日常生活を普通に送っているとトラブルに遭遇することって時々ありますね。巻き込まれはしないまでも、目の前でゴタゴタが起きることは多々あります。ちょっと猫さんに関係のない前置きが長くなりますが、よろしければお付き合いください。


トラブルになると、逆上して怒りまくっている人ばかりが目立って悪者になりがちなんですが、仮にその怒っている人を、「引火されて燃え上がりやすい」という意味で「ガソリンタイプ」とすると、それに着火しちゃった「火種タイプ」の人にも、かなりの割合で責任はあるんじゃないのかなあと思うこともしばしばです。そして火種タイプの人は、自分にも責任があることにあんまり気づいてないのではと思うんですね。

とある寿司屋の引火事件

先日、立ち食いカウンターのお寿司屋さんに居たときのことです。10人くらいでもう満席という位の狭い店で、店内は僕も入れてすでに7人くらい埋まっていました。

「イカとアジをください」
とか言って、モソモソと食べていたわけですよ。握ってくれる職人さんは二人いて、カウンターの中で忙しそうに注文を受けていました。こういう時、客の方も注文のタイミングとか結構気を使いますよね。立て続けに注文入れても覚えられないだろうとか、注文の切れ目をうまく見計らってとか。時には最初にお店の人に言われることもあります「一度に2種類ずつ注文してくださいね」とか。どっちかというと、「2種類以上は一度に注文しないでね」ということなのかなと最近は思っています。一人の客に集中しないようにとかマナー的な意味もあるのでしょうかね。

この職人さん二人の内の一人が後で「火種」になるわけですが… 「火種職人」と名前をつけましょうか。もう一人の人は「普通職人」です。

そこへ新しい客が二人入ってきました。男の二人連れで体育会系かなと思うような雰囲気で、年齢は二人共20代後半と言ったところでしょうか。僕の左側がちょうど二人分空いていたので、そこに立ったのです。立ち食いなのでね。その一方の男が後で逆上する「ガソリン男」になります。もうひとりの男は「ガソリン男の連れ」と名付けましょう。

ガソリン男は店内の壁のメニューを眺めたりしながら、あまり慣れない様子で「火種職人」の顔を見ながら、
「えーっと…何か盛り合わせ的なものは…」
と聞きました。すると火種職人は、
「夜はそういうのやってねえんですっ」
仏頂面でそう言ったんですね。僕は心の中で、(あれー?なんか晩酌セットとかなかったっけ?平日はやってないのかな?)とか思いましたけどね。文章では伝わりにくいですが、その時の火種職人の表情とか態度とか動きとか、微妙に火種っぽいものを少し感じました。

ガソリン男はちょっとカチンときた様子で、
「じゃあ…マグロとサバと…ネギトロと鉄火と穴子」と注文しました。僕は心の中で(いきなり5つかい?)と思いましたけど。いや二人分ということならまあいいんですがその後に、ぶすっとした顔でせわしなく握る火種職人に今度はガソリン男の連れの方が、注文しようとしたのでしょう、
「あのーすいませんいいですかー?」
と声をかけたのです。するとその火種職人は、あろうことかスルーしたのですね。さり気なく無視とでも言いましょうか、忙しく動いて聞こえないふりです。(おいおい、返事くらいしろよ)と心の中でつぶやく僕。

店内にちょっと不穏な空気が流れます。

そして発火へ

連れの問いかけがスルーされて、明らかに不機嫌になったガソリン男は、
「すいません…追加注文できますか…?」
と言いました。すると火種職人はぼそっと小さな声で、
「…そんな続けて言われても対応できねっすよ」
(あらー、客にそんなこと言っちゃうかい?) と僕の心の声。

ガソリン男は、ぶつぶつと隣の連れに向かって小さな声でつぶやき始めます。
「だからできるかって聞いとんじゃ…」
「ちょっとお待ちくださいとか、言い方あんだろよ…」「態度悪ぃんじゃねーか、ちょっとおかしくね?」

