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冬はオシッコの病気に注意!

「猫の排尿の異常」で動物病院に来られる患者さんが増えると、冬の訪れを感じます。今回は、猫さんの排尿にまつわる病気の早期発見のためのチェックポイントをお話しします。

<猫下部尿路疾患(FLUTD)>

寒くなってきてから、この症状でいらっしゃる猫さんが急増しています。

オシッコが少ししか出ない、一日に何度もトイレに行く、血尿、トイレにずっと座っているのに排尿していない、トイレ以外の場所でちょこちょこと排尿してしまう・・・

これらはすべて、「猫下部尿路疾患(FLUTD)」の症状の可能性があります。この病名、キャットフードのパッケージでもよく見かけるので、目にしたことのある方も多いかもしれません。なんだかややこしい名前ですね。平たく言うと、「膀胱から尿道にかけての病気」ということです。(※腎臓から膀胱までの道を上部尿路、膀胱から尿道の出口までの道を下部尿路といいます。)尿石症、膀胱炎など色々な病気をひとまとめにした用語です。

<オス猫は特に注意>

オス猫の尿道(膀胱から尿が排泄されるための道)は非常に細く、ここに結石やその前段階である結晶が詰まってしまう「尿石症」がしばしば起こります。尿道に物が詰まると、排尿できません。排尿できないと、老廃物が排泄されずに体に溜まってしまいます。これが「尿毒症」と呼ばれる状態で、すぐに対処しないと命にかかわる状態です。

尿石症の他、「特発性膀胱炎」(またまた難しそうな単語が出てきましたが、つまり、原因は特定できないけど膀胱炎になっちゃった、という意味です。寒さも引き金のひとつです)も多くみられるのですが、こちらもオス猫さんの方がハイリスクです。もちろんメス猫さんも罹ります。

<予防には、とにかく水分です!>

猫さんの尿路疾患を予防するために最も大事なことは、水分をたくさん摂らせてあげること。常に新鮮な水を好きなだけ飲めるようにしてあげてください。

また、猫さんは流れる水が大好きです。お行儀は悪いですが、お風呂や洗面台の蛇口から少しずつ水を出して遊ばせてあげるのも効果的です。

それから、ストレスをためないことも大事です。特に引っ越しで住環境が大きく変わったとき、近所の工事やお祭りで大きな音がするとき、新しい猫さんをおうちに迎えたときなどは、猫さんの些細な変化に注意してあげてください。

<排尿の有無は毎日チェック!>

早期発見のために、頻尿や尿が出ないなどの症状がないか、毎日チェックしてあげてください。

ここで注意点をひとつ。「頻尿」の場合、何度も何度もトイレに行くので比較的すぐに気づくのですが、「尿が出ていない」のって、意外と気づかないことが多いんです。特にシステムトイレ(尿が固まらず、下のシートに吸われるタイプのトイレ)をお使いの方、猫さんが最後に尿をしたのはいつか、自信を持って答えられますか?私は答えられません(笑)

システムトイレは検尿のためにオシッコを採るにはすごく便利な反面、トイレを一見しただけでは、排尿しているかどうかがわかりづらいので、1日1回はシートを確認することをおすすめします。(もちろん、目の前で排尿してくれればその必要はないですが。)24時間いちども尿が出ていない場合は命にかかわります。すぐに動物病院へ。

<まとめ>

・冬は猫の尿路疾患に注意

・オス猫は特に注意

・排尿の異常がみられたら病院へ

・尿が出ないのは命にかかわる緊急事態


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