今回は、オール灰色フォトでお送りします。(ロシアンブルーゆえに)

さて、我が家の周りをテリトリーにしているオルカさんそっくりの野良猫をご紹介します。

イルカくんです。

4

(第二回のコラムでも紹介)

オルカにそっくりなので「イルカ」と命名しました。
オルカさんもイルカくんのことは知っているのです。

3

(お互いに意識しあう微妙な関係)

普段から我が家の周りをウロウロしたり、日向ぼっこしたりと比較的、警戒心の低いイルカくんですが、そんなイルカくんにとって最悪な日がありました。

それは、年の瀬も押し迫ったある日のこと。

私の家の真裏に、ちょっとしたスペースがあって、そこに農家のおばあちゃんが色々なものを天日干ししています。
今は、お芋を干しているのですが、このお芋が修羅場を生むことに。

「野良猫がお芋を盗んで食べるから!」といって、干し場に猫除けセンサーを取り付けたのでした。(容疑者はもちろんイルカくん)

2

(いかにも容疑者らしい厳ついイルカくん)

この猫除けセンサーがすごくて、動くものを察知すると、
「バンバンバーーーン」銃声
「わんわんわん」犬の鳴き声
「ガガガガガ」ブルドーザーの音
「ウーウーウー」サイレン

などなど、いくつもの音が作動して、動物を寄せ付けないという代物。

ところがこのセンサー、感度が良過ぎて、広場から離れた我が家の入り口にまで反応する。

私が家に出入りするたびに

「ガチャ、バン バン バーーーーーーンっ」

と毎度毎度、撃たれまくる私。(なぜかいつも私の時は銃声です。)

果たして芋泥棒の容疑者イルカくんは、この音で芋に近づかなくなるだろうか。
たぶんあまり効果なさそうだなぁ。
それよりも、私への銃声を何とかしてほしい・・・

と思っていた矢先。

私の目の前に黒い犬が現れたのです!
その子は「チビ」。
近所のおんちゃんが飼っている犬。

「チビ」だけど、ぜんぜんチビじゃなくてデカい「チビ」は(ややこしい)
どう見ても、脱走してきた様子。

「おいで!!チビ!」と捕獲を試みるも

めっちゃうれしそうな顔で、走り回り、私のところに来て、
「捕まえてみなっ!へへっ」って感じで、
俊敏に走り回っているのです。

そこにです。

さっきの猫除けブザーがです。

チビに反応して、「ウーウーウー ワンワンワン ダダダダダダ・・・」と鳴りまくる。

するとチビは、その音に興奮して、さらにハイテンションで、吠えまくる。

これはやばい!!
「チビー!おいでー。いい子だから!!!」と必死になだめる私。

するとチビが急にダッシュ!

ダッシュした先には、たまたま見回りにやってきたイルカくんが。

興奮MAXのチビが、イルカくんを追いかける → イルカくんダッシュで逃げる。

私がチビをダッシュで追いかける → チビ ダッシュで逃げる。

猫除けブザーが私に反応して追い打ちをかける → (バンバンバーーーンッ)

私もその場から逃げる・・・わけにもいかず、戻ってきて助けを求める。

息をきらして、近くにいたおばちゃんに、
「チビが脱走して!!!」と訴えると

「犬はかわいいねぇ。呼んだら来るしねぇ。」 ニコニコ

いや、おばちゃん、あいつ(アイツ呼ばわり)呼んでも来ないし!
だめだ、このおばちゃんでは、チビは捕まえられないと判断。

振り返ると、ブザーをつけたおばあちゃんが。
「チビが脱走して!!!」と再び訴えると

「大丈夫や」 ニコニコ
「お腹がすいたらそのうちお家に帰るき」 ニコニコ

えええ!?

だれも、チビを捕まえようとはしない。
いや、おばあちゃんにはどっちみち無理だけど。
チビは、デカいから。(ややこしい)

でもチビを捕まえないと!

