高知県は南国。そんなことを言われていますが、今年は例年になく寒い。
こちらでは、寒いことを

「ひやい」

といいます。

この町、矢井賀(やいか)の人々も、「ひやいねぇ」 「ひやい、ひやい」と口にします。

というわけで、オルカさんからも、「ひやいねぇ、ひやいひやい」のお顔を頂戴しました。

1

(なんだか老け込んだご様子)

さて、そんな寒い中、この冬一番の身の毛もよだつ、「ひやい」ことを経験しました。

猫のおやつ試作がスタートするに当たり、重要な準備の一つに材料調達があります。

猫の飼い主として、とにかく素材にこだわったおやつにしたい!
というのはプロジェクトを立ち上げた時からの強い想い。

『鮮度や、その食材が育った環境もこの目で見て、納得した食材を使いたい。』

この想いがあったからこそ、ここ高知県 中土佐町 矢井賀まで移住をしてきたのですから。

ここならば、新鮮なお魚が手に入る。
そして、なんと矢井賀(やいか)地区のある中土佐町にはもうひとつの特産品が。
それは、国産の七面鳥がいるのです!!

七面鳥(ターキー)は欧米では食卓でも馴染みある食材で、もちろん猫のフードにも多く使用されています。

国内では、北海道、石川県と、そして、ここ高知県 でしか飼育されていないらしい。

高知の四万十ターキーはエサにもこだわっているし、四万十源流の地で、平飼いという良い環境で育てられていて、理想の食材。

(七色に顔色が変わることから七面鳥というらしく、お顔が白い時はストレスを感じてない証拠!)

四万十ターキーのお肉は、とっても貴重なので余すところなく、人間がいただくのですが、

3

(四万十ターキーはジューシーでうま味がすごい!海外で食べたターキーとは比較にならない程)

頭と足(もみじ)だけは、調理がしづらいということで、これまで捨てられていました。

チキンの場合は、頭や足(もみじ)はラーメンのお出汁に使われることが多く、

「七面鳥もこの頭と足でよいお出汁が取れるのじゃないか。」
「頭と足までちゃんと使ってあげた方が、七面鳥も浮かばれるのではないか」

という、にゃんこマガジン編集長 藍さんとの協議の結果、

『七面鳥の頭と足で、極上の猫用スープをつくってみよう!』という事になりました。
中土佐町役場の方も、「黄金の美味しいスープがとれますよ!」といってくれたので、

おおお!いい食材が手に入る!!

という、嬉しい気持ちいっぱいでおりました。まだこの時は・・・。

しかし、私を震えあがらせたのは
その後、実際に七面鳥の頭と足をもらいに行ったときのことです。

七面鳥生産組合のおんちゃんが、

「はい、これとこれとこれ」
と、七面鳥の頭と足の入った袋を3袋も出してくる。

4

(そのままの写真は怖いので、加工したらより一層怖くなったような。ごめんなさい。)

そして、大きな透明のビニールに入ったソレは、
こちらを見ている気がする。

心の中で
「目を合わすな、目を合わすな。」
といいつつも、つい見てしまうのが人間の性。

冷凍されているので、ややモザイクのようになっているが
やはり、ソレは見ていた。七面鳥の頭たちがこっちを。

背中がぞくっとする。

とはいえ、次に頭と足をいただけるのは半年後ということなので、
貴重な頭と足を、あるだけ全部頂いて帰ることに。

なるべく中身が見えないように、発泡スチロールに押し込む。

なにしろ、量が結構ある。かなりかさばるのだから運ぶのもなかなか大変。

そして、必死で持ち帰ったその時に、
大事なことに気が付いたのです。

家の冷凍庫に入らないという事に!?(時すでに遅し)

うちの小さな冷凍庫では七面鳥の頭だけでいっぱいいっぱい。

どうしたものか考える
足が・・・
足が入らない・・・

でも、試作をするその日まで、この足を溶かすわけにいかない!
この足を、試作品作りの日までなんとか冷凍保存するのだ!!
猫のために、そして、今は亡き七面鳥のためにも!

ミッション遂行のため、
七面鳥の足をいくつかの袋に小分けにして、冷凍庫の隙間に押し込むことに。

意を決して袋を開けてみてみると

いやーーーーーーーーーーっ!!!!!

