西日本豪雨の被害に遭われた地域の皆さまへ心からお見舞いを申し上げると共に、1日も早く皆さまへ笑顔が戻りますよう、心から祈っております。悲しい情報も目にしますが、猫をはじめとしたペットや家畜が避難できていることも切に願っています。
悲しい思いを少しでも軽減するために、災害で愛猫を守るためにできることを過去の災害地支援活動における経験則から整理してみました。
猫の防災用品と備え
■キャリー
避難経路は瓦礫の山かもしれないし、道路は水没しているかもしれません。背負うタイプのキャリーがあると両手が使えて安全です。日頃から出しておいて存在や入ることに慣れさせるといざという時によりスムーズです。避難中に恐怖で粗相することも多いので、ソフトタイプよりハードタイプが安全でお手入れも簡単です。頭数分用意します。
■洗濯ネット
猫はパニックを起こしやすく、犬と違ってリードでの避難は難しいです。洗濯ネットに入れてからキャリーに入れると落ち着いてくれます。洗濯ネットは四角くて一番大きなサイズが使いやすいです。網目は大きなものの方が猫の様子がわかり、便利です。網目の大きな洗濯ネットは診察もしやすく、爪切りやシャンプーの時にも活躍してくれます。普段ゴロスリ猫さんでも、緊迫すると扱いが難しくなることも多々見られますので、こちらも頭数分必要です。
■ハーネス
臆病な性格の猫には難しいですし嫌がる猫がほとんどですが、これも慣らしておくと避難生活もかなり改善されます。キャリーがない!という時にもハーネスを付けてバッグに入れるということもできます。慣れれば繋いでおくことも可能です。
■ケージ
避難先で猫のストレスをなるべく軽減するために、トイレやベッドが入るケージが必要です。車で避難できる場合は二段ケージなどの広いものが理想ですが、徒歩での避難には小さく折り畳めるポータブルタイプのものがお勧めです(ただし、避難生活が長期にわたる場合は二段〜三段ケージを調達する必要があります)。
■トイレ
折りたたみのポータブルトイレが販売されていますが、100均の洗いかごや箱などでも代用できます。避難先ではシステムトイレよりもシンプルな普通のトイレがいいです。トイレ用の砂が手に入らないときは、新聞紙や古雑誌を細かく裂いたもの、ティッシュなどを入れてあげると良いです。トイレットペーパーは溶けてしまうので猫トイレには向きません。
■食器・水飲み
割れないステンレス製のものを用意するといいでしょう。洗えないときでも拭えばきれいになりますので衛生的です。避難時の負担にならないよう、あまり重量のない薄手のタイプが良いと思います。
■水
水道水が手に入らないときは、ミネラル分の少ない軟水のボトル飲料水を与えます。硬水(evian、Contrexなど)はミネラルが多いので、非常事態を除いて避ける方が安心と思います。
■フード
ドライフードやパウチをある程度用意しておきましょう。缶詰でもいいのですが、パウチの方が軽くてパッケージも処分もしやすいです。
避難所での声に、「うちの子のご飯がない」というものがありました。物資はそれなりに潤沢に届く場合でも、ペットフードの種類は選べないことが多いです。また、ペットフード自体が手に入らないこともあるでしょう。そういった対策として、当店では日ごろから「何でも食べられるお腹」にするようにしています。固定で同じものを与えていると、それしか食べなくなったり、他のものを食べるとお腹を壊したりするので、いろんな種類のフードを取っ替え引っ替え与え、同じものが続かないようにするのです。
猫用のもの以外に、お肉やお魚をグリルしたもの、お刺身なども与えています。また、避難中は不規則な生活になります。いつもの時間にご飯がないとそれもストレスとなるので、普段から固定の時間で与えないようにするのも手です。
もしも災害が起こったら
一緒に連れて行くことが基本です。「すぐに戻れる」と思い、永遠の別れとなった被災者さんが大勢います。人間とペットが同室で避難できるところはまだまだ少ないので、平常時から猫と一緒に滞在できる避難先をリサーチしておくことも大事です。東日本大震災では、避難所になっていた学校にワンちゃんと一緒に避難したものの、ワンちゃんが校舎内に入れてもらえず、学校敷地内の柱に繋いでいたところ、津波が来て助からなかったという事例もありました。