途方にくれていると、
飼い主のおんちゃんが、「あーありゃ、にげちゃったんよ!」と悔しそう。
だが、追うわけでもなく、むしろ俺についてきな的な態度でチビに背を向ける。
チビはルンルン、ダッシュで畑のど真ん中をドッグランのごとく走り回り、つかの間の自由を満喫。

その後、どうなったのか。
見届けることはできなかったが、チビは無事におうちに帰っておりました。

ほっとしたけど、なんだろうこの疲労感。
この一連の出来事の最中も、例のブザーは鳴り続け、普段は本当に静かな町が、一気に沸き立った瞬間でした。

数日後、この騒動(騒動だと思ってるのは私だけ)とは関係なく、なぜか猫除けブザーは解除され、また平穏な日々が返ってきました。

そして、チビに追われたイルカくんは・・・
よほどデカいチビ(ややこしい)が怖かったのか、我が家の周りから姿を消してしまいました。イルカくん災難だったもんね。

どうしているのかと心配をしていましたが、お正月も明けたころ、ひょっこり帰ってきました。

1

(「ただいまー」の図)

どうやら、お隣のおじいちゃんにかくまってもらっていたようです。
よかった。よかった。

猫除けブザーについては、賛否両論あるかと思います。
私もはじめは、こんなモノつけなくてもいいのにと思っていたんです。

でも、ブザー音で自分の農作物を守ろうとするおばあちゃんが、なんだか優しいなぁと思えるようになりました。

猫のことを考えれば、かわいそうに思えてきますが、

おばあちゃんにも、守りたいものがあって、おばあちゃんなりに考えて、猫を傷つけずに済む方法が猫除けブザーだったと思うのです。

人も猫も、お互いにストレスなく暮らせる町を作るってとっても大変だということを改めて感じた日でもありました。

「港のネコとおばあちゃんプロジェクト」は、人も猫も「生きて」「活きる」社会を目指しています。

これからも、猫目線に偏ることなく、

人の立場から見て考えること。
猫の立場から見て考えること。

を忘れずにいたいと思います。

追伸:今日はシロが脱走しました・・・この町は(泣)

著者:猫好き地域おこし協力隊 井川愛

今回は、オール灰色フォトでお送りします。(ロシアンブルーゆえに)

さて、我が家の周りをテリトリーにしているオルカさんそっくりの野良猫をご紹介します。

イルカくんです。

4

(第二回のコラムでも紹介)

オルカにそっくりなので「イルカ」と命名しました。
オルカさんもイルカくんのことは知っているのです。

3

(お互いに意識しあう微妙な関係)

普段から我が家の周りをウロウロしたり、日向ぼっこしたりと比較的、警戒心の低いイルカくんですが、そんなイルカくんにとって最悪な日がありました。

それは、年の瀬も押し迫ったある日のこと。

私の家の真裏に、ちょっとしたスペースがあって、そこに農家のおばあちゃんが色々なものを天日干ししています。
今は、お芋を干しているのですが、このお芋が修羅場を生むことに。

「野良猫がお芋を盗んで食べるから!」といって、干し場に猫除けセンサーを取り付けたのでした。(容疑者はもちろんイルカくん)

2

(いかにも容疑者らしい厳ついイルカくん)

この猫除けセンサーがすごくて、動くものを察知すると、
「バンバンバーーーン」銃声
「わんわんわん」犬の鳴き声
「ガガガガガ」ブルドーザーの音
「ウーウーウー」サイレン

などなど、いくつもの音が作動して、動物を寄せ付けないという代物。

ところがこのセンサー、感度が良過ぎて、広場から離れた我が家の入り口にまで反応する。

私が家に出入りするたびに

「ガチャ、バン バン バーーーーーーンっ」

と毎度毎度、撃たれまくる私。(なぜかいつも私の時は銃声です。)

