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通報?センター職員様のご来店。

心斎橋おやつあげ09279

昨年2016年4月のある日突然、大阪市の動物愛護センターの職員さんお二人がお越しになられました。「当店が動物虐待をしていると通報があったので確認しに来ました」、とのこと。通報の内容についてお伺いすると、「混み合う春休みに、お金儲けのため全てのお客様に猫のおやつを強制的に販売し、猫に食べさせている」とのこと。
強制的?全員に?猫のおやつが虐待?と疑問に思いましたが、先ずは当店のシステムをご説明しました。お客様の半数近くが選ぶ「60分基本コース」では猫のおやつはついていないこと、猫おやつは追加できるが、敢えてその案内はしてない旨をお伝えしました。さらに4月からはお客様が多くなる土日祝の猫おやつの追加販売をやめ、平日のみにしていることをご説明し、動物虐待は何かの勘違いであることをご確認いただきました。

ちなみに生駒店時代は焼いたササミやカツオをパックした商品をおやつにしていましたが、心斎橋店ではスティックタイプのペースト状のおやつを採用しています。これだと、猫が食べる量を3分の1に少なくしながらも、チビチビと与えられるのでお客様は3倍の時間に感じて楽しんでいただけるのです。

誰からのご通報なのかは守秘義務があり、もちろん教えていただけませんでしたが、簡単な経緯だけはご説明いただきました。果たして通報された方は一度も当店にお越しになったことがないようです。恐らく伝言ゲームになったのでしょう。しかし職員の方は職務として事実確認をせねばならず、真摯にご対応されたのだと思われます。

当店はお客様と猫たちに喜んでいただくために、猫のおやつを販売しています。ですが、それは収益を上げるためではありません。お金儲けに走るなら、他にもっと効率の良い方法がいくらでもあります。

ちなみに当店はお客様が猫のお膝乗りで動けないこともあったりして、長時間滞在も多く、お客様が多くても店内は意外と人の動きは少なく静かです。お客様の少ない以前の生駒店時代より、多くのお客様がお越しになる今の心斎橋の方が、猫たちのお膝乗りが多いことこそが、ストレスフリーの確たる証です。

行政指導員は、獣医師の免許をお持ちなのでプロフェッショナルです。当店が提供している猫のおやつの内容も確認していただきました。「これをたくさんあげたら猫が病気になるのでしょうか?」との私の質問に、「いずれも猫用の餌なので特に問題ないです」とのことでした。
「猫のおやつを健康にあまり良くないものと思っているお客様もいらっしゃるので、今後も猫のおやつを制限して販売された方が良いでしょうね」とのアドバイスもいただきました。当店では猫を可能な限り人間扱いしたいので「猫の餌」を「猫のおやつ」と表現しています。もしかすると、通報された方は人間のお菓子の成分などをイメージされたのかもしれませんね。また、食べる時間がバラバラなのでわかりにくいのですが、「猫の餌」である「猫のご飯」もみんなしっかり食べています。

その後、職員さんから電話があり、通報者の方に事実を報告し、ご理解いただいたとわざわざご報告くださいました。さらに近いうちに一度来店しますとのことです。業務として、「改善されたかどうか」の確認を行わないといけないのでしょうね。愛護センターの方々は日々こうして一つ一つの事案に丁寧に接していることがよくわかりました。

今回は残念ながら「猫を使い営利を貪る悪徳業者」と間違えられましたが、通報者の方の謝罪は不要です。なぜなら、事実ではない情報が伝達されたことが問題であり、通報者の方は猫のために正義の行動をされただけなのです。そして通報者の方にご理解いただけたことをとても嬉しく思っております。

開業当初、右往左往し、殆ど何も配慮できなかった私が、周りの皆様やお客様にアドバイスやご教示をいただき、お店の改善を積み重ねてきました。そしてお客様のたくさんの笑顔から「当店の営利追求」の真髄は「猫たち(とお客様)が幸せに過ごす時間のご提供」であると確信できました。ここに導いていただけた全ての方々に改めて感謝申し上げます。

 

庄 知宏@
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