6月に入り、高知も梅雨入りしたようですが、今年は昨年に比べ気温が低め。
海の温度も低いみたいですが・・・

相変わらずきれいな矢井賀の海。眺めるだけでテンションあがります!

そして、最近のオルカさんといえば

(昨夜は飲み過ぎたのかしら・・・だらしない)

ひどいおやじっぷり。
8歳のオルカさんは人間でいうと立派な中年オヤジ。

ますます好き嫌いをはっきり主張するワガママおやじ猫になり、それはまるで漫画「美味しんぼ」の、海原雄山のような面倒くささです。

特にゴハンの選り好みが激しく、これまでも本当に苦労しました。

思い返せば3年前の6月、オルカの糖尿病が発覚。猫の糖尿病専門の先生は、食べ過ぎが原因ではないし、インスリンを打っているのだから、好きなものを食べさせてあげたら?と言ってくれたのですが、心のどこかで、これまで「私がしっかりフードを選んでこなかったせいで病気になったのではないか」という罪の意識が拭えずにいました。

そして、当時の私は、オルカにどんなゴハンをあげれば「健康になるか」と必死で探しまわり、「身体に良い」という口コミや広告を見ては、片っ端からあらゆるフードを試しました。

ところが、私が必死になればなるほどオルカは食が細くなり、食べることを諦める日もありました。そしてついに、食べたくないとフードを残した日に、低血糖を起こしてしまったのです。
目を開いて、鳴いて訴えかけるオルカ。でも身体を起こすことができず、体温も冷たくなっていました。

やってしまった…。
どうしよう。オルカが死んでしまう…。

動揺した私は震える手で、常備していたぶどう糖液をオルカの口に流し込み、身体を毛布でくるんですぐに病院へ。気が付いたのが早かったので、特に処置することもなく、そのまま様子を見るように言われ、家に着くころには立ち上がって歩けるようになっていました。

なんてことをしてしまったのだろう。
オルカを抱きしめ「ごめんね、ごめんね」と繰り返しました。

「健康のため」と言いながら、私は自分が「食べさせたい」ものを無理にオルカに与えていたのです。

その日以降、「食」は命に直結しているからこそ、フード選びにより一層慎重になり、フードの中身は何でできているのか、と細かいところにまで疑問を持つようになりました。そして調べれば調べるほど、素材が良いもの、安心して与えられるものをオルカに食べさせたいと思うようになり、高知県に移住をして、ヤイカファクトリーを立ち上げることになったのです。

私はオルカに、より自然なものを食べさせたいという想いでプロジェクトを立ち上げ、お魚グリルを作っていたのですが、お魚グリルはあくまでも間食です。猫におやつは必要ないということもよく聞いていたので、自分のやっていることは果たして必要とされているのだろうか、という新たな疑問が湧いてきました。

そんな時、ペットのごはんのスペシャリスト「Petlife-heart」代表のフクダチトセさんとの出会いがありました。フクダさんは、これまで、ペットフードのアドバイザーやペットの看護・介護などの仕事につき、ワンちゃんネコちゃんの健康を医療面、栄養面、生活面とあらゆる面から見てこられた方です。

そのフクダさんに直接自分が抱いていた疑問をぶつけたら、とっても大切なことを教わったのです。フクダさんが仰ったのは、「こうしたらよい」という正解ではなく、もっと根本的なことでした。それは、とてもシンプルで「猫ちゃんの健康に良く、且つ、楽しむこと!」

そうです、私は「健康」については考えていましたが、「楽しむこと」を忘れていたのです。

今では数多くのフードをローテーションしながら、お留守番をしたときや、とんでもなくかわいい仕草でおねだりされた時、そして私が晩酌をする時にオルカにもお魚グリルをトッピングしてあげています。そして、オルカとコミュニケーションを取りながら、健康で喜んでくれるゴハン選びを楽しんでいます。飽き性のオルカも、いろいろな味が食べられるので、喜んで食べてくれるようになりました。

(お魚ほしさに精一杯の可愛さをアピールするオルカさん)

基本となるフード選び方についても フクダさんからアドバイスをいただき、これまでのモヤモヤがスッキリしました。

ああ、もっと早くフクダさんに相談できていたら。

もし、今、同じような思いをしている飼い主さんがいたら、きっと直接専門家に相談することで、悩みや不安が解消されるのではないかと思い企画したのが「キャットフードなるほど納得座談会」です。

5月22日、第1回目をCAT’S INN TOKYOで開催した時の様子

「猫ちゃんのごはんをもっと楽しく健康に!」をテーマに、食を楽しむという考え方から、猫の特性と健康、食の趣向について、そして、フードの中身を知っていただくものでした。不安や迷いは知らないから生まれてくる。それならば、きちんと情報を得ることで、楽しみながら猫ちゃんのフード選びができると思うのです。

今回のイベントは~基本編~でしたが、専門的な知識を少し知っていただき、更にそれぞれの飼い主さんがお持ちの疑問や悩みに直接応えていただきました。

質問タイムは熱が入ります!