猫の場合、地震では驚いてパニックを起こし、家の外に飛び出してしまった例が多く見られました。一緒に避難しようにも見つからなかった…という相談をいくつも受けました。地震、水害、その他、災害の種類によって対処法は変わりますが、室内に閉じ込められてしまったら、危険が迫っても逃げることができなくなります。
猫が見つからず置いて避難する場合は、最悪猫が自力で逃げられるよう、窓を開けておくなどどこか出入り口を作ってあげることが重要です。すぐに戻れるかわからないので、ご飯と水もたっぷり置いてきましょう。そして玄関に「猫がいます」と張り紙をし、いざというときに保護団体などに助けてもらえるようにします。
津波や水害の場合はとにかく一緒に逃げることが肝心と思いますので、猫が暴れないよう必ず洗濯ネットに入れて連れ出してください。
猫にケージは不要と思う方も多いと思いますが、避難先で猫に最も必要なものがケージです。長期になることも予測されますから、フラットケージではなく、二段三段のゆったりしたタイプを使ってあげたいもの。みんながケージを保有していれば、普段出番のないケージを被災地に送る…ということもできますし、被災者の方の生活が安定するまで猫を預かる時にもケージは活躍します。
ぜひこの機会にご家族で猫の安全対策を立ててみてください。また、併せて被災地のペットを預かるボランティアもご検討ください。
【写真協力】
猫の診療室モモ http://momoneco.com/
猫壱 https://www.necoichi.co.jp/
Yaika factory https://yaikacat.com/
かきもち処はやしや https://www.facebook.com/hayashiya8848/
わんにゃんレスキュー隊(仮)→CAT’S INN TOKYOの前身です。
西日本豪雨の被害に遭われた地域の皆さまへ心からお見舞いを申し上げると共に、1日も早く皆さまへ笑顔が戻りますよう、心から祈っております。悲しい情報も目にしますが、猫をはじめとしたペットや家畜が避難できていることも切に願っています。
悲しい思いを少しでも軽減するために、災害で愛猫を守るためにできることを過去の災害地支援活動における経験則から整理してみました。
猫の防災用品と備え
■キャリー
避難経路は瓦礫の山かもしれないし、道路は水没しているかもしれません。背負うタイプのキャリーがあると両手が使えて安全です。日頃から出しておいて存在や入ることに慣れさせるといざという時によりスムーズです。避難中に恐怖で粗相することも多いので、ソフトタイプよりハードタイプが安全でお手入れも簡単です。頭数分用意します。
■洗濯ネット
猫はパニックを起こしやすく、犬と違ってリードでの避難は難しいです。洗濯ネットに入れてからキャリーに入れると落ち着いてくれます。洗濯ネットは四角くて一番大きなサイズが使いやすいです。網目は大きなものの方が猫の様子がわかり、便利です。網目の大きな洗濯ネットは診察もしやすく、爪切りやシャンプーの時にも活躍してくれます。普段ゴロスリ猫さんでも、緊迫すると扱いが難しくなることも多々見られますので、こちらも頭数分必要です。
■ハーネス
臆病な性格の猫には難しいですし嫌がる猫がほとんどですが、これも慣らしておくと避難生活もかなり改善されます。キャリーがない!という時にもハーネスを付けてバッグに入れるということもできます。慣れれば繋いでおくことも可能です。
■ケージ
避難先で猫のストレスをなるべく軽減するために、トイレやベッドが入るケージが必要です。車で避難できる場合は二段ケージなどの広いものが理想ですが、徒歩での避難には小さく折り畳めるポータブルタイプのものがお勧めです(ただし、避難生活が長期にわたる場合は二段〜三段ケージを調達する必要があります)。
■トイレ
