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猫もひとも幸せになりたいニャ。−多頭飼育崩壊という罪−

昨年末から「多頭飼育崩壊」からの猫レスキューに取り組んでおりました。
「多頭飼育崩壊」とは、おうちの飼い猫が繁殖しすぎてしまったり、「かわいそう」「かわいい」などの理由で猫をたくさん飼いすぎてしまったりして、お世話しきれずに生活が破綻してしまうことです。衛生環境も悪化し、猫たちの健康状態も悪くなってしまいます。こういった猫などの動物を収集してしまう人を「アニマルホーダー(Animal Hoarder)」と言います。

せまくて不衛生なケージの中に詰め込まれていた猫たち

こちらの案件で31匹の猫を引き取ることになりました。
このような密集した暮らしの中ですので、ほとんどの猫がFIVに感染していました。
すべての猫が不妊手術をしていない状態。ストレスでケンカも絶えなかったのでしょう。

もりねこで保護してから、すべての猫たちに不妊手術、ウイルス検査、ワクチン接種などをいたしました。

体格もふっくらし、連発して止まらなかった咳やくしゃみも落ち着きました。

保護した猫たちには、ごはんを奪い合うこともなく、自分のお皿でおなかいっぱいに食べて、新鮮なお水を飲んで、毎日暖かくきれいなベッドで眠り、爪研ぎで爪をといだり、窓辺でひなたぼっこしたり、そういうことが自由にできるあたりまえの日々を過ごしてもらっています。

でも一番の幸せはもりねこにいることではありません。
もりねこには猫の幸せにとって一番大切なものが足りていないのです。

一番大切なことってなにかニャ~~??

どんな猫よりも一番大切に可愛がってくれる家族の愛です。
もりねこは猫たちのQOLを大切に、少しでも猫たちが快適に過ごせるよう日々努力を重ねていますが、2フロアで60匹以上の猫たちのお世話やお店の運営、団体の運営にスタッフも駆け回る毎日です。

施設の外に目を向ければ、世界にはまだまだ私たちの協力をまっている猫たちであふれかえっています。おうちの猫ちゃんたちに比べると、やっぱりそこだけはカバーしきれないのが難しいところ。

だから、1日も早く猫たちに本当のおうちを見つけるのも大切なお仕事です。

FIVは感染していても無症状のまま長生きできる猫も多く、正しく理解していればそんなに怖い病気ではありません。猫たちが健康で可愛くのびのび暮らしている様子を見ていただくことで、安心してお迎えしていただけるのかなと思います。ぜひ可愛い猫たちに会いにいらしてくださいね。猫のお迎えは難しいという方も、ご利用いただくことが猫たちへの支援になります。

猫はただ生まれた環境の中で生きているだけで、何も悪くありません。
猫の問題を引き起こすのはいつも人間です。
私たちには同じ人間として、こういう問題に目を向けていく責任があるのです。

決して楽しいことばかりではありませんが、猫もひとも幸せになるってそういうことなんじゃないかなぁと思いながら日々活動を続けています。もしよかったら皆さまも一緒にこの活動に参加してみませんか?

https://npomorineko.wixsite.com/morineko

 

著者:もりねこ


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