そして、このイベントは少しでも保護猫カフェさんの支援につながるようにと、今回はCAT’S INN TOKYOさんに協力いただき開催。

(ヒトがちゃんと猫学を理解するよう監視するお猫さまたち)

イベント会場ではなく、保護猫カフェさんに足を運んでいただくことで、開催場所の保護猫カフェさんを知ってもらえたり、また遊びに行こうと思ってもらえたらよいなと思っています。

そして、猫たちだけでなく、来てくださった参加者の方にも美味しいものをと、高知県から「人ごはん」をお土産として持参しました。

~おしにゃがき~
・鰹の藁焼きタタキ 海のミネラルたっぷりの心平塩で
・高知の美味しい野菜や海の幸で握った田舎寿司
・四万十源流の地が育てたみずみずしいフルーツトマト
・お米を食べて育った四万十ポークの旨味たっぷりハム
・今が旬 ワタまで美味しい爽やかな小夏
・無農薬栽培の生姜とキビトウを使ったジンジャーシロップソーダ 柚子の香り

1時間半の座談会でしたが、あっという間で、なかなか話も尽きないようでした。そして、何よりうれしかったのが、参加者の皆さまが、とっても楽しそうに一緒に帰って行かれたことです。皆さまお1人で参加をされていましたが、帰るころには打ち解けられたようで、これも少人数の座談会の良さでもあるのかなと思いました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

そして、ヤイカファクトリーでは、これからも飼い主さんたちのお悩みに直接専門家がお答えしたり、猫ごはん仲間を作る会なんてものを保護猫カフェさんで行っていきたいと思います。

開催をご希望される保護猫カフェのオーナー様、いらっしゃいましたらぜひお声掛けください!

「キャットフードなるほど納得座談会」の第2回は8月に開催の予定です。お楽しみに!

紆余曲折はあるものの、今こうして矢井賀で猫のおやつを作り、多くの出会いがあるのも、元を正すとオルカのオヤジっぷりのおかげ。何もなければそのままずっと東京で暮らしていたことでしょう。今後はオルカだけでなく、多くの飼い主さんや猫さんのためになれたらうれしいです。

 

このコラムのアーカイブ記事はこちらから→ 著者:Yaika factory代表・井川愛

6月に入り、高知も梅雨入りしたようですが、今年は昨年に比べ気温が低め。
海の温度も低いみたいですが・・・

相変わらずきれいな矢井賀の海。眺めるだけでテンションあがります!

そして、最近のオルカさんといえば

(昨夜は飲み過ぎたのかしら・・・だらしない)

ひどいおやじっぷり。
8歳のオルカさんは人間でいうと立派な中年オヤジ。

ますます好き嫌いをはっきり主張するワガママおやじ猫になり、それはまるで漫画「美味しんぼ」の、海原雄山のような面倒くささです。

特にゴハンの選り好みが激しく、これまでも本当に苦労しました。

思い返せば3年前の6月、オルカの糖尿病が発覚。猫の糖尿病専門の先生は、食べ過ぎが原因ではないし、インスリンを打っているのだから、好きなものを食べさせてあげたら?と言ってくれたのですが、心のどこかで、これまで「私がしっかりフードを選んでこなかったせいで病気になったのではないか」という罪の意識が拭えずにいました。

そして、当時の私は、オルカにどんなゴハンをあげれば「健康になるか」と必死で探しまわり、「身体に良い」という口コミや広告を見ては、片っ端からあらゆるフードを試しました。

ところが、私が必死になればなるほどオルカは食が細くなり、食べることを諦める日もありました。そしてついに、食べたくないとフードを残した日に、低血糖を起こしてしまったのです。
目を開いて、鳴いて訴えかけるオルカ。でも身体を起こすことができず、体温も冷たくなっていました。

やってしまった…。
どうしよう。オルカが死んでしまう…。

動揺した私は震える手で、常備していたぶどう糖液をオルカの口に流し込み、身体を毛布でくるんですぐに病院へ。気が付いたのが早かったので、特に処置することもなく、そのまま様子を見るように言われ、家に着くころには立ち上がって歩けるようになっていました。

なんてことをしてしまったのだろう。
オルカを抱きしめ「ごめんね、ごめんね」と繰り返しました。

「健康のため」と言いながら、私は自分が「食べさせたい」ものを無理にオルカに与えていたのです。

その日以降、「食」は命に直結しているからこそ、フード選びにより一層慎重になり、フードの中身は何でできているのか、と細かいところにまで疑問を持つようになりました。そして調べれば調べるほど、素材が良いもの、安心して与えられるものをオルカに食べさせたいと思うようになり、高知県に移住をして、ヤイカファクトリーを立ち上げることになったのです。

