Site icon にゃんこマガジン

「猫ハカセ」への近道?!動物看護師のあれこれ

1

前回のコラムでは獣医師の仕事についてふれました。今回は、あまり耳慣れない「動物看護師」という仕事についてお話しします。

動物看護師とは、文字通り動物病院で働く看護師です。活躍の場は小動物の、いわゆるペットの病院がほとんど。国家資格ではないので、法的には知識や経験が全くなくても就職できます。実際そうして働きながら学ぶ方もいらっしゃいますが、多くの方はペット関連の専門学校を卒業してから就職されます。

仕事内容は、入院動物の世話や診察の補助に加え、飼い主さんへのアドバイス、受付業務、掃除、送迎など多岐に渡ります。

病院内をうろつく茉莉さん(の向こうに動物看護師さん)

この「動物看護師」という仕事をしていると、猫の扱いがすごく上手になるんです。猫を扱う腕は獣医師を上回る場合もあります。なぜ獣医師ではなく動物看護師なのかというと、「保定」を行うからです。保定とは、処置などを行うのに適した体勢で動物が逃げないでいてくれるように身体を支えること。動物病院では、看護師が保定して獣医師が処置するのが一般的で、内容によっては、処置の出来は「保定が8割」という人もいるくらい、大事な役割です。

犬の場合だと、お利口な子は処置台の上に座ってじっとしていてくれますが、猫は逃げないように支える人員が必要な場合がほとんどです。その上身体が柔らかく運動能力が高い猫は、逃げる達人。慣れない人が保定すると、手をスルスルすり抜けて全くじっとしてくれません。

猫の保定。モデル協力:かえちゃん

ベテランの動物看護師さんは、猫の扱いが本当に上手です。猫の性格や体格・年齢などに合わせて方法を変えつつ、いちばん猫にストレスを与えない方法で保定してくださいます。自論ですが、動物看護師として一人前かどうか=猫の保定が上手にできるか、ではないかとさえ思っています。

また、飼い主さんにとって、動物看護師は獣医師よりもいろいろ話しやすいようで、獣医師よりも飼い主さんとの距離が近いことも多々。日々の診察補助に必要な勉強に加え、飼い主さんからの相談に乗っているうちに情報交換もでき、気づいたらオールラウンドな「猫博士」になっているかも。病気の知識に偏りがちな獣医師より素敵かもしれません(笑)

「猫使いになりたいなぁ」「猫からモテモテになりたいなぁ」「最近、猫不足だ・・・」と思っている人がもしいたら、「動物看護師」という選択はいかがでしょうか。かなり大変な仕事であることだけ覚悟していただければ、猫まみれになりながら働けますよ。


関連記事:

writer