岩手県盛岡市の中心部で保護猫カフェを運営しておりますNPO法人もりねこです。
もりねこにいる猫たちは皆、保健所などから保護されて新しい飼い主さんを待っている猫たちです。
のびのびと過ごしている彼らにも、それなりの過去があります。今度こそ、終生可愛がってくれる飼い主さまに繋げるのがもりねこの役割だと考えております。
さて、市中心部という好立地にあるということはもりねこの強みでありますが、悩みもあります。それはスペースに限りがあるということ。
テナントビルの1フロアを借りての営業ですので、隔離スペースの確保が難しく、FIV(猫エイズ)やFeLV(猫白血病)に感染しているキャリア猫たちの受け入れにはどうしても限界があります。
そこで、同ビルの5階にハンディ猫たちのためのシェルター「もりねこプラス タイコウクロノーブキャットシェルター」をオープン!
一般の方にも開放しているFIVキャリアの猫たちが過ごす専用ルームでは、現在11頭の猫たちが新しい家族のお迎えを待っております。
ガラス越しにご覧いただけるケアルーム。こちらには排泄のコントロールに問題があるアナちゃんや先天的に後足が途中から欠損している
やきいもちゃんが暮らしています。もちろん、譲渡ご希望の際には実際に触れ合っていただくことができます。
スペースが増えた!と喜んだものの、風邪などの感染症の子を隔離する部屋も欲しい、出産したばかりの親子が保護された際も隔離する必要がある…と考えると、やっぱりスペースが足りません。
一番の難題がFeLVキャリアの子の保護でした。スペースの限られたもりねこでは、他の子への感染を防ぐため、どうしてもケージでの飼育をせざるを得ません。なかなかのびのびとさせてあげられないのが悩みの種でした。
おびえてトイレにこもるトリュフちゃんも、FeLVキャリアであるため、フリーにできませんでした。
そんなとき、FeLVキャリアの猫たちを預かる「預かりボランティア」に手をあげてくださった方がいました!人馴れしているナナちゃんと、全然馴れていないトリュフちゃんの2匹を預かってくださるというのです。
ナナちゃんはともかく、トリュフちゃんは大丈夫かな?と若干の心配はありましたが、馴れていなくても大丈夫、とおっしゃっていただき、2匹をお預けすることにいたしました。
トリュフちゃんは現在、ケージから出ておうちの中を自由に過ごしております。まだまだ人には馴れないそうですが、環境には馴染んでリラックスした姿も見られるようになりました。
ナナちゃんとはすっかり仲良くなり、追いかけっこをしたりしているそうです。
ナナちゃんも楽しく暮らしております。
発症すると予後が悪いFeLVですが、発症するまで普通のおうち猫としての暮らしを楽しんでくれれば、と思います。キャリアのトリュフちゃんとナナちゃんにチャンスを与えてくれた預かりボランティアさんには感謝の言葉もございません。
ご自身の年齢を考えると今から猫を飼うのは…とか、今後家庭環境が変わるかもしれないし…と猫を飼うことを躊躇している方は、ぜひ預かりボランティアを検討してみてはいかがでしょうか。預かりボランティアさんが増えると、殺処分を免れることができる猫たちが増えるはずです。
もりねこでは随時預かりボランティアさんを募集しておりますので、興味を持たれた方はお問合せください。
もりねこの預かりボランティア制度は、猫たちのための制度です。可愛い健康な猫たちにはすぐに新しい家族が見つかります。預かりをお願いするのは、なかなか新しいおうちが見つけにくい猫たちです。ご自身が預かりたい猫を預かる制度ではありませんのでご注意ください。また、預かりをお願いする猫がいない場合もあります。その点もご了承くださいませ。
多少のハンディがあっても、猫はとてもかわいく、そんな猫との暮らしは楽しいものです。ぜひ預かりボランティアも検討してみてくださいね。
また、数時間おきの哺乳が必要な乳飲み子を預かって育てる「ミルクボランティア」さんも募集しております。夜中でも2〜3時間おきに起きて哺乳の必要がありますので大変ですが、その分やりがいのあるボランティアです。こちらもぜひご検討いただけると幸いです。
著者:もりねこ