でかい!足がでかい!
怖い!肌質といい、色といい、形といい、とにかく怖い!
チキンのもみじとはまるで違う!!
恐怖でもたもたしていると、表面が溶け始める足(泣)

溶けたらもっと怖い。
早く何とかしなければ。

凍っている足たちを一本一本
とり出し詰め替える。
(鳥だけにとか言うてる場合じゃない)

生まれて初めて、七面鳥の足に触れる。
いや、七面鳥本体にだって触れたことないのに。
初めて触れたのが、足。
しかも足だけ何本もっていう状況。
足だけをひたすら詰め替える作業は続く。

ひやい・・・。凍っているので、手先(※私の)が冷えてどんどん寒くなる。

恐竜のような皮膚に、長い爪。
ふと魔法使いなら、トカゲのしっぽや、こんな足も使うだろうかという思いがよぎり
「ペルッコラブリンクルクルリンクル~(わかる人にはわかる呪文)」と呟いてみたが、たった一人キッチンで七面鳥の足を握りしめ、いったい私は何をしているのだろうと我に返り、より一層「ひやい」思いに陥る。

生っぽい臭いもしてきて、鳥肌が立ち、(鳥だけにとか言ってる場合じゃないPart2)
心身共にすっかり冷え込んだのでした。

しかし、七面鳥だって命だ。 「ありがとう、七面鳥。美味しくいただくからね!」

と、一本一本の足と、しっかり握手。(足だけど)

かくして、無事に七面鳥の頭と足は冷凍庫に収まりました。
ふーーーよかった!!

・・・・・・・・・・・・・

我が家の冷凍庫が七面鳥に占拠されてしまったことが良かったかどうかはわからないけれど
(いや、よくない。非常に不便でした。)

おかげ様で、ターキーさんたちをスープにすることができました。

試作の様子やターキーさんのスープについては、またの機会に。

5

(人用は、美しくパックされていて、お肉の美味しそうなこと。テンションあがります♪)

~おまけのお話~

七面鳥をもらいに行った日、私と七面鳥の出会い以外に、
運命の出会いがもう一つありました。

七面鳥組合のおんちゃんのところで、子猫が生まれていました。
ふわふわの子猫たち。

6

この時、一緒に同行してくれていた友人が子猫に一目ぼれ。運命の出会いをしてしまったのです。

ほどなくして、あったかい友人家族の一員になった子猫ちゃん。

7

(天使のような子猫。その名もポポさん。)

寒い話が続きましたので、あったかく、かわいい画像で今日は締めさせていただきます。

著者:猫好き地域おこし協力隊 井川愛

高知県は南国。そんなことを言われていますが、今年は例年になく寒い。
こちらでは、寒いことを

「ひやい」

といいます。

この町、矢井賀(やいか)の人々も、「ひやいねぇ」 「ひやい、ひやい」と口にします。

というわけで、オルカさんからも、「ひやいねぇ、ひやいひやい」のお顔を頂戴しました。

1

(なんだか老け込んだご様子)

さて、そんな寒い中、この冬一番の身の毛もよだつ、「ひやい」ことを経験しました。

猫のおやつ試作がスタートするに当たり、重要な準備の一つに材料調達があります。

猫の飼い主として、とにかく素材にこだわったおやつにしたい!
というのはプロジェクトを立ち上げた時からの強い想い。

『鮮度や、その食材が育った環境もこの目で見て、納得した食材を使いたい。』

この想いがあったからこそ、ここ高知県 中土佐町 矢井賀まで移住をしてきたのですから。

ここならば、新鮮なお魚が手に入る。
そして、なんと矢井賀(やいか)地区のある中土佐町にはもうひとつの特産品が。
それは、国産の七面鳥がいるのです!!

七面鳥(ターキー)は欧米では食卓でも馴染みある食材で、もちろん猫のフードにも多く使用されています。

国内では、北海道、石川県と、そして、ここ高知県 でしか飼育されていないらしい。

高知の四万十ターキーはエサにもこだわっているし、四万十源流の地で、平飼いという良い環境で育てられていて、理想の食材。

(七色に顔色が変わることから七面鳥というらしく、お顔が白い時はストレスを感じてない証拠!)

四万十ターキーのお肉は、とっても貴重なので余すところなく、人間がいただくのですが、

3

(四万十ターキーはジューシーでうま味がすごい!海外で食べたターキーとは比較にならない程)

頭と足(もみじ)だけは、調理がしづらいということで、これまで捨てられていました。

チキンの場合は、頭や足(もみじ)はラーメンのお出汁に使われることが多く、

「七面鳥もこの頭と足でよいお出汁が取れるのじゃないか。」
「頭と足までちゃんと使ってあげた方が、七面鳥も浮かばれるのではないか」

という、にゃんこマガジン編集長 藍さんとの協議の結果、

『七面鳥の頭と足で、極上の猫用スープをつくってみよう!』という事になりました。
中土佐町役場の方も、「黄金の美味しいスープがとれますよ!」といってくれたので、

おおお!いい食材が手に入る!!

