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昔の銀塩写真に想いを馳せる

今から20年以上前の写真。

深夜の時間帯に昔撮った写真を掘り出して眺めていると、不思議な感覚になります。昔よく聞いていた曲が耳に入ってくると、一瞬であのころの感覚に戻るのと同じですね。

当時僕は、PENTAXのZ-1を使っていました。デジタルカメラなんてまだなかったころです(1994年にカシオのQV-10なんてのが発売されましたが、まだまだ実用レベルではありませんでした)。

36枚撮りのフィルムを10個とかバッグに詰め込んで撮影に出かけていました。フィルムが1個あたり300円くらいでしたかね。現像代は、フィルム1個500円くらいでした。さらにプリント代がL版1枚35円とかです。だから、撮影を続けているとランニングコストがすごかったのですね。

1回のシャッターにかかるコストで計算すると、現在は飛躍的に安くなっていると思います。
今は連写で1秒で数十個コマという世界ですから、36枚撮りフィルムなんて数秒で使いきってしまいますね。

さらに現像やプリントの手間も考えると、1回のシャッターにかける想いがあのころは全く違っていたと思います。

1990年代の半ばごろ、僕は猫がたむろしている、とある郊外の古い映画館の前によく出掛けていました。地域猫やTNRなんて言葉はおろか、野良猫に不妊手術なんて概念もない時代です。

猫がたくさんいる、可愛い猫の写真が撮れるから足を運んでいたわけです。

もしも今の自分があの時代、あの場所にタイムスリップして、そこで猫の写真を撮っている自分に会ったとして…。

「ここにいるたくさんの猫はみんな不妊手術してあげた方がいいですよ」

と言うと、その時代の自分はなんと答えるでしょうかね。

たぶん、

「ん?野良猫を手術?僕が飼っているわけじゃないよ、誰がお金を出すの?」

とか言うかもしれません。

「猫の繁殖力はすごいので放っておくと大変なことになりますよ」

というとたぶん、

「いやいやそんなには増えないよ、育たないで死んでしまう猫も多いから。自然淘汰だよね」

などと言い出すかもしれません。

「でも野良猫がいると虐待なんかもあるし…」

「虐待? そんなことする人はこの辺にはいないよ。みんなで可愛がっているから」

20年前に遡っての会話のはずなのですが、2017年の今もどこかで交わされている会話でもあります。

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時間の流れって何だか不思議ですよね。日本中のすべての地域で同じ時間軸で流れているのか疑ってしまうくらい、時代の流れの感覚が違うことがあります。

もしかしたら、時間の流れってすべての地域で一定ではないのかも。
ある区画だけがある時期、時間の流れはせき止められていて、何かの拍子にどっと流れ出す…そんな不規則なものなのかもしれません。

何だかよくわからない内容になってしまいましたが、言いたいことはつまり、時代とともに概念や考え方は変わって然るべきということ。僕だって20年前と今では考え方はガラリと変わっているし、周りにいるいろんな人々の影響を受けて変化している部分はかなりあるのです。

 

著者:ねこたろう


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