みなさま、こんにちは。
この記事を読んでくださっている方はねこ好きな方が多いと思います。
ところでみなさまは「ねこ」と聞いてどんなねこを思い浮かべますか?

もりねこを卒業して家族のもとで暮らしている海老蔵くん。若返ったような印象です。

誰かのお膝でくつろいでいるねこ、お外で日向ぼっこしているねこ、または原生林で鋭い眼光を放っている野生のねこ?

実は、一言で「ねこ」といってもいろいろいるのです。

まずは、イエネコ。
 これは、みなさまがおうちで一緒に暮らしているねこたちです。
野生種(リビアヤマネコと言われています)を、人間が長い年月をかけて家畜改良して作り出した品種です。いわば「アート」ともいえるどうぶつです。

手前の茶白ねこは、もりねこ出身のノブくん。りっぱなイエネコとして暮らしています。

次は、お外で日向ぼっこしているねこたち。これはノラネコです。
ノラネコは、本来は飼い主である人間が責任をもって守るべき命を無責任に外に放り出してしまった状態のイエネコです。
飼い主が外で飼っている外ねこや、地域の方がお世話をしている地域ねこも、このカテゴリーに入ります。

盛岡市動物公園を闊歩するノラネコ。感染症の媒介者となる可能性もあります。

ノネコは、ノラネコが野生化して繁殖し、飼い主が誰だかわからなくなったイエネコです。
日本では法律上は野生動物とみなされます。

最後に、ねこと言われてヤマネコを思い浮かべる方は少ないと思いますが、実は日本にもヤマネコは生息しています。日本には、日本の固有種としてツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの2種のヤマネコが生息しています。いずれも絶滅の危機に瀕しているとても貴重ないのちです。

野生種として誇り高く生きているツシマヤマネコ。

今、問題になっているのは野外にいるイエネコです。
みなさまが思い浮かべる、お外でのんびり日向ぼっこしたり、公園で人間からえさをもらったりするねこたちです。
ほほえましい光景にも見えますが、半面、お庭で排せつしたりゴミを漁ったりすることもあります。ネコからすれば、生きるために普通の行動をしているだけなのですが、人間にとっては迷惑行為に感じられ、疎まれることもあります。
また、交通事故に遭ってしまったり、虐待の被害にあう可能性もあります。病気にかかるリスクも高く、室内のみで飼われているイエネコに比べて短命であることが分かっています。

ときには、重要な感染症を人や家畜や野生動物に移したり、広げたりすることもあります。

さらに問題なのは、外に出たイエネコは、優秀なハンターとして、貴重な野生動物の命を奪ってしまうこともある、ということです。ツシマヤマネコと捕食する動物をめぐって競合したり、感染症をうつしたり、生物多様性の脅威となる存在となり得るのです。

今や、野外のイエネコは、数々の野生動物を絶滅させてきた地球で最強の外来種である、ということが、世界の共通認識になりつつあります。
日本でも、北海道の天売島で海鳥を捕食するねこや、鹿児島県奄美大島で天然記念物のアマミノクロウサギを捕食するねこが問題となっています。「駆除」の必要性も言われていますが、ねことしては生きるために自然な行動をしているにすぎません。
このような状況をもたらした責任は、無責任な飼い方をした人間にあるのです。

お外でねこたちが自由に散歩したりお昼寝したりする光景は、ほほえましくはありますが、自然な状態とは言えません。日本の自然には、ねこは、2種のヤマネコだけがたくましく生きている環境が健全な状態なのです。

イエネコは、飼い主がいのちに責任を持ち、栄養たっぷりのキャットフードをもらって、
あたたかいおうちでかわいがってもらうのが、ねこにとってもひとにとっても、しあわせな関係だと言えるのです。

のんびりとくつろぐイエネコ。これがイエネコの幸せな姿です。

私どもNPO法人もりねこは、ねこの保護団体です。
全面的にねこの味方でありますが、「ねこの問題が地球規模での生物多様性に影響を及ぼしている」という視点はありませんでした。考えてみれば、地球上に暮らしているのはねことひとだけではありませんよね。視野の狭さを反省するともに、このような視点を提示してくださった岩手大学准教授、福井大祐先生のお話をさらに伺いますと、One Health(ひと、どうぶつ、地球環境の健康はすべて一つにつながっている、という考え方)、アニマルウェルフェア(動物福祉)の普及啓発など、共感する部分が非常に多いことが分かりました。そして、日本人の動物観をかえていくことが、もりねこが目指すねこもひとも、しあわせに暮らせる社会に実現につながるのではないかと考えました。

現在、福井先生は新しい団体を立ち上げ、クラウドファンディングに挑戦しています。
どうぶつたちのしあわせのため、ご支援・ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

https://readyfor.jp/projects/doubutsuishidan/announcements

 

著者:もりねこ

みなさま、こんにちは。
この記事を読んでくださっている方はねこ好きな方が多いと思います。
ところでみなさまは「ねこ」と聞いてどんなねこを思い浮かべますか?