ほどなくして、火種職人がガソリン男の前に、「はいどうぞー」と握った寿司を置きました。

するとガソリン男はその寿司を1個、むんずっとつかみ、火種職人に投げつけたのです。
「食わねーよ! こんなの!」
1個だけでなく出された全部を次々と投げつけます。
「なんじゃーその態度?あ?」「こっちはできるかって聞いとんじゃこら!あぁ?」
「なめとんか!」

ガソリン男の連れが、「まあまあ」となだめても怒りは治まらず。
「こんなとこで食えるかー!帰るよ!」「金は払うし!」

横にいた「普通職人」が慌てて、
「申し訳ございません! お代は結構ですので…」

ガソリン男は続けて、
「払うっつってんだ! 握った分はよ! 払わなかったら食い逃げだろがよ! 食い逃げにしたいんか?食い逃げか?食い逃げか? あ?」
千円札を数枚投げつけて、連れになだめられながら出て行きました。

僕も含めて残された数人の客は、突っ立ったままどうしたものやら。火種職人もさすがに申し訳なさそうに、
「すみません、握り直しますので…」
客の前に出ていた寿司を回収したり…。

僕はというと、
「えーと… じゃあネギトロとハマチをください」

何もなかったかのように、しれ~っと注文を続ける僕はさしずめ「空気タイプ」といったところでしょうか。隣に立っていたので、何か口を挟むべきだったのかなあ…とか思いながらも、でも火に空気を送り込むとさらに燃え上がってしまうので、やっぱり静かにおとなしくしていて良かったとかも思ったり。自分には全く関係のないことなのに、何でしょうね、この胸のざわざわ感は。こういうトラブルって避けようがないので、ご注意を、としか言いようがないですね。


人間ほどややこしくはないですが、猫にもガソリンと火種はいるようです。

こちらは青葉区にある里親募集型の猫カフェブランのミチコ。猫が嫌いなんです。他の猫が近づくと火傷します。ガソリンタイプです。

とぼけた顔で、たまこが寄っていきますが・・・。

「シャー!」ほらね。

人は大好きなんですけどね。ミチコは1頭飼いが向いていますね。

日常生活を普通に送っているとトラブルに遭遇することって時々ありますね。巻き込まれはしないまでも、目の前でゴタゴタが起きることは多々あります。ちょっと猫さんに関係のない前置きが長くなりますが、よろしければお付き合いください。


トラブルになると、逆上して怒りまくっている人ばかりが目立って悪者になりがちなんですが、仮にその怒っている人を、「引火されて燃え上がりやすい」という意味で「ガソリンタイプ」とすると、それに着火しちゃった「火種タイプ」の人にも、かなりの割合で責任はあるんじゃないのかなあと思うこともしばしばです。そして火種タイプの人は、自分にも責任があることにあんまり気づいてないのではと思うんですね。

とある寿司屋の引火事件

先日、立ち食いカウンターのお寿司屋さんに居たときのことです。10人くらいでもう満席という位の狭い店で、店内は僕も入れてすでに7人くらい埋まっていました。

「イカとアジをください」
とか言って、モソモソと食べていたわけですよ。握ってくれる職人さんは二人いて、カウンターの中で忙しそうに注文を受けていました。こういう時、客の方も注文のタイミングとか結構気を使いますよね。立て続けに注文入れても覚えられないだろうとか、注文の切れ目をうまく見計らってとか。時には最初にお店の人に言われることもあります「一度に2種類ずつ注文してくださいね」とか。どっちかというと、「2種類以上は一度に注文しないでね」ということなのかなと最近は思っています。一人の客に集中しないようにとかマナー的な意味もあるのでしょうかね。

この職人さん二人の内の一人が後で「火種」になるわけですが… 「火種職人」と名前をつけましょうか。もう一人の人は「普通職人」です。

そこへ新しい客が二人入ってきました。男の二人連れで体育会系かなと思うような雰囲気で、年齢は二人共20代後半と言ったところでしょうか。僕の左側がちょうど二人分空いていたので、そこに立ったのです。立ち食いなのでね。その一方の男が後で逆上する「ガソリン男」になります。もうひとりの男は「ガソリン男の連れ」と名付けましょう。

