横浜市青葉区にあるカフェブラン。窓際の明るい暖かい場所にソファーが置かれています。部屋のなかでもメインの特等席です。最近この場所にミチコ以外が座っているのを見たことがありません。
ミチコはいつもここに鎮座し、人が来るのを待っています。まるで罠でも仕掛けているようです。人間がそのソファーに座ろうものなら「よっしゃ、 掛かった!」と言わんばかりに膝に乗ってきます。
不思議なのは、いつも必ず人の方を向くこと。対話でもするかのように座るのです。
そして、いつまでも降りてくれません…。そう、降りてくれないのです。無理に降ろそうものなら、「ゔにゃーーーーーっ!!」とものすごい声を上げます。そのくせ、やたらとナデナデしていると、気に入らないのか、パンチを繰り出してきます。
何もせず、膝に乗せているしかないのですね。縁側のおばあちゃん状態でうとうとするしかありません。なので僕がカフェブランに行くと、たいていあのソファーには誰かがミチコを膝に乗せ、一緒にうたた寝しています。
人がいないときは、しびれを切らしてドアの前で待ち伏せすることもあります。
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ミチコはだいたい8才くらい。地域猫として暮らしていたところを保護されました。ものすごく人に慣れているので、その前はおそらく飼い猫だったのでは?とのことです。
ミチコが言葉を話せたならば、人間に言いたいことがたくさんあるでしょう。実際ミチコはよく喋ります。まあもちろん鳴き声なのですが、本当に人間に何かを訴えるように、大きな声で鳴くのです。
窓際で窓を開けろと言わんばかりに「なぁーーーなぁーーー」
尻尾とかを触ると、「触るなっ」と言わんばかりに「ゔみゃ!!」
他の猫に対しても、そこどきなさいよっと言わんばかりに「ゔしゃー!!」
時々スイッチが入ったかのように鳴き続けることもあります。
人間の言葉を理解しているのかな?と思うこともたびたびです。
ある日、ミチコが膝にのっているときにトイレに行きたくなったので、
「ミチコ降りてー、降りてちょうだい」
と言うと、しぶしぶ自分から降りてくれたことがあります。恨めしそうな顔をこっちに向けながら。
ミチコはカメラの瞳AF機能が合焦する数少ない猫でもあります。認識する条件がたまたま合うからだとは思うのですが、そうではなくて実は人間だからということにしましょう。何かを言おうとしている、何を言っているのか聞き取ってみたいなあと思いますね。
頭を撫でられるのは好きなようです。
膝から降ろされてこんなに不機嫌な顔をする、これほど感情表現の豊かな猫は見たことがありません。ミチコ専用の膝になってくれる優しい里親さんが、早く見つかるといいなあと思います。
そんなミチコに会えるカフェブランは横浜市の青葉区にあります。最寄り駅は東急田園都市線の「江田駅」です。ぜひ足を運んでみてくださいね。
著者:ねこたろう