もりねこを卒業して家族のもとで暮らしている海老蔵くん。若返ったような印象です。

誰かのお膝でくつろいでいるねこ、お外で日向ぼっこしているねこ、または原生林で鋭い眼光を放っている野生のねこ?

実は、一言で「ねこ」といってもいろいろいるのです。

まずは、イエネコ。
 これは、みなさまがおうちで一緒に暮らしているねこたちです。
野生種(リビアヤマネコと言われています)を、人間が長い年月をかけて家畜改良して作り出した品種です。いわば「アート」ともいえるどうぶつです。

手前の茶白ねこは、もりねこ出身のノブくん。りっぱなイエネコとして暮らしています。

次は、お外で日向ぼっこしているねこたち。これはノラネコです。
ノラネコは、本来は飼い主である人間が責任をもって守るべき命を無責任に外に放り出してしまった状態のイエネコです。
飼い主が外で飼っている外ねこや、地域の方がお世話をしている地域ねこも、このカテゴリーに入ります。

盛岡市動物公園を闊歩するノラネコ。感染症の媒介者となる可能性もあります。

ノネコは、ノラネコが野生化して繁殖し、飼い主が誰だかわからなくなったイエネコです。
日本では法律上は野生動物とみなされます。

最後に、ねこと言われてヤマネコを思い浮かべる方は少ないと思いますが、実は日本にもヤマネコは生息しています。日本には、日本の固有種としてツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの2種のヤマネコが生息しています。いずれも絶滅の危機に瀕しているとても貴重ないのちです。

野生種として誇り高く生きているツシマヤマネコ。

今、問題になっているのは野外にいるイエネコです。
みなさまが思い浮かべる、お外でのんびり日向ぼっこしたり、公園で人間からえさをもらったりするねこたちです。
ほほえましい光景にも見えますが、半面、お庭で排せつしたりゴミを漁ったりすることもあります。ネコからすれば、生きるために普通の行動をしているだけなのですが、人間にとっては迷惑行為に感じられ、疎まれることもあります。
また、交通事故に遭ってしまったり、虐待の被害にあう可能性もあります。病気にかかるリスクも高く、室内のみで飼われているイエネコに比べて短命であることが分かっています。

ときには、重要な感染症を人や家畜や野生動物に移したり、広げたりすることもあります。

さらに問題なのは、外に出たイエネコは、優秀なハンターとして、貴重な野生動物の命を奪ってしまうこともある、ということです。ツシマヤマネコと捕食する動物をめぐって競合したり、感染症をうつしたり、生物多様性の脅威となる存在となり得るのです。

今や、野外のイエネコは、数々の野生動物を絶滅させてきた地球で最強の外来種である、ということが、世界の共通認識になりつつあります。
日本でも、北海道の天売島で海鳥を捕食するねこや、鹿児島県奄美大島で天然記念物のアマミノクロウサギを捕食するねこが問題となっています。「駆除」の必要性も言われていますが、ねことしては生きるために自然な行動をしているにすぎません。
このような状況をもたらした責任は、無責任な飼い方をした人間にあるのです。

お外でねこたちが自由に散歩したりお昼寝したりする光景は、ほほえましくはありますが、自然な状態とは言えません。日本の自然には、ねこは、2種のヤマネコだけがたくましく生きている環境が健全な状態なのです。

イエネコは、飼い主がいのちに責任を持ち、栄養たっぷりのキャットフードをもらって、
あたたかいおうちでかわいがってもらうのが、ねこにとってもひとにとっても、しあわせな関係だと言えるのです。

のんびりとくつろぐイエネコ。これがイエネコの幸せな姿です。

私どもNPO法人もりねこは、ねこの保護団体です。
全面的にねこの味方でありますが、「ねこの問題が地球規模での生物多様性に影響を及ぼしている」という視点はありませんでした。考えてみれば、地球上に暮らしているのはねことひとだけではありませんよね。視野の狭さを反省するともに、このような視点を提示してくださった岩手大学准教授、福井大祐先生のお話をさらに伺いますと、One Health(ひと、どうぶつ、地球環境の健康はすべて一つにつながっている、という考え方)、アニマルウェルフェア(動物福祉)の普及啓発など、共感する部分が非常に多いことが分かりました。そして、日本人の動物観をかえていくことが、もりねこが目指すねこもひとも、しあわせに暮らせる社会に実現につながるのではないかと考えました。

現在、福井先生は新しい団体を立ち上げ、クラウドファンディングに挑戦しています。
どうぶつたちのしあわせのため、ご支援・ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

https://readyfor.jp/projects/doubutsuishidan/announcements

 

著者:もりねこ