あなたの猫ちゃん、暑い夏を上手に乗り切れていますか?
近年、夏はますます暑さが増し、猛暑になる傾向があるようです。
また、今年の夏は平年に比べて気温が高く、晴れた日は特に熱中症対策が必要とのこと。
こんなに暑い日が毎日続くと、床の上でゴロンと伸びて過ごす猫ちゃんも多いことでしょう。
毎年この時期になると、猫の飼い主さんからも「うちの猫が夏バテのようで・・・」という声を多く聞きます。
先日、シッティングのご予約でお電話をいただいた飼い主さんとお話しをしていたときのこと。
「猫が暑さでバテてしまったようで、数日前から食欲がなく元気がないのですが・・・、
夏バテでしょうし、少し様子を見ようと思っています。」と。
たしかに夏バテを起こしているケースもあるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
本当に夏バテでしょうか?
この飼い主さんのお話をよく聞けば、猫は1週間前から元気がなくなって、水は何とか飲んでいるものの食事はほとんどしておらず、体重も落ちたようで少し痩せてしまった。
そして、じっとうずくまっていることが多いとのこと・・・。
飼い主さんは、数日間は様子を見ると言われていましたが、できればすぐに病院へ行ってもらうようにお話ししました。
すると、その方は思い直して、夜間の動物病院にすぐに連れて行ってくださったのです。
そして、血液検査とレントゲン検査をして、
診察結果は「横隔膜ヘルニア」。
「横隔膜ヘルニア」の原因は様々ありますが、横隔膜が裂けて腹部の臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気です。一刻も早い手術が必要な症状です。その猫ちゃんは、外にお散歩に行く猫ちゃんでしたので、おそらく外で何らかの外傷を負ってしまったのではないか、ということでした。夏バテとは全く関係のない病気で苦しんでいたのです。
そして、あと数日様子を見ていたら、本当に命が危なかったのです。
このケースには私も大変驚きましたが、猫の不調を勝手に判断することの恐ろしさを痛感する出来事でもありました。
猫が、元気がなくなり食事をしなくなった時は、要注意です。
この暑い季節に猫の食欲が落ちると、ついつい暑さのせいかと誰でも思ってしまうものですが、夏バテと判断する前に一度病院で受診してもらうことをお勧めします。夏バテなどではなく、他の病気にかかっているかもしれないのです。
また、お部屋の中の冷房が効きすぎていて、猫が風邪をひいてしまうことも夏にはよくあります。猫は風邪をひいてしまい元気がないのですが、飼い主さんは夏バテと思いこみ、さらに冷房を強くして、症状を悪化させてしまった、ということもありました。
猫は具合が悪い時、それを隠す動物です。
私たちが猫の小さな変化にいち早く気が付いてあげることが猫の命を救うことになります。
冷たい場所に行く、普段と違う場所に隠れている、食欲がない、水をたくさん飲む、トイレの回数が多い、口呼吸する、震えている、頻繁に嘔吐する、お腹が腫れている、元気がない、などは病気の疑いがある症状です。
このような症状がある時は、早めに病院へ行きましょう。
あなたの大切な猫ちゃんを守ってあげられるのはあなただけなのです。
参考文献::「ネコ学大図鑑」東京猫医療センター院長 服部幸著
キャットシッターないとうのHP:http://catsitter-naito.com/
著者:キャットシッター 内藤由佳子
▶︎このコラムニストのアーカイブ記事
あなたの猫ちゃん、暑い夏を上手に乗り切れていますか?
近年、夏はますます暑さが増し、猛暑になる傾向があるようです。
また、今年の夏は平年に比べて気温が高く、晴れた日は特に熱中症対策が必要とのこと。
こんなに暑い日が毎日続くと、床の上でゴロンと伸びて過ごす猫ちゃんも多いことでしょう。
毎年この時期になると、猫の飼い主さんからも「うちの猫が夏バテのようで・・・」という声を多く聞きます。
先日、シッティングのご予約でお電話をいただいた飼い主さんとお話しをしていたときのこと。
「猫が暑さでバテてしまったようで、数日前から食欲がなく元気がないのですが・・・、
夏バテでしょうし、少し様子を見ようと思っています。」と。
たしかに夏バテを起こしているケースもあるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
本当に夏バテでしょうか?
この飼い主さんのお話をよく聞けば、猫は1週間前から元気がなくなって、水は何とか飲んでいるものの食事はほとんどしておらず、体重も落ちたようで少し痩せてしまった。
そして、じっとうずくまっていることが多いとのこと・・・。
飼い主さんは、数日間は様子を見ると言われていましたが、できればすぐに病院へ行ってもらうようにお話ししました。
すると、その方は思い直して、夜間の動物病院にすぐに連れて行ってくださったのです。
そして、血液検査とレントゲン検査をして、
診察結果は「横隔膜ヘルニア」。
「横隔膜ヘルニア」の原因は様々ありますが、横隔膜が裂けて腹部の臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気です。一刻も早い手術が必要な症状です。その猫ちゃんは、外にお散歩に行く猫ちゃんでしたので、おそらく外で何らかの外傷を負ってしまったのではないか、ということでした。夏バテとは全く関係のない病気で苦しんでいたのです。
そして、あと数日様子を見ていたら、本当に命が危なかったのです。
このケースには私も大変驚きましたが、猫の不調を勝手に判断することの恐ろしさを痛感する出来事でもありました。
猫が、元気がなくなり食事をしなくなった時は、要注意です。
この暑い季節に猫の食欲が落ちると、ついつい暑さのせいかと誰でも思ってしまうものですが、夏バテと判断する前に一度病院で受診してもらうことをお勧めします。夏バテなどではなく、他の病気にかかっているかもしれないのです。
また、お部屋の中の冷房が効きすぎていて、猫が風邪をひいてしまうことも夏にはよくあります。猫は風邪をひいてしまい元気がないのですが、飼い主さんは夏バテと思いこみ、さらに冷房を強くして、症状を悪化させてしまった、ということもありました。
猫は具合が悪い時、それを隠す動物です。
私たちが猫の小さな変化にいち早く気が付いてあげることが猫の命を救うことになります。
冷たい場所に行く、普段と違う場所に隠れている、食欲がない、水をたくさん飲む、トイレの回数が多い、口呼吸する、震えている、頻繁に嘔吐する、お腹が腫れている、元気がない、などは病気の疑いがある症状です。
このような症状がある時は、早めに病院へ行きましょう。
あなたの大切な猫ちゃんを守ってあげられるのはあなただけなのです。
参考文献::「ネコ学大図鑑」東京猫医療センター院長 服部幸著
キャットシッターないとうのHP:http://catsitter-naito.com/
著者:キャットシッター 内藤由佳子
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