猫の鳴き声といえば「ニャーニャー」というのが定番ですが、平安時代から鎌倉時代までは、「ねうねう」と文献でされており、「う」は「ん」と発音されていたことから「ねんねん」という言葉を使っていたのではないか?と言われています。
※犬は「ワンワン」ですが、昔は「びょうびょう」と発音していました。
一方世界を見渡すと、それぞれのお国柄によって鳴き声は変わります。
米語「ミュー」
韓国語「ヤオン」
ドイツ語「ミアォ」
そして、猫をおびき寄せる時も違いが・・・
日本ではkittyといえば「キティーちゃん」というキャラクターを思い浮かべる人が多いと思いますが、米国になると、子猫を指すkittyで「キティ、キティ」と変わります。動物園では、ライオンやトラにも「キティ、キティ」と呼びかける米国人をよく見かけます。同じ猫科だから・・・?
あと、同じ子猫でも「Pussy cat」で子猫ちゃんと訳している辞書を、ときおり見かけますが、バーなどでナンパするときに「よう、子猫ちゃん」のような、やや下品な表現にあたります。間違っても米国で猫を見かけたときに、「Pussy cat」など、気軽に使わないようにお気をつけあれ。
猫が気持ちを伝える鳴き声といえば、「シャー」 が有名ですね。
怒ったときや、警戒するときの鳴き声。
「ゴロゴロ」は、満足やかまってほしい時の鳴き声ですが、最近では、このゴロゴロ音には怪我をした時や、具合が悪い時にも発せられ、猫自身が、免疫力を高めているのではないか?という説も聞かれます。
特に、骨折を治す効果が高いという話もあり、元サッカー選手で、日本でも有名なベッカムが現役時代に、試合で骨折した時は、この猫の出すゴロゴロ音を応用した超音波治療を受け、3週間も早く修復できたとのニュースもありました。
自らを治療する猫に備わったすごい機能として、猫のゴロゴロは、世界でも注目されています。
またこんな面白い話も。動物の鳴き声や、虫の鳴き声を西洋人は、右脳で察知しているのに対し、日本人は左脳で察知しているのだとか。右脳は味覚や、聴覚などの五感を捉え、左脳は言語や、文字を認識する働きがあります。
西洋人は、虫の音などは右脳で雑音と認識され、排除されてしまい、音が聞こえなかったり、聞こえづらかったりするそうです。
確かに、英語で虫の音を表現するときは、日本のように「チンチロリン」などと可愛い表現ではなく、「ズーー」と言います。また「Bug」は、虫以外にも「うるさい・鬱陶しい」など表現する時も使われます。
日本人は、川のせせらぎや、鈴虫の音、波の音、雨の音を多種多様に表現できるのは、そのためではないかとも言われています。
ということは、猫の鳴き声のバリエーションの違いを、日本脳はより多く察知している可能性も?猫の鳴き声の違いを、一度よく聞いてみてはいかがでしょうか?新たな表現が見つかるかもしれませんよ。
著者:放送作家 藤村晃子