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あなたの一言で不幸な猫が増える。

ネコグラファーの前田悟志です。
10/29 荒汐部屋のねこ写真集「モルとムギ 相撲部屋の猫親方」(河出書房新社)が無事出版され、一息ついています(さらりと告知)。

猫団子が食べ頃の季節になりましたね。

さて。
「皆さんは猫好きですか?」

…これをご覧の方は、ほぼ「好きだよ」って言ってくださると思います。ただ、悲しいことに「猫が嫌い」って方もいらっしゃいます。それは仕方のないことです…。無理強いはもちろんできません。

皆さんが野良猫さんを見つけた時、何をしていますか?
声をかける?
撫でる?
写真撮る?

殆どの方が「写真を撮る」ってお答えになるのではないでしょうか?
iPhoneなどスマートフォンのカメラ機能がすごく進化し、数年前のデジタル一眼レフにも匹敵する画質があります。その綺麗なカメラで一期一会の野良猫さんを収めたい…その気持ちすごくわかります。

その後、その写真をどうしてますか?
もしかして「池袋の〇〇で出会いました」とか写真を添付してTwitterなどのSNSに投稿してたりしませんか?
ギクっとした方に悲しいお知らせがあります。

あなたのその一言が不幸な猫を増やしています!!!

その投稿を見た「猫が嫌いな方」のツイートをご覧ください。

(可愛がる?)

(始末?)

「猫が嫌いな方」が何をしようとしているか、わかりますか?
そう。殺処分です。
殺処分とまでは行かなくても虐待を行おうとしています。

これがもし、あなたの何気ないSNSへの投稿がきっかけだとしたらどうでしょう?あなたは耐えられますか?

今日この記事を見ていただいた皆さんに、ひとつだけ約束して欲しいことがあります。

野良猫の写真と一緒に居場所を投稿するのはやめてください。

野良猫さんの居場所が特定されて起こることは「虐待」だけではありません。「他の猫がいるなら寂しくないよね。」「これだけ野良猫がいれば誰か餌をあげている人がいるよね。」そう思った方が、その場所に猫を捨てるということも実際に起っています。

実はこれ、私達「猫写真家」や「出版社」の間でも問題になっています。
猫の写真集に「〇〇で撮影」と記載したばかりに、その場所で虐待や猫を捨てるということが起きているのです。
テレビなどでまるで「楽園」のように扱われている、いわゆる猫島でも同じようなことが起きています。

猫ブームと言われる裏側にはこういった闇があります。
そのブームを牽引してきた者の責任として、この記事を書かせていただいています。私たち猫写真家の間でも「猫ブームの責任をとる」「猫ブームの後始末」を行う動きが既に出てきているのです。

■「#僕らの居場所は言わにゃいで」ってご存知ですか?

最近SNSで野良猫さんの写真を見た時に「#僕らの居場所は言わにゃいで」と記載してある投稿を目にしたことはありませんか?

私もこの運動を応援しています。

この記事で報告させていただいた現状を回避するために、この運動はスタートしました。

居場所を投稿している方に注意文を送るのではなく、「こういった運動があるんだよ」といろいろな方に知っていただくためのハッシュタグ・合言葉だと思ってください。
居場所を投稿している方に注意しても、現状をご理解いただけず喧嘩になるだけかもしれません。せっかく猫が好きという共通点があるのに喧嘩をしては仕方がありません。悲しくなるだけです。

たくさんの方の目に「#僕らの居場所は言わにゃいで」というハッシュタグが映り「なんだろうこれ?」とクリックしてもらえるだけで良いのです。

このハッシュタグをクリックして見ていると、必ず1人はこのハッシュタグの説明をしている人が居ます。その説明が誰かの目に飛び込めば、この運動の成果が生まれるのです。

■もし野良猫さんの写真をSNSに投稿する時は

・居場所は書かない
・写真のGPS情報(Exif)は消してから投稿する
・(できれば)#僕らの居場所は言わにゃいで を付ける

この3つを気にかけておいてください。

全ては不幸な猫を増やさないため。
あなたのちょっとした心がけが猫たちを守ることができるのです。

著者:ネコグラファー® 前田 悟志


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