キャットシッターが飼い主さんから最初のお打ち合わせの時にいただくご相談で一番多いのは、やはり猫のおトイレ問題です。猫のおトイレ問題については以前「猫の粗相はあなたへのメッセージ」でも詳しく書きましたが、今日は最近あった実際のケースをご紹介させていただきます。

猫が粗相を始める時は、病気の場合を除いて、猫トイレに原因があることがほとんどですが、その原因はさまざまで、まず何が原因なのかを特定するのが鍵となります。(編集部注:粗相があった場合、まずは動物病院で尿検査を受け、病気がないか確認してください。結晶・結石・膀胱炎・腎臓病などの可能性があります)

・清潔さ
・置き場所
・砂の種類
・砂の量
・トイレの種類
・トイレの大きさ
・トイレの数
・同居猫との関係性

これらすべてが原因となりえます。
飼い主さんが、理由がわからず、途方に暮れてしまわれるのも無理はありません。

飼い主さんとの初回打ち合わせの時に、必ず猫トイレも見せていただきます。その際、現在粗相という形で問題になっていなくても、将来その可能性や問題がありそうな場合、事前に改善点をこちらからお伝えします。こういったことも大切なキャットシッターの仕事です。

実際に今、粗相が起きて困っている場合は、なぜ猫がトイレを使わずにほかの場所で粗相をしてしまうのかを、飼い主さんと一緒に考えながら答えを探していきます。

最近のケースでは、突然猫トイレを放棄し、キッチンの隅でおしっこを始めた猫ちゃんがいました。何度きれいに掃除をしても、また同じ場所でおしっこをしてしまいます。飼い主さんはとうとう猫トイレを使わせることを諦め、そこにペットシートを敷いてあげるようにしました。それ以後は、キッチンの片隅のシートが猫ちゃんのおトイレになっています。

リビングに使われず放置された猫トイレをチェックしたところ、砂の量も十分できれいに掃除がされています。置き場所もリビングの片隅で、猫にとっては問題のない場所のようです。ただ、猫トイレが蓋つきのタイプでしたので、こもった臭いが気になる可能性も一つでした。

ですが、実は、飼い主さんはとても重要なことを覚えておられました。

猫ちゃんが猫トイレを使っていたころのことです。猫ちゃんはなるべく砂に足を付けないようにして、トイレのふちに足を掛けるようにして用を足していたこと、またトイレから出てきた時にしきりに脚を振って、足に着いた砂を払い落とす仕草をしていたそうです。

そこで、もう一度猫トイレの砂をじっくり観察いたしました。
木くずタイプの砂でしたが手で触ってみると、肌にチクチクと鋭く刺すような痛みがします。どうやらこの痛みが原因だったようです。猫ちゃんはチクチク脚を刺す木くずの猫砂を嫌がっていたのではないか、という結論に至りました(注:この木くず砂を気にせずに使う猫もいますので、すべての猫が嫌うというわけではありません)。

解決方法は、猫砂のタイプを変更することです。
ただし、このケースは猫砂を変えればすぐに問題解決するわけではありません。猫は、そのトイレで嫌な思いをしたことをしっかり覚えていますから、たとえ違う種類の砂に変えてあげたとしても、そのトイレにはすぐには入ろうとはしないでしょう。その場合は、トイレ自体も違うタイプにして、そして置き場所も思い切って変えてあげることが必要かもしれません。

猫の快適な生活のために一番大切なアイテムは何ですか?と聞かれたら、私は迷わず猫トイレ!と答えます。それほど、猫トイレは猫のQOL(生活の質)を左右する重要アイテムなのです。

もしも、現在猫ちゃんが粗相をしているのでしたら、そのままあきらめて放っておかずに、何が原因かを見つけてあげてください。猫と一緒に悩み、ひも解いていくことで、大切な家族である猫ちゃんのことをもっともっと深く理解することができるようになり、猫との絆も一層深まっていくのです。

次回もトイレに関する実際にあったケースをご紹介させていただきます。

キャットシッターないとうのHP: http://catsitter-naito.com/

 

