埼玉県富士見市で活動を続ける富士見さくらねこ応援団に、この1年間密着させていただいてます。その活動内容の一部をご紹介しましょう。

富士見さくらねこ応援団は数人の友人同士で活動する小さなグループです。完全なボランティア活動であり、主な活動内容はTNRです。TNRとは野良猫を捕獲して(Trap)、不妊・去勢手術を行い(Neuter)、元の場所に返す(Return)活動のことを言います。よく誤解されがちですが、保護することが目的ではありません。繁殖制限を行ってその地域住民にご理解をお願いし、一代限りの命を見守っていただくのが主な目的なのです。とはいえ保護せざるを得ないケースは多々あり、代表の自宅が保護猫であふれかえることもしばしばです。

ある日の早朝、とある民家の庭先にて。

こちらのお宅では猫にご飯をあげてかわいがっているのですが、不妊手術は行っていませんでした。代表の元に相談があり、この日一斉にTNRを行うことになったのです。

すぐ入ってくれる猫もいれば、本当に用心深い猫もいます。根比べです。

猫ってほんとに賢いのです。一度は踏み板を静かにまたぐ用心深さです。

この日は合計8匹が捕獲器に入ってくれました。このあとすぐに病院に運んで手術をしてもらいます。野良猫の不妊手術に慣れた、理解ある病院の存在もTNR活動における重要なポイントです。

**

メス猫の手術でも、こんなに小さな傷口しか残しません。これにより体への負担が少なく、翌日のリターンが可能になるのです。

手術が済んでいることの目印として耳カットを行います。麻酔中に行うので痛みなどはありません。

もしも街中などで耳カットのある猫を見かけたら、その猫を気にかけている人がいるということです。一代限りの命を温かく見守ってあげてくださいね。

**

そして翌日のリターンです。

元気に飛び出していきます。道路に向けないなどの注意が必要です。

**

猫にまつわるトラブルは後を絶ちませんが、そもそも猫が悪いのではなく猫を取り巻く人間同士のトラブルがほとんどです。猫は、とばっちりを受けているに過ぎないのだと、見ていてつくづく思います。猫を増やさないための活動が、猫嫌いの人にもメリットがあることをご理解いただかなければいけません。だからこそ、人との接し方がこの活動をする上で重要なポイントになるように思います。

この1年で富士見さくらねこ応援団がTNRを行った猫の頭数は約200頭。その手術費用はどこから出ているのでしょうか。手術費用を仮に1頭5千円とすると、年間200頭で100万円になります(※手術費用は病院によってまちまちです)。自腹ではとてもやっていけない金額です。

団体が利用しているのは「どうぶつ基金」のさくらねこ無料不妊手術事業のチケットです。審査がありますが、個人でも申請することができます。2017年度からは、埼玉県富士見市の行政がチケットの申請を行ってくれるようになりました。この行政枠は個人が申請する一般枠に比べていくつかのメリットがあり、何よりも行政がバックアップしているという心強さがあります。これも昨年から、団体が自治体に働きかけてきた実績です。

この1年間、富士見さくらねこ応援団は以下の様な活動を続けてきました。

・TNRの活動現場・・・約20カ所
・手術頭数約・・・200頭
・保護、譲渡数・・・約100頭
・里親会・・・6回
・写真展・パネル貸出・・・約10回

つまり現場の活動と啓蒙活動です。1年間活動を見てきて思うのは、猫の現場って本当にきりがないなあということです。TNRをやってもやっても、次の現場の相談がひっきりなしに入ってきます。本当にこの活動は成果を上げているのかと疑問に思えたりもします。でも国や県の統計資料では殺処分の数は着実に減っています。

2016年に行われた譲渡会の様子

いつの日か、富士見市から野良猫がいなくなることが目標です。すべての猫が家族の一員として幸せな生活を送っていること。10年後にはそうなっているといいなあと思います。

「さくらねこ活動写真展2017」も5月14日(日)まで開催中です。
埼玉県富士見市中央図書館(※月曜休館)にて。

 

著者:ねこたろう

 

