初めまして。猫ちゃんのためのライフスタイル漢方・コンシェルジュの大塚まひさです。

「猫に漢方!?」と思われましたか?猫ちゃんにも漢方は有効なのです。それどころか、漢方は上手に取り入れることで、猫ちゃんを元気に美しくしてくれます。これから猫ちゃんのためのお役立ち漢方情報を連載でお届けしていきたいと思います。

愛猫のうにちゃん(1歳)です

さて、漢方というと「煎じて飲む漢方薬」「中国のもの」といったイメージがありませんか?多くの方が誤解されているのですが、実は違うのです。

漢方とは?

漢方は奈良時代に中国から日本に伝わってきたもので、日本独自で発展してきた日本の伝統医学なのです。西洋医学「蘭方」が伝わってきた時に、日本の伝統医療と区別するため「漢方」と名付けられました。

漢方と聞くと「漢方薬」だと思われる方が多いかと思います。漢方とは考え方、方法論です。漢方の考え方は薬だけではありません。漢方の薬は「漢方薬」ですが、食事だったら「薬膳」、お茶なら「漢方茶」や「薬膳茶」となります。他にも、気功、整体、鍼灸など、漢方の考え方をしているものは全て漢方になるのです。

漢方イコール漢方薬ではないことがお分かりいただけましたか?

漢方薬も薬!

一方、「漢方薬」のイメージは副作用がなくて体に優しくて安全で…といったものが一般的ですよね。これも誤り。漢方薬も「薬」です。素人では予測できないような副作用もあります。自己判断で猫ちゃんに飲ませることはせず、必ず漢方治療を行う獣医さんにご相談くださいね。

猫ちゃんへの漢方薬投与は専門家の指導を受けましょう

漢方では「異病同治(いびょうどうち)」「同病異治(どうびょういち)」という言葉があります。異なる病気でも、同じ治療をすることもあれば、同じ病気でも違う治療をすることもあるという意味です。

例えば、2匹の猫ちゃん(仮にAちゃん、Bちゃんと呼びます)が、皮膚炎になったとします。AちゃんとBちゃんでは、皮膚炎になった原因が異なります。Aちゃんは室内の乾燥が原因で、Bちゃんはストレスが原因。だとしたら、異なる治療をするのは当然ですよね。

けれど、それが素人では違いがわからないとしたら…同じ治療をしてしまうかもしれません。

「お友だちの猫ちゃんが、●●という漢方薬を飲んだら皮膚炎が良くなったから、うちの猫ちゃんにも飲ませてみよう」などと安易に考えず、原因を探り出すためにも獣医さんのところでちゃんと診てもらいましょう。

漢方薬と西洋薬は何が違う?

漢方薬は
・カラダ全体を見る
・原因を探り出し解決する
・「体に流れを作る」薬

西洋薬は
・原因の局所を見る
・病の原因の箇所をブロックする
・「鋭く効く」薬

漢方薬では カラダの栄養や機能のバランスが崩れていることで不調になると考えるので、全体のバランスを整えるように、生薬を組み合わせて治療します。 西洋薬では 不調になっているそのパーツをめがけて病気の部分を取り除く薬を選びます。どちらが正解というものではありませんが、このように根本の考え方が違うので、治療も違ってくるのです。

実家の猫・みるちゃん(11歳)

漢方の考え方

『人間も猫も自然の一部』
人間や猫のカラダは、食べたり飲んだりしたものだけでできているわけではなく、自然界の変化によっても影響されます。ですので季節や環境に応じて漢方薬の処方も養生の仕方も変わってきます。暑ければ熱を取り除き、寒ければ熱を加える必要があります。外気の湿度が高ければ余分な水分を外に出し、外気が乾燥していれば潤いをプラスします。

『流れ、バランスが大切』
気・血・水の量と流れのバランスを整えること、内臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きのバランスを整えることを基本とします。

『個々の体質と根本の原因』
猫ちゃん1匹1匹体質も原因も異なります。それぞれに合ったライフスタイルの提案や漢方薬の処方を行うのが、漢方です。

まとめ

私も今の家に猫1匹(うにちゃん1歳)、実家でも猫1匹(みるちゃん11歳)と暮らしていますが、うちの猫たちにも日ごろから漢方を取り入れています。

うにちゃんは、動物病院に行くとストレスからか、お水を飲まなくなったりします。そうなると結石や突発性膀胱炎も心配です。こんな時は「水めぐり」が良くなる漢方のふりかけをごはんに混ぜて与えます。同時に、緊張で肩のあたりが凝ってしまうと「血めぐり」が悪くなるので、優しく揉みほぐしてあげています。

実家にいるみるちゃんは高齢。漢方の考え方に基づくと、「腎(じん)」を元気にしてあげることが大切になります。そこで、ごはんに「腎」を整えてくれるクコの実を時々混ぜています。マッサージは、背中〜腰のあたりの膀胱のツボを優しくつまむように行っています。

ふたりとも本当に気持ちよさそうに目を細めてくれるんですよ!飼い主としても、スキンシップが猫の健康につながるので嬉しくなります。

警戒しながらもペロペロとなめるうにちゃん

いかがでしたか?
少しでも漢方について理解していただけたなら幸いです。次回からは、飼い主さんが漢方の考え方に基づいて猫ちゃんの体調を見立てられるよう、ポイントをお伝えしてまいります。

猫ちゃんのためのライフスタイル漢方
コンシェルジュ・大塚まひさ


初めまして。猫ちゃんのためのライフスタイル漢方・コンシェルジュの大塚まひさです。

「猫に漢方!?」と思われましたか?猫ちゃんにも漢方は有効なのです。それどころか、漢方は上手に取り入れることで、猫ちゃんを元気に美しくしてくれます。これから猫ちゃんのためのお役立ち漢方情報を連載でお届けしていきたいと思います。

愛猫のうにちゃん(1歳)です

さて、漢方というと「煎じて飲む漢方薬」「中国のもの」といったイメージがありませんか?多くの方が誤解されているのですが、実は違うのです。

漢方とは?