折りたたみのポータブルトイレが販売されていますが、100均の洗いかごや箱などでも代用できます。避難先ではシステムトイレよりもシンプルな普通のトイレがいいです。トイレ用の砂が手に入らないときは、新聞紙や古雑誌を細かく裂いたもの、ティッシュなどを入れてあげると良いです。トイレットペーパーは溶けてしまうので猫トイレには向きません。
■食器・水飲み
割れないステンレス製のものを用意するといいでしょう。洗えないときでも拭えばきれいになりますので衛生的です。避難時の負担にならないよう、あまり重量のない薄手のタイプが良いと思います。
■水
水道水が手に入らないときは、ミネラル分の少ない軟水のボトル飲料水を与えます。硬水(evian、Contrexなど)はミネラルが多いので、非常事態を除いて避ける方が安心と思います。
■フード
ドライフードやパウチをある程度用意しておきましょう。缶詰でもいいのですが、パウチの方が軽くてパッケージも処分もしやすいです。
避難所での声に、「うちの子のご飯がない」というものがありました。物資はそれなりに潤沢に届く場合でも、ペットフードの種類は選べないことが多いです。また、ペットフード自体が手に入らないこともあるでしょう。そういった対策として、当店では日ごろから「何でも食べられるお腹」にするようにしています。固定で同じものを与えていると、それしか食べなくなったり、他のものを食べるとお腹を壊したりするので、いろんな種類のフードを取っ替え引っ替え与え、同じものが続かないようにするのです。
猫用のもの以外に、お肉やお魚をグリルしたもの、お刺身なども与えています。また、避難中は不規則な生活になります。いつもの時間にご飯がないとそれもストレスとなるので、普段から固定の時間で与えないようにするのも手です。
もしも災害が起こったら
一緒に連れて行くことが基本です。「すぐに戻れる」と思い、永遠の別れとなった被災者さんが大勢います。人間とペットが同室で避難できるところはまだまだ少ないので、平常時から猫と一緒に滞在できる避難先をリサーチしておくことも大事です。東日本大震災では、避難所になっていた学校にワンちゃんと一緒に避難したものの、ワンちゃんが校舎内に入れてもらえず、学校敷地内の柱に繋いでいたところ、津波が来て助からなかったという事例もありました。
猫の場合、地震では驚いてパニックを起こし、家の外に飛び出してしまった例が多く見られました。一緒に避難しようにも見つからなかった…という相談をいくつも受けました。地震、水害、その他、災害の種類によって対処法は変わりますが、室内に閉じ込められてしまったら、危険が迫っても逃げることができなくなります。
猫が見つからず置いて避難する場合は、最悪猫が自力で逃げられるよう、窓を開けておくなどどこか出入り口を作ってあげることが重要です。すぐに戻れるかわからないので、ご飯と水もたっぷり置いてきましょう。そして玄関に「猫がいます」と張り紙をし、いざというときに保護団体などに助けてもらえるようにします。
津波や水害の場合はとにかく一緒に逃げることが肝心と思いますので、猫が暴れないよう必ず洗濯ネットに入れて連れ出してください。
猫にケージは不要と思う方も多いと思いますが、避難先で猫に最も必要なものがケージです。長期になることも予測されますから、フラットケージではなく、二段三段のゆったりしたタイプを使ってあげたいもの。みんながケージを保有していれば、普段出番のないケージを被災地に送る…ということもできますし、被災者の方の生活が安定するまで猫を預かる時にもケージは活躍します。
ぜひこの機会にご家族で猫の安全対策を立ててみてください。また、併せて被災地のペットを預かるボランティアもご検討ください。
【写真協力】
猫の診療室モモ http://momoneco.com/
猫壱 https://www.necoichi.co.jp/
Yaika factory https://yaikacat.com/
かきもち処はやしや https://www.facebook.com/hayashiya8848/
わんにゃんレスキュー隊(仮)→CAT’S INN TOKYOの前身です。