私はオルカに、より自然なものを食べさせたいという想いでプロジェクトを立ち上げ、お魚グリルを作っていたのですが、お魚グリルはあくまでも間食です。猫におやつは必要ないということもよく聞いていたので、自分のやっていることは果たして必要とされているのだろうか、という新たな疑問が湧いてきました。

そんな時、ペットのごはんのスペシャリスト「Petlife-heart」代表のフクダチトセさんとの出会いがありました。フクダさんは、これまで、ペットフードのアドバイザーやペットの看護・介護などの仕事につき、ワンちゃんネコちゃんの健康を医療面、栄養面、生活面とあらゆる面から見てこられた方です。

そのフクダさんに直接自分が抱いていた疑問をぶつけたら、とっても大切なことを教わったのです。フクダさんが仰ったのは、「こうしたらよい」という正解ではなく、もっと根本的なことでした。それは、とてもシンプルで「猫ちゃんの健康に良く、且つ、楽しむこと!」

そうです、私は「健康」については考えていましたが、「楽しむこと」を忘れていたのです。

今では数多くのフードをローテーションしながら、お留守番をしたときや、とんでもなくかわいい仕草でおねだりされた時、そして私が晩酌をする時にオルカにもお魚グリルをトッピングしてあげています。そして、オルカとコミュニケーションを取りながら、健康で喜んでくれるゴハン選びを楽しんでいます。飽き性のオルカも、いろいろな味が食べられるので、喜んで食べてくれるようになりました。

(お魚ほしさに精一杯の可愛さをアピールするオルカさん)

基本となるフード選び方についても フクダさんからアドバイスをいただき、これまでのモヤモヤがスッキリしました。

ああ、もっと早くフクダさんに相談できていたら。

もし、今、同じような思いをしている飼い主さんがいたら、きっと直接専門家に相談することで、悩みや不安が解消されるのではないかと思い企画したのが「キャットフードなるほど納得座談会」です。

5月22日、第1回目をCAT’S INN TOKYOで開催した時の様子

「猫ちゃんのごはんをもっと楽しく健康に!」をテーマに、食を楽しむという考え方から、猫の特性と健康、食の趣向について、そして、フードの中身を知っていただくものでした。不安や迷いは知らないから生まれてくる。それならば、きちんと情報を得ることで、楽しみながら猫ちゃんのフード選びができると思うのです。

今回のイベントは~基本編~でしたが、専門的な知識を少し知っていただき、更にそれぞれの飼い主さんがお持ちの疑問や悩みに直接応えていただきました。

質問タイムは熱が入ります!

そして、このイベントは少しでも保護猫カフェさんの支援につながるようにと、今回はCAT’S INN TOKYOさんに協力いただき開催。

(ヒトがちゃんと猫学を理解するよう監視するお猫さまたち)

イベント会場ではなく、保護猫カフェさんに足を運んでいただくことで、開催場所の保護猫カフェさんを知ってもらえたり、また遊びに行こうと思ってもらえたらよいなと思っています。

そして、猫たちだけでなく、来てくださった参加者の方にも美味しいものをと、高知県から「人ごはん」をお土産として持参しました。

~おしにゃがき~
・鰹の藁焼きタタキ 海のミネラルたっぷりの心平塩で
・高知の美味しい野菜や海の幸で握った田舎寿司
・四万十源流の地が育てたみずみずしいフルーツトマト
・お米を食べて育った四万十ポークの旨味たっぷりハム
・今が旬 ワタまで美味しい爽やかな小夏
・無農薬栽培の生姜とキビトウを使ったジンジャーシロップソーダ 柚子の香り

1時間半の座談会でしたが、あっという間で、なかなか話も尽きないようでした。そして、何よりうれしかったのが、参加者の皆さまが、とっても楽しそうに一緒に帰って行かれたことです。皆さまお1人で参加をされていましたが、帰るころには打ち解けられたようで、これも少人数の座談会の良さでもあるのかなと思いました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

そして、ヤイカファクトリーでは、これからも飼い主さんたちのお悩みに直接専門家がお答えしたり、猫ごはん仲間を作る会なんてものを保護猫カフェさんで行っていきたいと思います。

開催をご希望される保護猫カフェのオーナー様、いらっしゃいましたらぜひお声掛けください!

「キャットフードなるほど納得座談会」の第2回は8月に開催の予定です。お楽しみに!

紆余曲折はあるものの、今こうして矢井賀で猫のおやつを作り、多くの出会いがあるのも、元を正すとオルカのオヤジっぷりのおかげ。何もなければそのままずっと東京で暮らしていたことでしょう。今後はオルカだけでなく、多くの飼い主さんや猫さんのためになれたらうれしいです。

 

このコラムのアーカイブ記事はこちらから→ 著者:Yaika factory代表・井川愛