漢方は奈良時代に中国から日本に伝わってきたもので、日本独自で発展してきた日本の伝統医学なのです。西洋医学「蘭方」が伝わってきた時に、日本の伝統医療と区別するため「漢方」と名付けられました。

漢方と聞くと「漢方薬」だと思われる方が多いかと思います。漢方とは考え方、方法論です。漢方の考え方は薬だけではありません。漢方の薬は「漢方薬」ですが、食事だったら「薬膳」、お茶なら「漢方茶」や「薬膳茶」となります。他にも、気功、整体、鍼灸など、漢方の考え方をしているものは全て漢方になるのです。

漢方イコール漢方薬ではないことがお分かりいただけましたか?

漢方薬も薬!

一方、「漢方薬」のイメージは副作用がなくて体に優しくて安全で…といったものが一般的ですよね。これも誤り。漢方薬も「薬」です。素人では予測できないような副作用もあります。自己判断で猫ちゃんに飲ませることはせず、必ず漢方治療を行う獣医さんにご相談くださいね。

猫ちゃんへの漢方薬投与は専門家の指導を受けましょう

漢方では「異病同治(いびょうどうち)」「同病異治(どうびょういち)」という言葉があります。異なる病気でも、同じ治療をすることもあれば、同じ病気でも違う治療をすることもあるという意味です。

例えば、2匹の猫ちゃん(仮にAちゃん、Bちゃんと呼びます)が、皮膚炎になったとします。AちゃんとBちゃんでは、皮膚炎になった原因が異なります。Aちゃんは室内の乾燥が原因で、Bちゃんはストレスが原因。だとしたら、異なる治療をするのは当然ですよね。

けれど、それが素人では違いがわからないとしたら…同じ治療をしてしまうかもしれません。

「お友だちの猫ちゃんが、●●という漢方薬を飲んだら皮膚炎が良くなったから、うちの猫ちゃんにも飲ませてみよう」などと安易に考えず、原因を探り出すためにも獣医さんのところでちゃんと診てもらいましょう。

漢方薬と西洋薬は何が違う?

漢方薬は
・カラダ全体を見る
・原因を探り出し解決する
・「体に流れを作る」薬

西洋薬は
・原因の局所を見る
・病の原因の箇所をブロックする
・「鋭く効く」薬

漢方薬では カラダの栄養や機能のバランスが崩れていることで不調になると考えるので、全体のバランスを整えるように、生薬を組み合わせて治療します。 西洋薬では 不調になっているそのパーツをめがけて病気の部分を取り除く薬を選びます。どちらが正解というものではありませんが、このように根本の考え方が違うので、治療も違ってくるのです。

実家の猫・みるちゃん(11歳)

漢方の考え方

『人間も猫も自然の一部』
人間や猫のカラダは、食べたり飲んだりしたものだけでできているわけではなく、自然界の変化によっても影響されます。ですので季節や環境に応じて漢方薬の処方も養生の仕方も変わってきます。暑ければ熱を取り除き、寒ければ熱を加える必要があります。外気の湿度が高ければ余分な水分を外に出し、外気が乾燥していれば潤いをプラスします。

『流れ、バランスが大切』
気・血・水の量と流れのバランスを整えること、内臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きのバランスを整えることを基本とします。

『個々の体質と根本の原因』
猫ちゃん1匹1匹体質も原因も異なります。それぞれに合ったライフスタイルの提案や漢方薬の処方を行うのが、漢方です。

まとめ

私も今の家に猫1匹(うにちゃん1歳)、実家でも猫1匹(みるちゃん11歳)と暮らしていますが、うちの猫たちにも日ごろから漢方を取り入れています。

うにちゃんは、動物病院に行くとストレスからか、お水を飲まなくなったりします。そうなると結石や突発性膀胱炎も心配です。こんな時は「水めぐり」が良くなる漢方のふりかけをごはんに混ぜて与えます。同時に、緊張で肩のあたりが凝ってしまうと「血めぐり」が悪くなるので、優しく揉みほぐしてあげています。

実家にいるみるちゃんは高齢。漢方の考え方に基づくと、「腎(じん)」を元気にしてあげることが大切になります。そこで、ごはんに「腎」を整えてくれるクコの実を時々混ぜています。マッサージは、背中〜腰のあたりの膀胱のツボを優しくつまむように行っています。

ふたりとも本当に気持ちよさそうに目を細めてくれるんですよ!飼い主としても、スキンシップが猫の健康につながるので嬉しくなります。

警戒しながらもペロペロとなめるうにちゃん

いかがでしたか?
少しでも漢方について理解していただけたなら幸いです。次回からは、飼い主さんが漢方の考え方に基づいて猫ちゃんの体調を見立てられるよう、ポイントをお伝えしてまいります。

猫ちゃんのためのライフスタイル漢方
コンシェルジュ・大塚まひさ