埼玉県富士見市で活動を続ける富士見さくらねこ応援団に、この1年間密着させていただいてます。その活動内容の一部をご紹介しましょう。

富士見さくらねこ応援団は数人の友人同士で活動する小さなグループです。完全なボランティア活動であり、主な活動内容はTNRです。TNRとは野良猫を捕獲して(Trap)、不妊・去勢手術を行い(Neuter)、元の場所に返す(Return)活動のことを言います。よく誤解されがちですが、保護することが目的ではありません。繁殖制限を行ってその地域住民にご理解をお願いし、一代限りの命を見守っていただくのが主な目的なのです。とはいえ保護せざるを得ないケースは多々あり、代表の自宅が保護猫であふれかえることもしばしばです。

ある日の早朝、とある民家の庭先にて。

こちらのお宅では猫にご飯をあげてかわいがっているのですが、不妊手術は行っていませんでした。代表の元に相談があり、この日一斉にTNRを行うことになったのです。

すぐ入ってくれる猫もいれば、本当に用心深い猫もいます。根比べです。

猫ってほんとに賢いのです。一度は踏み板を静かにまたぐ用心深さです。

この日は合計8匹が捕獲器に入ってくれました。このあとすぐに病院に運んで手術をしてもらいます。野良猫の不妊手術に慣れた、理解ある病院の存在もTNR活動における重要なポイントです。

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メス猫の手術でも、こんなに小さな傷口しか残しません。これにより体への負担が少なく、翌日のリターンが可能になるのです。

手術が済んでいることの目印として耳カットを行います。麻酔中に行うので痛みなどはありません。

もしも街中などで耳カットのある猫を見かけたら、その猫を気にかけている人がいるということです。一代限りの命を温かく見守ってあげてくださいね。

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そして翌日のリターンです。

元気に飛び出していきます。道路に向けないなどの注意が必要です。

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猫にまつわるトラブルは後を絶ちませんが、そもそも猫が悪いのではなく猫を取り巻く人間同士のトラブルがほとんどです。猫は、とばっちりを受けているに過ぎないのだと、見ていてつくづく思います。猫を増やさないための活動が、猫嫌いの人にもメリットがあることをご理解いただかなければいけません。だからこそ、人との接し方がこの活動をする上で重要なポイントになるように思います。

この1年で富士見さくらねこ応援団がTNRを行った猫の頭数は約200頭。その手術費用はどこから出ているのでしょうか。手術費用を仮に1頭5千円とすると、年間200頭で100万円になります(※手術費用は病院によってまちまちです)。自腹ではとてもやっていけない金額です。

団体が利用しているのは「どうぶつ基金」のさくらねこ無料不妊手術事業のチケットです。審査がありますが、個人でも申請することができます。2017年度からは、埼玉県富士見市の行政がチケットの申請を行ってくれるようになりました。この行政枠は個人が申請する一般枠に比べていくつかのメリットがあり、何よりも行政がバックアップしているという心強さがあります。これも昨年から、団体が自治体に働きかけてきた実績です。

この1年間、富士見さくらねこ応援団は以下の様な活動を続けてきました。

・TNRの活動現場・・・約20カ所
・手術頭数約・・・200頭
・保護、譲渡数・・・約100頭
・里親会・・・6回
・写真展・パネル貸出・・・約10回

つまり現場の活動と啓蒙活動です。1年間活動を見てきて思うのは、猫の現場って本当にきりがないなあということです。TNRをやってもやっても、次の現場の相談がひっきりなしに入ってきます。本当にこの活動は成果を上げているのかと疑問に思えたりもします。でも国や県の統計資料では殺処分の数は着実に減っています。

2016年に行われた譲渡会の様子

いつの日か、富士見市から野良猫がいなくなることが目標です。すべての猫が家族の一員として幸せな生活を送っていること。10年後にはそうなっているといいなあと思います。

「さくらねこ活動写真展2017」も5月14日(日)まで開催中です。
埼玉県富士見市中央図書館(※月曜休館)にて。

 

著者:ねこたろう