著者:内藤由佳子

キャットシッターが飼い主さんから最初のお打ち合わせの時にいただくご相談で一番多いのは、やはり猫のおトイレ問題です。猫のおトイレ問題については以前「猫の粗相はあなたへのメッセージ」でも詳しく書きましたが、今日は最近あった実際のケースをご紹介させていただきます。

猫が粗相を始める時は、病気の場合を除いて、猫トイレに原因があることがほとんどですが、その原因はさまざまで、まず何が原因なのかを特定するのが鍵となります。(編集部注:粗相があった場合、まずは動物病院で尿検査を受け、病気がないか確認してください。結晶・結石・膀胱炎・腎臓病などの可能性があります)

・清潔さ
・置き場所
・砂の種類
・砂の量
・トイレの種類
・トイレの大きさ
・トイレの数
・同居猫との関係性

これらすべてが原因となりえます。
飼い主さんが、理由がわからず、途方に暮れてしまわれるのも無理はありません。

飼い主さんとの初回打ち合わせの時に、必ず猫トイレも見せていただきます。その際、現在粗相という形で問題になっていなくても、将来その可能性や問題がありそうな場合、事前に改善点をこちらからお伝えします。こういったことも大切なキャットシッターの仕事です。

実際に今、粗相が起きて困っている場合は、なぜ猫がトイレを使わずにほかの場所で粗相をしてしまうのかを、飼い主さんと一緒に考えながら答えを探していきます。

最近のケースでは、突然猫トイレを放棄し、キッチンの隅でおしっこを始めた猫ちゃんがいました。何度きれいに掃除をしても、また同じ場所でおしっこをしてしまいます。飼い主さんはとうとう猫トイレを使わせることを諦め、そこにペットシートを敷いてあげるようにしました。それ以後は、キッチンの片隅のシートが猫ちゃんのおトイレになっています。

リビングに使われず放置された猫トイレをチェックしたところ、砂の量も十分できれいに掃除がされています。置き場所もリビングの片隅で、猫にとっては問題のない場所のようです。ただ、猫トイレが蓋つきのタイプでしたので、こもった臭いが気になる可能性も一つでした。

ですが、実は、飼い主さんはとても重要なことを覚えておられました。

猫ちゃんが猫トイレを使っていたころのことです。猫ちゃんはなるべく砂に足を付けないようにして、トイレのふちに足を掛けるようにして用を足していたこと、またトイレから出てきた時にしきりに脚を振って、足に着いた砂を払い落とす仕草をしていたそうです。

そこで、もう一度猫トイレの砂をじっくり観察いたしました。
木くずタイプの砂でしたが手で触ってみると、肌にチクチクと鋭く刺すような痛みがします。どうやらこの痛みが原因だったようです。猫ちゃんはチクチク脚を刺す木くずの猫砂を嫌がっていたのではないか、という結論に至りました(注:この木くず砂を気にせずに使う猫もいますので、すべての猫が嫌うというわけではありません)。

解決方法は、猫砂のタイプを変更することです。
ただし、このケースは猫砂を変えればすぐに問題解決するわけではありません。猫は、そのトイレで嫌な思いをしたことをしっかり覚えていますから、たとえ違う種類の砂に変えてあげたとしても、そのトイレにはすぐには入ろうとはしないでしょう。その場合は、トイレ自体も違うタイプにして、そして置き場所も思い切って変えてあげることが必要かもしれません。

猫の快適な生活のために一番大切なアイテムは何ですか?と聞かれたら、私は迷わず猫トイレ!と答えます。それほど、猫トイレは猫のQOL(生活の質)を左右する重要アイテムなのです。

もしも、現在猫ちゃんが粗相をしているのでしたら、そのままあきらめて放っておかずに、何が原因かを見つけてあげてください。猫と一緒に悩み、ひも解いていくことで、大切な家族である猫ちゃんのことをもっともっと深く理解することができるようになり、猫との絆も一層深まっていくのです。

次回もトイレに関する実際にあったケースをご紹介させていただきます。

キャットシッターないとうのHP: http://catsitter-naito.com/

 

著者:内藤由佳子