品川にある保護猫カフェ「Meooow!(ミャーーーオ!)」のしお君をご紹介しましょう。しお君は全盲です。小さい頃の猫風邪が原因で両目とも光を失いました。
全盲と聞いて今、しお君をかわいそうだと思った方、ぜひミャーーーオに行ってしお君に会ってみてほしいと心から思います、なぜならば。
そんな「かわいそう」という感情がなんの意味もないことを思い知るでしょう。それほど普通に、他の猫と変わらずにしお君は過ごしているのです。それはとっても心地よい衝撃でした。猫の「普通」って結構大変です。あれだけの身体能力を持っているのですから。でもしお君はいたって普通なのです。
このくらいの段差なんて、しお君にとってはなんの障害にもなりません。ひょいひょいとまるで見えているように難なく乗ったり降りたりを繰り返します。
人懐っこく、ひざにも登ってくるし、
70〜80cmある机にも、飛び乗ってはひょいと飛び降ります、なんの躊躇もなく。もっと高いところから飛び降りることもあるそうです。店員さんにどーんと当たってびっくりすることもあるのだとか。
おもちゃも大好きです。
シャカシャカっと音を出すと突進してきます。カメラにも体当たりです。君は恐怖心というものがないのかい?と思ってしまいます。
部屋のレイアウトはすべて記憶しているようで、それはおそらく床の配置だけでなく上下の高さも含めてのことなのでしょう。凄いとしか言いようがありません。しお君とすごしていると驚きの連続でした。
猫ってすごいなあと改めて思います。目が見えなくても、例えば足が1本くらいなくてもあるがままを受け入れて普通に生活できるのですから。その姿がどれほどのものを人に与えてくれるのか計り知れません。
帰り際、入り口のところでお見送りしてくれました。じっと見つめられます。帰りたくなくなっちゃいますね。
「また会いにくるからね〜」とご挨拶。
「ミャーーーオ!」の猫たちは、山梨のNPO法人リトルキャッツからやってきます。やっぱり人懐っこい子がいっぱいです。
保護する猫が増えれば増えるほど障害をもつ子が出てくるのは必然です。でもリトルキャッツ代表のYuuさんの言葉を借りれば「どの子にも幸せになる権利はあるはず」。
里親になろうと思った時に、人間のほうが猫を選ぶなんておこがましいとさえ思いますね。やっぱり相性は大事で、猫に選んでもらえるような人間になりたいと思うのです。
保護猫カフェ『Meooow!(ミャーーーオ!)』は品川区荏原の住宅街の中にあります。東急池上線「戸越銀座」駅より徒歩約8分。アクセス情報はこちらです。
著者:ねこたろう