保護猫の家では5月になると、子猫ラッシュが続きます。北関東にある行政施設からの引き取りなど、今年も子猫の数は11匹に…。もう、保護猫の家内のシェルターもいっぱいになってしまいました。
そして、そのセンターが公開した昨年の数字です。
4月 猫192匹 犬89匹
5月 猫347匹 犬68匹
6月 猫319匹 犬36匹
7月 猫168匹 犬50匹
8月 猫194匹 犬66匹
これは引き取り収容数ではありません。
平成28年度に、1施設だけで焼却された命の数字…。
4・5・6月は特に子猫の収容と焼却がピークとなる月です。これは何を物語っているのかというと…
不妊・去勢手術が行われていないために、繁殖によって産まれた子猫たちが大勢いて、産ませては処分、産ませては処分が繰り返されているからなのです。
保護猫の家を運営する日本動物虐待防止協会ではこの数字を重く受け取り、子猫の不妊去勢手術を必ずしてから譲渡することになりました。不妊・去勢に関しては、少なからず批判の声も聞かれます。
「健康な猫を手術するのはかわいそう」
「それは自然ではない行為だから」
などなど・・・・
しかし、猫は繁殖力がとても強い動物。栄養が足りている状態にあると、一年に数回繁殖することも可能です。また、生後4カ月から繁殖可能とも言われています。
増えすぎた猫のいる地域では、少なからず住民トラブルが発生します。鳴き声や糞尿の問題、ゴミや花壇を荒らすなど…。その行為が「迷惑感情」を誘発し、センターなどに「駆除」として持ち込まれ、譲渡しきれなかった猫は殺処分されてしまいます。中には猫の鳴き声がうるさいと、虐待に遭う猫もいます。
こうした事例は、各地で相当数起きています。
だからこそ、「不妊・去勢」への正しい知識を広めることが必要で、殺処分を減らすためにも猫が害獣扱いされないためにも、非常に大事なステップだと考えています。しかしながら、地域住民が協力し合い、猫を増やさず数を減らしていく「地域猫活動」は、まだまだ認知度が低い状況です。
そこで、2017年8月6日(日)横浜西公会堂でこれらの問題を提起し、解決へ向けて、日本動物虐待防止協会ではシンポジウムを企画しました。ゲストには、女優、公益財団法人 動物環境・福祉協会Eva 理事長の杉本彩さんをお招きし、講演や対談を通じて、「不妊・去勢」を広く周知します。
さらに、クラウドファンディングの会社、レディフォーとコラボし、「知ってほしい不妊・去勢で救える猫の命!幸せな家族へつなぐ命」と題して6月15日より、クラウドファンディングをスタートしました。
保護猫の家の援助のための資金や、先のシンポジウムで500名の入場を目指すため、運営費用の一部を捻出することを目的としています。
詳細はこちらhttps://readyfor.jp/projects/hogonekonoie
生まれた命を簡単に捨てるのではなく、幸せにするお手伝いをしてあげ、抱えきれないほどの命を産ませないシステムを周知することで、殺処分という誤った選択をなくし、人も動物も快適に過ごせる心豊かな社会を目指したいと切に思います。
保護猫の家*ARIGATO HPが出来ました!
https://adicotv.wixsite.com/arigato
〒221-0005
横浜市神奈川区六角橋6丁目29-16
エミネンス白楽2階
保護猫の家*ARIGATO
定休日 月・火
水 Work shop
木~金 11:30 ~20:00
土・日・祝 10:00~20:00
著者:藤村晃子