いよいよ、子猫のシーズンです。と言っても、野良猫と関わる機会の少ない方にとっては、なんのこっちゃ?という感じでしょうか。
猫は春と秋が繁殖期で、最も子猫が生まれやすいのがずばり春(4~5月)なのです。「子猫」または「猫の子」は俳句でも春の季語だそう。
いよいよ、子猫のシーズンです。と言っても、野良猫と関わる機会の少ない方にとっては、なんのこっちゃ?という感じでしょうか。
猫は春と秋が繁殖期で、最も子猫が生まれやすいのがずばり春(4~5月)なのです。「子猫」または「猫の子」は俳句でも春の季語だそう。
かの有名な小林一茶も、子猫について多数詠んでいます。
「猫の子や秤にかかりつつざれる」
生まれた子猫たちを秤にかけたところ、体重測定されながらじゃれてくるという悶絶な風景です。
「なりふりも親そつくりの子猫哉」
親子がよく似るのは人間も動物も同じ。寝相やしぐさ、狩りのしかたなど、猫の親子を見ていると本当によく似ていて微笑ましいですよね。
我が家の2匹の猫です。そういえば、この黒猫(名前はモーリーといいます)も4月上旬のある日、へその緒がついた状態で保護されたのでした。一方、長毛の方のタヌキ・・・ではなく猫(私のコラムによく出演している、茉莉さんです)は、3月生まれ。元々はペットショップに売られていた猫なので、繁殖期があまり関係ないのでしょう。猫の繁殖期は日照時間に影響されますから、完全室内飼いの猫の繁殖期は季節との関連は薄れてきます。
ともかく野良猫にとっては、春は出産シーズン。うっかり猫を拾っちゃうにはもってこいの時期ですから、日頃から「猫飼いたいなぁ・・・」と思っている方は、茂みの中や飲食店の室外機の裏側などを気を付けて見てみてください。というのは冗談で(不審者に間違われますね)、これからのシーズンは母猫とはぐれた子猫が保護される確率が比較的高いですから、もし良い出会いに恵まれた方はぜひとも野良猫ちゃんをおうちに迎え入れて頂きたいなと思います(これは私の個人的な思いであり、決してペットショップを否定する意見ではありませんし、ましてや獣医師がペットショップ嫌いというわけでもありません)。
ちなみに・・・住宅などの事情で猫を家に置けないのに、どうしても見捨てられない野良猫がいる・・・そんな時はどうしましょう?
母猫からはぐれて弱っている、怪我をしているなど、「このままでは死んでしまう」と思うと放っておけないのが人情というもの。そんな時に最良の方法は、動物病院に預けて治療しながら、ご自分で里親を探すことです。健康状態が良ければ、猫を飼える環境のご親戚やご友人に一時的に預かってもらうのもいいでしょう。野良猫の保護に関わっている方々は、ほとんどがすでにキャパオーバーで、身を粉にして猫の世話をされている方ばかり。ですから、できる限り保護した方の個人の力で解決していただきたいと思います。
ちなみに、最もやめていだたきたいのが「動物病院、動物保護団体、猫カフェなどの前にこっそり放置すること」です。気持ちはわかるのですが、落とし物を駅員さんに届けるのとはわけが違います。中途半端な優しさは時に残酷ですから、命に責任が取れないのであれば、見捨てるのも勇気です。母猫が迎えにくるかもしれない、誰か拾ってくれるかもしれない、地域猫として人気者になるかもしれない、そんな期待をしつつ、いつかどこかで他の猫を助けられる時が来たら助けてあげてください。ちょっと熱くなってしまいましたが、今年の春も1匹でも多くの猫が、飼い猫としての暮らしをスタートできますように。