宿泊研修で人も猫もSOハッピー！−里親になるその前に

現在静岡でトライアル中の凸凹コンビ、ミルとカイ

ほとんどの保護団体や個人、保護猫カフェでは、猫さんの正式譲渡の前に「お試し飼育期間」を設けていると思います。大抵は１週間〜1カ月くらいのことが多いようです。里親募集型保護猫カフェの当店でも、1カ月間のトライアルを実施しています。1カ月もすると猫も人も慣れるものですが、中には「こんなはずじゃなかった…」ということもあります。

これまであった「こんなはずじゃなかった」事例としては、カフェでは猫とうまく遊べたお子さんが、おうちでは嬉しくて猫をかまいすぎてしまい、うまく共存できなかったケースや、実家ではずっと猫と暮らしていたけれど、自分で世話をするのは初めてで予想以上に大変だったとギブアップしたケースなど。

文京区でトライアル中のまる子

双方の不幸を防ぐ「人間のトライアル」

事例はどちらも猫を飼うタイミングが「今」ではなかったというだけですが、環境が大きく変わってしまう猫さんにとっては、できれば事前にわかれば行かずに済む話です。というわけで、当店では里親希望者の方に「1日里親」になっていただく宿泊研修を行っています。いわば人間のトライアルです。

1日里親のメリットは、猫たちがいつも過ごしている慣れた環境に里親希望者が滞在することで、猫の本来の姿や行動が確認できる点。環境が変わると「借りてきた猫」になってしまう猫たちも、いつも通りゴロンとしていたり、猫運動会をしてみたり、甘えてきたりしてくれます。また、ウンチをすれば臭いとか、トイレの処理が結構大変とか、猫運動会で眠れないとか、いろいろなことがわかります。

仮名「まる子」から「桜子」へ。先輩猫の龍之介ともすぐに仲良しに

猫さんを迎えるその前に！

参加者は、猫たちの1日里親として仮譲渡契約を締結。滞在中は、スタッフと一緒に猫の世話やお部屋のお掃除（猫がいる生活には清掃が欠かせないので）を行います。もちろん朝も早くから作業が始まるのでのんびり寝ていられません。でも、猫さんと暮らすということは、そういうこと。その代わり、猫さんはたくさんの癒しを与えてくれるのです。

この1日里親研修に参加し、猫と暮らすことを断念された方々もいます。理由は「自分たちには猫を迎えるのはまだ時期尚早だとわかった」「希望していた猫さんが思っていた印象と違った」など。猫さんが家に来たらすぐにトライアル生活はスタートしてしまうので、その前に擬似生活体験することは、双方にとって不幸を生まない唯一の方法だと当店では考えています。特に、猫さんを飼ったことのない方にはお勧めです。