という、嬉しい気持ちいっぱいでおりました。まだこの時は・・・。

しかし、私を震えあがらせたのは
その後、実際に七面鳥の頭と足をもらいに行ったときのことです。

七面鳥生産組合のおんちゃんが、

「はい、これとこれとこれ」
と、七面鳥の頭と足の入った袋を3袋も出してくる。

4

(そのままの写真は怖いので、加工したらより一層怖くなったような。ごめんなさい。)

そして、大きな透明のビニールに入ったソレは、
こちらを見ている気がする。

心の中で
「目を合わすな、目を合わすな。」
といいつつも、つい見てしまうのが人間の性。

冷凍されているので、ややモザイクのようになっているが
やはり、ソレは見ていた。七面鳥の頭たちがこっちを。

背中がぞくっとする。

とはいえ、次に頭と足をいただけるのは半年後ということなので、
貴重な頭と足を、あるだけ全部頂いて帰ることに。

なるべく中身が見えないように、発泡スチロールに押し込む。

なにしろ、量が結構ある。かなりかさばるのだから運ぶのもなかなか大変。

そして、必死で持ち帰ったその時に、
大事なことに気が付いたのです。

家の冷凍庫に入らないという事に!?(時すでに遅し)

うちの小さな冷凍庫では七面鳥の頭だけでいっぱいいっぱい。

どうしたものか考える
足が・・・
足が入らない・・・

でも、試作をするその日まで、この足を溶かすわけにいかない!
この足を、試作品作りの日までなんとか冷凍保存するのだ!!
猫のために、そして、今は亡き七面鳥のためにも!

ミッション遂行のため、
七面鳥の足をいくつかの袋に小分けにして、冷凍庫の隙間に押し込むことに。

意を決して袋を開けてみてみると

いやーーーーーーーーーーっ!!!!!

でかい!足がでかい!
怖い!肌質といい、色といい、形といい、とにかく怖い!
チキンのもみじとはまるで違う!!
恐怖でもたもたしていると、表面が溶け始める足(泣)

溶けたらもっと怖い。
早く何とかしなければ。

凍っている足たちを一本一本
とり出し詰め替える。
(鳥だけにとか言うてる場合じゃない)

生まれて初めて、七面鳥の足に触れる。
いや、七面鳥本体にだって触れたことないのに。
初めて触れたのが、足。
しかも足だけ何本もっていう状況。
足だけをひたすら詰め替える作業は続く。

ひやい・・・。凍っているので、手先(※私の)が冷えてどんどん寒くなる。

恐竜のような皮膚に、長い爪。
ふと魔法使いなら、トカゲのしっぽや、こんな足も使うだろうかという思いがよぎり
「ペルッコラブリンクルクルリンクル~(わかる人にはわかる呪文)」と呟いてみたが、たった一人キッチンで七面鳥の足を握りしめ、いったい私は何をしているのだろうと我に返り、より一層「ひやい」思いに陥る。

生っぽい臭いもしてきて、鳥肌が立ち、(鳥だけにとか言ってる場合じゃないPart2)
心身共にすっかり冷え込んだのでした。

しかし、七面鳥だって命だ。 「ありがとう、七面鳥。美味しくいただくからね!」

と、一本一本の足と、しっかり握手。(足だけど)

かくして、無事に七面鳥の頭と足は冷凍庫に収まりました。
ふーーーよかった!!

・・・・・・・・・・・・・

我が家の冷凍庫が七面鳥に占拠されてしまったことが良かったかどうかはわからないけれど
(いや、よくない。非常に不便でした。)

おかげ様で、ターキーさんたちをスープにすることができました。

試作の様子やターキーさんのスープについては、またの機会に。

5

(人用は、美しくパックされていて、お肉の美味しそうなこと。テンションあがります♪)

~おまけのお話~

七面鳥をもらいに行った日、私と七面鳥の出会い以外に、
運命の出会いがもう一つありました。

七面鳥組合のおんちゃんのところで、子猫が生まれていました。
ふわふわの子猫たち。

6

この時、一緒に同行してくれていた友人が子猫に一目ぼれ。運命の出会いをしてしまったのです。

ほどなくして、あったかい友人家族の一員になった子猫ちゃん。

7

(天使のような子猫。その名もポポさん。)

寒い話が続きましたので、あったかく、かわいい画像で今日は締めさせていただきます。

著者:猫好き地域おこし協力隊 井川愛