ガソリン男は店内の壁のメニューを眺めたりしながら、あまり慣れない様子で「火種職人」の顔を見ながら、
「えーっと…何か盛り合わせ的なものは…」
と聞きました。すると火種職人は、
「夜はそういうのやってねえんですっ」
仏頂面でそう言ったんですね。僕は心の中で、(あれー?なんか晩酌セットとかなかったっけ?平日はやってないのかな?)とか思いましたけどね。文章では伝わりにくいですが、その時の火種職人の表情とか態度とか動きとか、微妙に火種っぽいものを少し感じました。

ガソリン男はちょっとカチンときた様子で、
「じゃあ…マグロとサバと…ネギトロと鉄火と穴子」と注文しました。僕は心の中で(いきなり5つかい?)と思いましたけど。いや二人分ということならまあいいんですがその後に、ぶすっとした顔でせわしなく握る火種職人に今度はガソリン男の連れの方が、注文しようとしたのでしょう、
「あのーすいませんいいですかー?」
と声をかけたのです。するとその火種職人は、あろうことかスルーしたのですね。さり気なく無視とでも言いましょうか、忙しく動いて聞こえないふりです。(おいおい、返事くらいしろよ)と心の中でつぶやく僕。

店内にちょっと不穏な空気が流れます。

そして発火へ

連れの問いかけがスルーされて、明らかに不機嫌になったガソリン男は、
「すいません…追加注文できますか…?」
と言いました。すると火種職人はぼそっと小さな声で、
「…そんな続けて言われても対応できねっすよ」
(あらー、客にそんなこと言っちゃうかい?) と僕の心の声。

ガソリン男は、ぶつぶつと隣の連れに向かって小さな声でつぶやき始めます。
「だからできるかって聞いとんじゃ…」
「ちょっとお待ちくださいとか、言い方あんだろよ…」「態度悪ぃんじゃねーか、ちょっとおかしくね?」

ほどなくして、火種職人がガソリン男の前に、「はいどうぞー」と握った寿司を置きました。

するとガソリン男はその寿司を1個、むんずっとつかみ、火種職人に投げつけたのです。
「食わねーよ! こんなの!」
1個だけでなく出された全部を次々と投げつけます。
「なんじゃーその態度?あ?」「こっちはできるかって聞いとんじゃこら!あぁ?」
「なめとんか!」

ガソリン男の連れが、「まあまあ」となだめても怒りは治まらず。
「こんなとこで食えるかー!帰るよ!」「金は払うし!」

横にいた「普通職人」が慌てて、
「申し訳ございません! お代は結構ですので…」

ガソリン男は続けて、
「払うっつってんだ! 握った分はよ! 払わなかったら食い逃げだろがよ! 食い逃げにしたいんか?食い逃げか?食い逃げか? あ?」
千円札を数枚投げつけて、連れになだめられながら出て行きました。

僕も含めて残された数人の客は、突っ立ったままどうしたものやら。火種職人もさすがに申し訳なさそうに、
「すみません、握り直しますので…」
客の前に出ていた寿司を回収したり…。

僕はというと、
「えーと… じゃあネギトロとハマチをください」

何もなかったかのように、しれ~っと注文を続ける僕はさしずめ「空気タイプ」といったところでしょうか。隣に立っていたので、何か口を挟むべきだったのかなあ…とか思いながらも、でも火に空気を送り込むとさらに燃え上がってしまうので、やっぱり静かにおとなしくしていて良かったとかも思ったり。自分には全く関係のないことなのに、何でしょうね、この胸のざわざわ感は。こういうトラブルって避けようがないので、ご注意を、としか言いようがないですね。


人間ほどややこしくはないですが、猫にもガソリンと火種はいるようです。

こちらは青葉区にある里親募集型の猫カフェブランのミチコ。猫が嫌いなんです。他の猫が近づくと火傷します。ガソリンタイプです。

とぼけた顔で、たまこが寄っていきますが・・・。

「シャー!」ほらね。

人は大好きなんですけどね。ミチコは1頭飼いが向いていますね。