猫を飼うと家の中が動物臭くなる・・・実は、そんな誤解もまだあるようです。愛猫家の方なら、それは嘘!とすぐにわかることですが、猫を飼っていて実際に臭いに悩まされているご家庭があることも確かです。
自分では全く気にしていなかったのに、久しぶりに遊びにきた友人に指摘され、それから気になって仕方ない、という方がおられました。きっと、その方は臭いに慣れてしまって気が付かなくなっていたのでしょう。友人の方も悪気なく「ニオイがする」と言ってしまっただけかもしれません。
ご存知の方も多いと思いますが、猫自体には臭いはほとんどありません。正確には、猫の匂い(香り)というのはあるのですが、人にとってはとても芳しい心地よい香りです。猫のふわふわの毛皮に顔を埋めると、なんとも柔らかい太陽のような匂いがします。それが大好き、という方はたくさんいるでしょう。
私の好きな猫マンガ家さんは、「猫はラーメンに乗っかっているメンマや、卵の殻のような香ばしい匂いがして、しかもその香りには優れた癒し効果まである!」と言っています。
猫はとてもきれい好きな動物です。普段から自分の毛皮を念入りにグルーミングし、毛皮を清潔に整えています。一生、お風呂に入れる必要がないとまで言われる動物です。
それでは、なぜ猫自体には嫌な臭いががないにもかかわらず、猫飼いの家が臭うことがあるのでしょうか?その発生源はどこなのでしょうか・・・?
ご推察の通り、猫を飼っている家のペット臭というのは、猫自体からではなく、
猫のトイレやご飯場所であったり、と二次的な場所から出ています。
臭いが気になったら、まずチェックする場所はここです。
1、猫トイレとその周辺
2、猫のご飯場所
尿を取りこぼした砂がたくさん混じっていると、猫トイレはとたんに臭いがきつくなります。これは、人間以上にニオイに敏感な猫にとっても耐えられないことで、こうなると猫トイレを放棄して粗相を始める猫もいます。トイレには常に砂を多めに入れて、尿を丸い塊のまま周囲の砂と一緒にしっかり取り除くことで、取りこぼしはある程度防げます。そのうえで、砂も時々すべて入れ換えてあげることが大事です。
システムトイレの場合、シートは1週間取り替え不要とうたっているものもありますが、やはりシートを1週間置くと強いニオイは下から上がって来ます。薄手の安価なシートで良いので、毎日取り替えてみてください。そして、トイレは2~3週間に一度は丸洗いする習慣もつけることです。
また、トイレの周りにも注意を向けてみましょう。
時々、お尻を上げておしっこをする癖のある猫がいます。知らないうちに猫トイレの周りの壁にたくさんの尿の飛び散りがついていたということもあります。トイレ掃除の際は、トイレの中だけでなく、トイレの周りや下もチェックしてみてください。
トイレ以外の場所で粗相をしていることもあります。
まさか、と思う場所に尿がかけられていたりすると、長い間気づかれないままニオイの発生源となっていることも・・・トイレ以外の場所も時々チェックする方がよいでしょう。
次に気を付けなければいけないのは、猫のご飯場所です。
猫のお皿の下に敷きっぱなしのマットレスなどありませんか?敷いたままのマットレスは意外と汚れています。時々交換して、洗うことを忘れないであげてください。また、ご飯場所周辺に飛び散ったフードのカスもそのまま放置すれば、もちろんニオイの原因になります。ご飯場所も普段から清潔に拭き掃除をしてあげましょう。
意外と気が付かないことですが、空になった猫缶はしっかり洗っていますか?缶の隙間に残ったフードが腐って、空き缶置き場から強烈なニオイが発生していた、ということもあります。
ちょっとだけ視点を変えてチェックしてあげるだけで、お家の中の嫌なニオイは消えてしまいます。それは、猫にとっても、私たち同居人にとっても嬉しいことなのです。
もしも、猫自体から普段と違うにおいがある場合は、病気の可能性もありますので、病院でご相談ください。
キャットシッターないとうのHP: http://catsitter-naito.com
著者:内藤由佳子