果たして芋泥棒の容疑者イルカくんは、この音で芋に近づかなくなるだろうか。
たぶんあまり効果なさそうだなぁ。
それよりも、私への銃声を何とかしてほしい・・・

と思っていた矢先。

私の目の前に黒い犬が現れたのです!
その子は「チビ」。
近所のおんちゃんが飼っている犬。

「チビ」だけど、ぜんぜんチビじゃなくてデカい「チビ」は(ややこしい)
どう見ても、脱走してきた様子。

「おいで!!チビ!」と捕獲を試みるも

めっちゃうれしそうな顔で、走り回り、私のところに来て、
「捕まえてみなっ!へへっ」って感じで、
俊敏に走り回っているのです。

そこにです。

さっきの猫除けブザーがです。

チビに反応して、「ウーウーウー ワンワンワン ダダダダダダ・・・」と鳴りまくる。

するとチビは、その音に興奮して、さらにハイテンションで、吠えまくる。

これはやばい!!
「チビー!おいでー。いい子だから!!!」と必死になだめる私。

するとチビが急にダッシュ!

ダッシュした先には、たまたま見回りにやってきたイルカくんが。

興奮MAXのチビが、イルカくんを追いかける → イルカくんダッシュで逃げる。

私がチビをダッシュで追いかける → チビ ダッシュで逃げる。

猫除けブザーが私に反応して追い打ちをかける → (バンバンバーーーンッ)

私もその場から逃げる・・・わけにもいかず、戻ってきて助けを求める。

息をきらして、近くにいたおばちゃんに、
「チビが脱走して!!!」と訴えると

「犬はかわいいねぇ。呼んだら来るしねぇ。」 ニコニコ

いや、おばちゃん、あいつ(アイツ呼ばわり)呼んでも来ないし!
だめだ、このおばちゃんでは、チビは捕まえられないと判断。

振り返ると、ブザーをつけたおばあちゃんが。
「チビが脱走して!!!」と再び訴えると

「大丈夫や」 ニコニコ
「お腹がすいたらそのうちお家に帰るき」 ニコニコ

えええ!?

だれも、チビを捕まえようとはしない。
いや、おばあちゃんにはどっちみち無理だけど。
チビは、デカいから。(ややこしい)

でもチビを捕まえないと!

途方にくれていると、
飼い主のおんちゃんが、「あーありゃ、にげちゃったんよ!」と悔しそう。
だが、追うわけでもなく、むしろ俺についてきな的な態度でチビに背を向ける。
チビはルンルン、ダッシュで畑のど真ん中をドッグランのごとく走り回り、つかの間の自由を満喫。

その後、どうなったのか。
見届けることはできなかったが、チビは無事におうちに帰っておりました。

ほっとしたけど、なんだろうこの疲労感。
この一連の出来事の最中も、例のブザーは鳴り続け、普段は本当に静かな町が、一気に沸き立った瞬間でした。

数日後、この騒動(騒動だと思ってるのは私だけ)とは関係なく、なぜか猫除けブザーは解除され、また平穏な日々が返ってきました。

そして、チビに追われたイルカくんは・・・
よほどデカいチビ(ややこしい)が怖かったのか、我が家の周りから姿を消してしまいました。イルカくん災難だったもんね。

どうしているのかと心配をしていましたが、お正月も明けたころ、ひょっこり帰ってきました。

1

(「ただいまー」の図)

どうやら、お隣のおじいちゃんにかくまってもらっていたようです。
よかった。よかった。

猫除けブザーについては、賛否両論あるかと思います。
私もはじめは、こんなモノつけなくてもいいのにと思っていたんです。

でも、ブザー音で自分の農作物を守ろうとするおばあちゃんが、なんだか優しいなぁと思えるようになりました。

猫のことを考えれば、かわいそうに思えてきますが、

おばあちゃんにも、守りたいものがあって、おばあちゃんなりに考えて、猫を傷つけずに済む方法が猫除けブザーだったと思うのです。

人も猫も、お互いにストレスなく暮らせる町を作るってとっても大変だということを改めて感じた日でもありました。

「港のネコとおばあちゃんプロジェクト」は、人も猫も「生きて」「活きる」社会を目指しています。

これからも、猫目線に偏ることなく、

人の立場から見て考えること。
猫の立場から見て考えること。

を忘れずにいたいと思います。

追伸:今日はシロが脱走しました・・・この町は(泣)

著者:猫好き地域おこし協力隊 井川愛