こんにちは。
岩手県盛岡市にて保護猫カフェを運営していますNPO法人もりねこです。
さてさて、盛岡で保護猫カフェもりねこを始めてから4年目になりました。最近は保護猫カフェのお仕事について興味を持ってくれる子どもたちも増えてきたようで、今年は夏休みの自由研究や課題でもりねこに取材に来てくれるお子さまがたくさんいらっしゃいました。
筆者が子どものころなんて、保護猫カフェはもちろんのこと、室内で猫を飼っているおうちすらあまりなかったような時代。実家では猫が飼えない環境だったので、近所の野良猫ウォッチングをするのがささやかな楽しみでした。当時は可愛いなぁ〜なんてのん気に楽しむばかりで、野良猫の問題なんて考えたこともありませんでしたが…。
そんなわけで、最近の子どもたちは小学生のころからしっかりいろんなことを学んでくれて、素晴らしいなぁと感心するばかりです。未来を担う子どもたちに、猫も人も幸せになるための取り組みを伝えられることはすごくすごく価値のあることだと思いますし、とても嬉しく感じています。
もりねこへ取材にやって来る子どもたちの中には、将来このようなお仕事を希望している子も多く「保護猫カフェをやるにはどうしたらいいですか?」という質問をしてくれます。
どんな資格がいるの?
どんな勉強をしたらいいの?
お金はかかるの?
大変なことは?
実は私自身、初めて猫と暮らしたのが結婚してからなんです。自分が今こんな仕事をするようになるなんて、考えたこともありませんでした。
猫は大好きでしたが職業にしようと思ったことはなかったし、自分に何かができると思ったこともなく、普通の高校へ通い、普通の大学を出て、一般事務のお仕事に就くという、ごくごく平凡な人生を歩んできたのです。もちろんお金持ちなわけでもなかったので、猫カフェを始めることになってからは、アルバイトをして開店資金を貯めました。
特別な勉強をしなくても、特殊な経験がなくても、たくさんのお金がなくても(作るだけなら軽自動車1台分の予算でできますとお答えしています)、誰でも保護猫カフェをやることはできるのです!
保護猫カフェを始めるのに最も必要なこと
そうは言っても、なかなかできることじゃないと思われる方も多いと思います。筆者がもりねこを始めるにあたって、一番必要だったなと感じていることは何でしょう?
今になって思えば、保護猫カフェをやるという「覚悟」だったんじゃないかなと思います。
お店を開店するだけなら誰でもできます。
でも、それを続けていくことはとっても大変。
命を扱うわけですので、お金がなくなったり嫌になったからといって、「もう明日から辞めます」ということはできないのです。
お客さまが来なかったら?
猫がもらわれなかったら?
猫が病気になったら?
お店にクレームがきたら?
お金がなくなったら?
いいことばかりではなく、やっぱり悪いことだっていろいろあります。
賛否両論というように、賛同してくれる人がいればそうでない人だってたくさんいます。
もし続けられなくなっても、猫たちを路頭に迷わせるわけにはいきません。
そういうさまざまなことも全部ひっくるめて、自分の責任で受け止めてやっていこうという覚悟と、幾多の不安はあれどもそれでもやりたいという気持ちが勝ったからこそ、始められたことなのかなぁと思っています。
保護猫カフェをやってみてどうですか?と聞かれることもたびたびあります。
やってみた感想は・・・それはそれはとっても楽しいです。何があっても、自分がやりたいと思ったこと(筆者の場合は大好きな猫たちを幸せにして自分自身も幸せになること)を好きなように好きなだけできるんですから、これ以上幸せなことはありません。
とはいえ、もりねこもまだまだ吹けば飛んでしまうような未熟な団体です。目下の課題は、いつ何が起こっても、いつ代表が倒れても、揺らぐことなく継続していける組織作り。日々、そういった猫以外のことにも奔走しています。
偉そうなことを言える立場ではありませんが、保護猫カフェのお仕事に興味を持っている皆さまはぜひ参考にしてみてくださいね。
もりねこについて
もりねこは、盛岡市の中心地にある保護猫カフェです。保健所などから保護された猫たちに新しいおうちを探すためのスペースとして、時間制の開放型猫カフェスタイルをとっています。ゆったりと入居猫たちと触れ合うことができ、猫たちがのびのびと遊ぶ姿を間近で見られるのが特長です。猫をお迎えしたい里親希望の方々も、じっくりと家族になる猫ちゃんを選ぶことができます。それぞれの事情でもりねこに来た猫たちが、新しいおうちに1日でも早く迎えられ、愛情をいっぱい受けて幸せになりますよう、スタッフ一同願いつつ日々活動しております。