猫とお客様を繋ぐ場所。“猫カフェ”を巡るそれぞれのストーリー(4)

実家で一緒に過ごした動物といえば、金魚と屋台で買ってきたひよこくらいだ。ひよこについては殆ど記憶にないのだが、成長後は田舎の親戚に引き取られたらしい。犬や猫と暮らすことに憧れはあったものの、我が家は断じて許してくれなかった。当時は両親とも共働きで、子供が面倒を見ることができなくなった時、親が世話を焼く余裕はなかった。動物の命に対して責任を持てないなら、最初から一緒に住まないという両親の選択は、正しかったのだろう。猫に限らず、一緒に住んでいた動物を簡単に捨ててしまう人が増えている。大抵は手に負えなくなった、出産等で増えすぎてしまった等の理由から、なんの躊躇いもなく捨てるのは許しがたい。簡単に動物を扱う人が少しでも減ることを祈っている。

②-1

猫ルームは子猫からシニア猫まで、常時10匹前後の猫たちが生活しています。 現在のボス的存在はイケメン八割れのヤマピーです。

明るく清潔な空間で魅力的な猫に出会える-猫と人のいやし処 そら猫

今回お話を伺ったのは、鹿児島市天文台にある「猫と人のいやし処 そら猫」の中村さん。お店は今年でオープンして6年目。中村さんは15年前から動物愛護団体に所属し、お店では「特定非営利活動法人犬猫と共生をめざす会鹿児島」の規約に基づき、毎週日曜日に店舗で譲渡会を行っている。長年にわたる愛護団体の活動の中で、なんとか成猫が新しい家族と出会えるきっかけを作りたい!と感じるようになりました。
「所属団体では月に3~4回譲渡会を開催していますが、子猫に比べて成猫は中々里親さんが見つかるチャンスに恵まれません。持病や障害があると特に難しくなります。子猫はそれだけで可愛いのですが、成猫は譲渡会会場では狭いケージに入れられているため、その猫の本来の性格や良さ、個性が伝わらないのを歯痒く思っていました」

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猫とお客様を繋ぐ場所。“猫カフェ”を巡るそれぞれのストーリー(4)

実家で一緒に過ごした動物といえば、金魚と屋台で買ってきたひよこくらいだ。ひよこについては殆ど記憶にないのだが、成長後は田舎の親戚に引き取られたらしい。犬や猫と暮らすことに憧れはあったものの、我が家は断じて許してくれなかった。当時は両親とも共働きで、子供が面倒を見ることができなくなった時、親が世話を焼く余裕はなかった。動物の命に対して責任を持てないなら、最初から一緒に住まないという両親の選択は、正しかったのだろう。猫に限らず、一緒に住んでいた動物を簡単に捨ててしまう人が増えている。大抵は手に負えなくなった、出産等で増えすぎてしまった等の理由から、なんの躊躇いもなく捨てるのは許しがたい。簡単に動物を扱う人が少しでも減ることを祈っている。

②-1

猫ルームは子猫からシニア猫まで、常時10匹前後の猫たちが生活しています。 現在のボス的存在はイケメン八割れのヤマピーです。

明るく清潔な空間で魅力的な猫に出会える-猫と人のいやし処 そら猫

今回お話を伺ったのは、鹿児島市天文台にある「猫と人のいやし処 そら猫」の中村さん。お店は今年でオープンして6年目。中村さんは15年前から動物愛護団体に所属し、お店では「特定非営利活動法人犬猫と共生をめざす会鹿児島」の規約に基づき、毎週日曜日に店舗で譲渡会を行っている。長年にわたる愛護団体の活動の中で、なんとか成猫が新しい家族と出会えるきっかけを作りたい!と感じるようになりました。
「所属団体では月に3~4回譲渡会を開催していますが、子猫に比べて成猫は中々里親さんが見つかるチャンスに恵まれません。持病や障害があると特に難しくなります。子猫はそれだけで可愛いのですが、成猫は譲渡会会場では狭いケージに入れられているため、その猫の本来の性格や良さ、個性が伝わらないのを歯痒く思っていました」

お店では中村さんのさまざまな工夫によって、成猫の魅力を感じることができます。
「猫カフェなら広いスペースで自由に動き回る様子が見ることができますし、その子の良さも伝わりやすくなります。障害や持病があっても、ほんの少しのケアで健康な猫たちと変わりなく共に生活できることもわかってもらえますし、十分なアドバイスもできます。納得いくまで何度も足を運んでもらい、時間をかけて家族として迎える猫を決めていただいています」

外観

看板から、リラックスムードが漂っています。

内装

陽が差し込む店内。日々の掃除で磨き上げた空間は、清潔感があって気持ちのよい場所。

WEBサイトやSNSで見ることができるそら猫は、日差しが沢山入りこむ猫カフェ。
毎日時間をかけて掃除をしていることもあり、とても清潔な空間を保ち、訪れるお客様も気持ちよく過ごしています。陽の当たる場所でまどろむ猫、歳を重ねてきてメインルームとは別の場所でゆっくり過ごす猫をSNSで常時発信していますが、どの猫も心からリラックスしているのが伝わってきます。
もちろん楽しいことばかりではなく、猫の持ち込みや捨て猫をされることも多々あります。やむを得ず引き取るにしても、一匹を保護して検診やメンテナンス等にはそれなりに費用もかかり、店舗経営には重くのしかかります。それによって、本来の猫を助けたい気持ちがあっても個人経営では限度があり、中村さんだけでなく、今在籍する猫たちにもストレスになるため、なるべく猫や保護猫カフェに対して、善意ある行動ができる人が増えていってほしいものです。
「店舗経営や猫の譲渡については大変な部分も勿論ありますが、嬉しいことも沢山あってやりがいがあります。当店を卒業した「じろうくん」(当時2才)が現在グループホームで、セラピーキャットとして活躍していますし、何より里親さんに猫たちとの暮らしをバトンタッチできるのが一番うれしいですね。そして、猫たちの個性は一匹ずつそれぞれ魅力があります。里親募集型のお店のため、子猫は特に入れ替わりが激しいですが、在籍するほとんどの猫たちは子猫の面倒をよくみてくれて、とても助かっています」