しても良いと思います。
ただ、伸縮する素材についての注意点がひとつ。子猫と違い、前足の力が強いのが成猫です。嫌がって外そうと前足を入れ、伸縮して口元まで持ち上げる場合があります。さるぐつわになりやすくなりますので、抜けやすいようふんわりとつけて常時見守りながらトレーニングを重ねましょう。

まとめ

首輪に関する問題を解決、また首輪ライフを楽しんでいただくためには、自らに問うことと、愛ある観察が重要です。これは実は、首輪だけに留まらず、猫との生活の中でも役立つ姿勢だと思います。

ぜひ毎日の観察と問いを忘れずに、そして問題を感じたら解決を試み、健やかな日々をお過ごしくださいね。

著者:ネコソダテ 満間摂子